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『批評の教室』刊行記念 北村紗衣×小川公代(『ケアの倫理とエンパワメント』)オンライン対談

2021年10月9日(土)配信。話の内容の一部のメモ。

【北村さん】イギリスの舞台などでは、白人でない人種の俳優の配役がフラットに行われている。意図や必然性があるとは限らない(人種がテーマとなる『オセロ』などのような作品でなければ、特別な意図はないことがむしろ多い)。
舞台をよく見る人は、そういう状況に慣れて当たり前に受け取るようになる。
【北村さん】シェイクスピア作品中のサイン(暗示、伏線、お約束):重要な登場人物は後から登場する。当時だと、階級が遠い人物たちはめったに結ばれない。
【北村さん】ドラマ『ドクター・フー』第2シリーズ第4話「暖炉の少女」:シェイクスピア『恋の骨折り損』を題材にしている。シェイクスピアが使うせりふ「エチオピアから来たのか?」(色黒の女性に向かって)が出てくることなど、シェイクスピア作品に詳しい人たちが制作した。
【小川さん】批評でいろいろなことがばーっとつながるのが楽しい。
【北村さん】人とのコミュニケーションが苦手な人でも、作品を介してなら人とつながれる。

お話を聞いていて、専門分野は違うがともに英文学を研究し、ジェンダー批評・研究をしていても、捉え方がこんなにも違うのか、と思った。当たり前だが。だから文学や研究は面白いし、広がっていく。


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