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ナショナル・シアター・ライブ(NTLive)『かもめ』チェーホフ作、ジェイミー・ロイド演出

イギリスのナショナル・シアターの舞台が日本の映画館で見られるシリーズ。ナショナル・シアターは古典的な戯曲や文学作品でも演出が面白いことが多いのだが、今回の舞台も、1人1脚の椅子が置いてあるだけの舞台セットで、その椅子を動かすことで場面転換や心情の変化、関係性を表現したりするという興味深い演出だった。

(多様な人種やいわゆる身体障害のある俳優が出演していることは、ナショナル・シアターなどイギリスでは一般的になっていると思われ、取り立てて言うことでもない事柄になっているが、今回の舞台にもさまざまな俳優が出ていた)

NTLive 『かもめ』より ©️Marc Brenner

脚本家を目指す青年が、老いつつある伯父と一緒に、ある島に住んでいる。そこへ、青年の母親で活躍している舞台俳優が訪れ、島の住人たちとともに青年の脚本で稽古をする。母親の若い恋人である有名作家も一緒に島に来ている。その作家に憧れる若い女性を、青年はずっと好いている。青年の家の管理人一家の娘は、青年に恋をしている。その娘に思いを寄せる学校教員がいる。青年の母親は恋多き人らしく、管理人とも関係しているらしい。管理人の妻は、若い頃に女性に人気だった医師を今も思っている。

恋、愛、夢、才能、名声、希望、絶望、老い――。

作品情報

作:アントン・チェーホフ
脚本:アーニャ・リース
演出:ジェイミー・ロイド

出演:エミリア・クラーク(『ゲーム・オブ・スローンズ』)、トム・リース・ハリーズ(『ホワイトラインズ』)、ダニエル・モンクス(『ノーマル・ハート』)、ソフィー・ウー(『フレッシュミート』)、インディラ・ヴァルマ(『ゲーム・オブ・スローンズ』)

​字幕翻訳:柏木しょうこ

シノプシス:
アントン・チェーホフの愛と孤独の物語を21世紀にアレンジした作品で、『ゲーム・オブ・スローンズ』のエミリア・クラークがウエストエンドに初登場/初主演した。
名声を欲し現実からの逃げ場を求める若い女性。憧れの女性を追い求める若い男。成功した作家は達成感を求めている。時代を変えるために戦いたい女優。田舎にある孤立した家では、夢は散り、希望は打ち砕かれ、心は傷つく。行き場のない思いは、互いにぶつかり合うしかないのか・・・。さまざまな思いが交差するドラマ。

【公開劇場】
2023/2/10(金)〜 公開劇場
東京)TOHOシネマズ 日本橋
神奈川)TOHOシネマズ ららぽーと横浜
名古屋)TOHOシネマズ 赤池
大阪)大阪ステーションシティシネマ
福岡)中洲大洋劇場

2/17(金)〜 公開劇場
兵庫)シネ・リーブル神戸
京都)アップリンク京都


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