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「エシカル消費」について知っていますか?

SDGsの認知、興味などの記事に続き、第2弾ではSDGsの17のゴールとも密接に関わる「エシカル消費」について焦点をあてます。「エシカル消費(Ethical Consumption)」は、一般的に、「人々や地域、社会、そして地域環境に配慮した買い物や消費行動」を指しています。人々が、現在どのような行動や意識を持っているのか、詳しくご紹介します。

1.エシカル消費の認知は5割弱、認知の経路は「テレビ番組・CM」がトップ

人々や地域、社会、そして地球環境に配慮した買い物や、その他のお金を使う行動や考え方を指す「エシカル消費」。最近は見聞きする機会が徐々に増えてきましたが、知っている人がどのくらいいるのか聞いてみました。

「内容をよく知っている」「内容をある程度知っている」「言葉を聞いたことがある程度」を合わせた認知は全体で5割弱となり、年代があがるにつれて割合が高くなる傾向にあり、60代では54%の認知となりました。「まったく知らない」は、全体で5割強となっています。「SDGs」の認知では、若い年代が高い割合でしたが、「エシカル消費」については上の年代の認知が高くなりました。若年層に比べ消費に関わる機会が多いことによる影響も考えられるかもしれません。

認知している人の中でも、「内容をよく知っている」「内容をある程度知っている」を合わせた内容まで認知している割合は19%で2割弱でした。また、年代で大きな差はみられませんでした。

続いて、エシカル消費の認知者※に「エシカル消費」という言葉をどこで見聞きしたか聞いたところ、「テレビ番組・CM」が、もっとも高く3割超となりました。
※「エシカル消費」の「内容をよく知っている」「内容をある程度知っている」「言葉を聞いたことがある程度」と回答した人

グラフはありませんが、年代別のトピックとしては、全体でもっとも高い「テレビ番組・CM」は年代が上がるほど割合が高くなり、30代以上では3割超でした。2番目の「SNS」は、20代、30代で2割弱と他の年代に比べてやや高くなっています。
一方、10代では「授業や会社の研修」が3割超となり10代が見聞きする機会としてはもっとも高くなりました。20代でも上位になっています。
60代では「雑誌・書籍」や「新聞・折り込みチラシ」の割合も他の年代に比べて高い傾向となっています。

2.エシカル消費への興味は4割超。60代では半数以上ともっとも高い

エシカル消費について説明をしたうえで、エシカル消費について興味があるか聞いたところ、全体では「興味がある」と「やや興味がある」を合わせた44%が【興味がある】という結果になりました。

10代から50代までは「どちらともいえない」が3割台後半で高い割合を占めています。
エシカル消費について内容を詳しく知らない割合も高かったため、はっきり言いきれないということもありそうです。
60代では、【興味がある】割合が53%と5割を超え、他の年代に比べ高くなりました。

グラフにはありませんが、男女別にみてみると、女性では【興味がある】割合が約半数、男性では4割弱となり、女性のほうが興味を持っているという傾向がみられます。

続いて、「エシカル消費」を意識してふだん行動しているかについて聞いてみると、「している」「ややしている」と回答した【意識して行動している】割合が33%となりました。
年代別では、年代が上がるほど行動している割合が高くなり、60代は【意識して行動している】割合が4割超と他の年代に比べて高く、先ほどご紹介した『興味』の結果と比例していることがわかります。

グラフにはありませんが、男女でみると前項の『興味』の結果と同様に女性のほうが【意識して行動している】割合が高くなっています。

3.ふだん意識して行っている行動は、「エコバッグを利用している」が7割

「人・社会・地域・環境に配慮した消費行動」について、ふだん意識して行っているものについて聞きました。
「エコバッグを利用している」が約7割と全体でもっとも高い行動となりました。次いで「買った食品は食べきる、使い切っている」が5割超となりました。

