見出し画像

【夢日記】水に流されて

 勝田駅の東口を出て少し北上したところに位置するダイソーの前のベンチに僕は腰掛けていた。時刻は18時前後で周りは薄暗く、店の上部に付けられている明るすぎる照明に、蛾や蝿が集っている。コンビニでは見たこともないような飲み物を片手に、同級生のシャーフを待っていた。僕が光で照らされた地面と暗闇の境界を見つめていると、彼女はその足から徐々に光の元に姿を露わにし、ちょうど首元近くまで見えた時、彼女は僕の手を掴んだ。
 彼女は僕を誘うように手を引いて、気づけばウォータースライダーの上まで僕を連れてきた。そこには、美男美女のカップル、元気な子供たち、寂しい目をした老婆などあらゆる人がいたが、彼女の一瞥の涙だけが彼女を認識する標識として、彼女の周りで滲んでいるのだった。
 その時の彼女といえば、しきりに自身の左手を見つめているようで、僕の目玉によく似た指輪を付けているようだった。だから僕は彼女に質問をした。
「君は僕の目を知っているの?」
 すると、彼女は心配そうな目をして、
「あなたはどこに行っていたの?そんな目をしていたら、あなたは死んでしまうよ」
 そう僕の肩に手を置いた。僕は、
「僕はいなくなったほうが良かった?」
 と尋ねると、彼女は少し微笑み、僕と彼女は飛沫を上げながら水のトンネルの中へ飛び込んだ。2回転くらい宙を仰いだくらいだったのか、
「Could you gonna marry me?」
 僕はそう彼女に言った。

2016年8月13日

この記事が参加している募集

#スキしてみて

526,418件

この記事が気に入ったらサポートをしてみませんか?