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尾道市立大学卒業制作展2023-①

「尾道市立大学卒業制作展2023」に展示した作品のモノローグ的なものをここに記しておこうと思う。


上の画像では読みにくいが、制作に基づいたモノローグを壁面中央に配置した。
以下、全文。
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モノローグ。

お元気ですか。
わたしは、何とかではありますが、元気に生きてます。
生きるのってとっても難しいですよね。
でも、あなたのおかげで少しずつ、人間らしく生きられるようになりました。
そうそう、あなたが直接ではなかったけれど、わたしに言ってくれた言葉を時々、思い出すんですよ。
わたしは、あの言葉を聞いて、あなたのような人になりたいと思いました。
ずっと、ずっと、あなたは、わたしにとっての憧れです。

いやぁ、こうして改めてことばにすると恥ずかしいですね。
私は、あなたのような人になりたい。
やさしく包み込み、でも、ちょっと脆くて、でもやっぱり強いあなた。

そういえば、最近、絵が楽しいんですよ。
それで、ひとつ気づいたことがあるんです。
わたしは、こうして伝えたい相手、受け取ってくれるあなたのような人がいなければ、
わたしは、どうも、面と向かってわたし自身の言葉を述べることが苦手のようです。
絵も文もまともに、できやしないみたいです。
まぁ、昔に比べると、伝える努力ができるようになったんですけどね。
それもあなたのおかげかも。

え?あなたって誰だって?今さら、やめてくださいよ。
あなたは、あなたですよ。誰でもないあなたに宛ててるだけです。              

    
  飯島小雪
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この手紙の文章は基本的には、鑑賞者、特に、足を少し長く止めてくださった方に向けて宛てたものである。
ですが、ここに指している「あなた」は特定の人がいる。
それは、複数で、観に来ない(来ることができない)とわかっていて、目に触れることがないことを分かって宛てている。
ただ、私が私自身の作品として自己を表現するという意味で、大学生最後に取り上げていたい話があった。
この話は、多分、まだ、時期尚早で他言することをあまり良しとされていない話なので、またの機会に。
このnoteを読んで下さっている人には、少しだけ知っていて欲しいと思い、モノローグの裏話を記した。

@light_snow30・真贋



左から真贋、@light snow_30

自画像。日本語で伝えるのなら一番分かりやすいだろうか。
だが、あんまり自分としてはしっくりきていない。
@light_snowは、自画像というより分身。
真贋は、人が、わたしが作った理想的な虚像。
そんなわたしの形をした絵…。
なんて説明、雑過ぎる。

もっと具体的にするならば、

 @light_snowは等身大で作ってあり、自分自身から見えている自分自身の鎧や中身を油彩の色彩表現のみで行なっている。そして、題名は、SNSアカウントの名前からつけている。わたしにとってのSNSは、現実よりも考え、考え抜いた言葉だが、ストレートに、素直に言葉を発することができる場所である。等身大の自分を表現するには適していた。
 
 一方、真贋は、身近な人から見たわたしである。人間は、全身の形ではなく、上半身の雰囲気や形(髪形や顔の輪郭、肩とのバランス)で判断できると考え、上半身で切ってある。キャンバスサイズは、現実より小さく、F15号にしてある。わたしの見た目や雰囲気は実際のサイズよりも小さく取られることが多いため、実際のサイズは必要なかった。そして、この作品は写真の転写を用いた。写真というのは、わたし自身の見た記憶より周りから見えたわたしが写っている記憶であると考え、他者から見たわたしとして、表現している。
 
 こんな風に2点はリンクしていながら、視点の違ういーじまを表してあるのだ。今までは、同じ大きさで表現方法の違う作品群を双子作品なんて名付けて読んでいたが、今回の作品は、姉妹作品だろう。姉は、真贋。妹が@light_snow。周りの環境があって、人間は成り上がって行くと考えているので、真贋が姉であり、実際の作品完成時期は真贋の方が早かったのもある。

テキストと作品

もう一度、テキストの方に軽く触れるのならば、、、
絵を通して、わたし自身がどう変化してきたのか。
何がそう突き動かして来たのか。
そして、何を思い続けているのか。
そんなことを鑑賞者。特に、わたしを見守ってくれている人たちへ伝えたかった。
面白いと踏み込める手がかりを一つでも多く、展示では示していたい。
それは、説明的すぎる・邪道だ・綺麗ではないという人もいるだろうが、そんなこと知ったこっちゃない。どんなにいいものを作ったと思っても伝わらなければ何の意味もない。
足を止めてくれた人が、少しでも満足して帰れる。
さらに、欲を言うならば、わたしの作品がその人にとって、何かしら思い直すきっかけになる作品になれば良い。
ただ、なるべく、ごたつかない。遠くからみても、近くでも落ち着いて見えるそんな空間にするようには配慮は欠かしたくない。
だからこそ、もうちと、いや、もっと、技術は磨かないと。この卒展では反省しかない。

まとめ

まぁ、そんな感じである。ちなみに、あと2点も作品があるが、次の機会にしようと思う。
こんなに長文の作品概要を読んでいただきありがとうございます。
少しでも、美術が面白いと思ってもらえたらそれだけで。。。
では、また。


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