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日蓮の曼荼羅は密教のマンダラではない
日蓮の曼荼羅を密教のマンダラと混同している人がほとんどであるようだが、日蓮が描いた曼荼羅は浄土変相図(以下、変相という)の一種であって密教のマンダラではない。以下、このことについて説明する。
まず、基本的な事実を確認しておこう。変相はインド、チベットでは「マンダラ」とは呼ばれないが、日本人はそれらを含めて「曼荼羅」と呼んでいる。日本においていつ頃から変相を「曼荼羅」と呼ぶようになったかについてま
本門の戒壇は本門の僧侶を生み出す装置
日蓮が提示した三大正法の一つに「本門の戒壇」というものがあるのだが、日蓮じしんはそれについてほとんど説明をしていないせいでさまざまな解釈がなされている。今回は、わたしの解釈を提示しておきたい。
日蓮は法華経の迹門の三学(戒定慧)と本門の三学を区別しており、迹門の戒を授ける場所(迹門の戒壇)が最澄の努力の結果として叡山に建立されたことを偉業として賞賛している。
故に教大師像法の末に出現して法華経
三重興絶と六重相対と三大正法
法華玄義の巻第二上に見られる「三重興絶」の説から解説をはじめる。「三重興絶」というのはわたしの造語なのであるが、それは中古天台の四重興廃説の発想の原点となったといわれている法華玄義の文章を指している。なぜその部分を「三重興絶」と呼ぶかについては後で説明することにして、法華玄義の当該部分をまず引用しておこう。菅野博史さんによる現代語訳も引用しておく。
“絶は是れ妙の異名なり。〔中略〕又た、妙は是れ
創価学会の昭和53年の挫折と日蓮本仏論
わたしはツイッターで以下のように述べたのだが、このことをもう少し詳しく説明しておきたいと思う。
“池田大作さんの52年路線は、その主張内容を単体で評価するなら、創価学会を日寛教学から解放する方向性を有していたという意味で高く評価できるが、その後の日蓮正宗への屈服とあわせて評価するなら、かえって強く創価学会を日寛教学に縛りつける結果となったという意味で罪が重いと言わざるを得ない。“
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創価学会の本尊は昔から「人法一箇」
創価学会の教学アドバイザーである宮田幸一さんは「創価学会だけが日蓮の教えの通り法本尊のみを本尊としている」と主張している。今回は、このような主張が歴史的事実に反することを説明しておきたいと思う。そのために、まず、宮田幸一さんの当該主張を引用しておこう。
“創価学会は本尊として法本尊=曼荼羅本尊しか認めていない。〔中略〕
日蓮本仏論を採用しなくても、創価学会が日蓮の正統を継承しているということは
創価学会の52年路線とは何だったのか
現在の創価学会の体質の最大の問題点を一言でいうと権威主義である。世間では創価学会の査問とかスラップ訴訟とかがすでに問題視されているが、それらの事象はすべて創価学会の権威主義的体質に起因するものといってよいだろう。
今回は、なぜ創価学会がこのような権威主義的組織になりさがってしまったのかを考えるきっかけとして、創価学会の52年路線のことを少し振り返ってみたいと思う。というのも、わたしが見るかぎり、