年代別の傾向をみると、全体TOP2の「エコバッグを利用している」「買った食品は食べきる、使い切っている」は、どの年代でも同じ順位となりました。
10代~30代では「ものを長く使うために大切にしている」や「必要な分だけを購入・注文している」が3位、4位と続きます。
一方、50代、60代では「ごみを減らす工夫、分別を心がけている」や「こまめな節電をしている」の項目が上位となりました。また、6位以降ですが、60代では「リサイクルを積極的にしている」も4割超となり、エコや省エネにつながる行動に積極的な様子が見受けられました。

グラフにある上位5位以内には入りませんでしたが、50代、60代の男性では「ハイブリッドカー・電気自動車の使用/購入を検討している」が2割前後となり、他の年代に比べて高くなりました。

なお、ふだん意識して行っている「人・社会・地域・環境に配慮した消費行動」について「特にない」と回答した割合は全体でわずか6%でした。
エシカル消費について【興味がある】は44%、【それを意識した行動をしている】は33%という結果でしたが、既に、ふだんの生活の中で何らかのエシカル消費に関連する消費行動をしている割合が9割を超えていることが明らかになりました

4.「エシカル消費」を取り入れる際、価格の高さや効果の見えづらさがネックの1つに

「エシカル消費」について【興味がある人※1】または【行動している人※2】に、日常生活に「エシカル消費」の行動を取り入れるにあたって、難しいと感じることについて聞きました。
※1「エシカル消費」に「興味がある」「やや興味がある」と回答した人
※2「エシカル消費」を意識して行動を「している」「ややしている」と回答した人


全体では、「関連する商品・サービスの価格が高いこと」がもっとも高く3割弱となりました。
次いで、「自分だけが行動しても、あまり効果がないと思うこと」「経済的な負担が大きいこと」「社会・環境の改善への効果がわからないこと」と続きます
全体的に、価格の負担、効果の見えづらさが取り入れる際に難しさを感じさせるようです。

グラフにはありませんが、上の年代では「関連する商品・サービスの価格が高いこと」が、若い年代では「自分だけが行動しても、あまり効果がないと思うこと」が高くなる傾向がありました。

最後に、「エシカル消費」を日常に取り入れる際に難しいと感じることについて、ここでは「エシカル消費」に興味がある人、意識して行動している人を軸にみていきましょう。

【エシカル消費に興味があり、行動している人】
こちらの層は、他に比べて「関連する商品・サービスの価格が高いこと」が3割超でもっとも高くなりました。

【エシカル消費に興味はあるが、行動していない人】

「エシカル消費がよくわからないこと」が24%となり、また、「行動の仕方がわからないこと」も21%と難しいと感じる項目として上位となりました。興味はあるが、どういうことをしていいかよくわからないから行動ができていないという様子がみられます。
この層に、エシカル消費についての内容や行動の仕方を伝えていくことで、今後意識して行動をする人が増える可能性は十分考えられそうです。

【エシカル消費に興味はないが、行動している人】
効果や価格についての項目が上位となりましたが、「ふだん、いちいち考えて行動していないこと」の項目がランクインしている点が特徴的です。

エシカル消費という言葉の認知や興味については過半数を割る結果となりましたが、ふだん意識して行っている「人・社会・地域・環境に配慮した消費行動」をみると、多くの人が意識して行動している様子がわかりました。
今後、若い年代を中心に学校教育や企業の研修などで認知や内容理解が進んでいくことが想定され、こういった世代にも訴求を続けることで、将来的に消費行動にも大きな影響をもたらすかもしれません。

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【調査について】
LINEユーザーを対象にしたスマートフォンWeb調査
調査対象:日本全国の15~69歳男女
実施時期:2022年5月25日~5月28日
有効回収数:654,530サンプル
集計対象:有効回収数の中からランダム抽出した男女15~69歳の49,145サンプル
※性別年代構成比を市場にあわせてウェイトバック
※表/グラフ中の数字は小数第一位または第二位を四捨五入しているため、合計しても100%にならなかったり、同じパーセンテージでも見え方が異なったりする場合があります

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