マガジンのカバー画像

My-Mythology〜新しく綴りあげる神話の世界〜

1,046
My-Mythology〜新しく綴りあげる神話の世界〜 #note神話部 投稿用マガジン 参加方法についてはこちらの記事をご一読下さい。 → https://note.com/… もっと読む
運営しているクリエイター

#コラム

伝承からうかがい知る背景情報

伝承からうかがい知る背景情報

この記事は遠山美都男氏の著書「卑弥呼誕生」の中から神話部に出したいと思った部分について抜粋し、要約しながら書いたものです。

・・・・・・・・・・・・

とある神話・伝承の話をしてみたい。
古代中国人の中にあった東方や東海世界への幻想である。

朝鮮半島北部から中国東北部の日本海側に住む東沃沮という民族が持つ伝承にこのような話があるという。
「海中に女国有り。男人無し。或いは伝う、其の国に神井有り

もっとみる
『馬/the Horse』 神話創作文芸部ストーリア11月のお題企画作品集

『馬/the Horse』 神話創作文芸部ストーリア11月のお題企画作品集

【今月の神話】11月は「馬/the Horse」をテーマに作品を募集しました。
5名もの方々にご参加頂き、たいへん嬉しく感じております!
本企画が様々な世界の神話・個人の神話の扉を開き、また参加者同士の交流にお役立て頂けましたらまことに幸いです。



吉田翠さん/天翔ける馬の轟き

久方ぶりの、おばばのよもやま話。雷鳴と共に神馬を駆り現れた御子が、賀茂別雷大神が神社の由来となった。さて上賀茂神

もっとみる
My Mythology/Essay & Column 2023.10【神話創作文芸部ストーリア月報】

My Mythology/Essay & Column 2023.10【神話創作文芸部ストーリア月報】

神話創作文芸部ストーリア月報です。第3週はエッセイ・コラムを紹介します。
記事のupが大幅に遅れましたことをここにお詫び申し上げますm(__)m

【リバイバル神話】吉田翠さん/貰い火の記憶と発火器の例え

火のルーツを探ると2つの神話体系に遡る。炎の凶暴性、危険性を知っていたであろう古代人が神話に込めたメッセージを読み解く。



すーさん/~神話・民話の世界からコンニチハ~ 25 中国神話よ

もっとみる
『収穫/harvest』 神話創作文芸部ストーリア10月のお題企画作品集

『収穫/harvest』 神話創作文芸部ストーリア10月のお題企画作品集

【今月の神話】10月は「収穫/harvest」をテーマに作品を募集しました。
4名もの方々にご参加頂き、たいへん嬉しく感じております! 本企画が様々な世界の神話・個人の神話の扉を開き、また参加者同士の交流にお役立て頂けましたらまことに幸いです。
作品紹介の後には翌月のお題発表もありますので、最後までゆっくりとお楽しみください!



悠凛さん/穣かなる(ゆたかなる)

須弥山をあげて大々的に行わ

もっとみる
My Mythology/Essay & Column 2023.9【神話創作文芸部ストーリア月報】

My Mythology/Essay & Column 2023.9【神話創作文芸部ストーリア月報】

神話創作文芸部ストーリア月報です。
第3週はエッセイ、コラムを紹介します。

【今月の神話】吉田翠さん/別方向へ向かった神話

神話創作文芸部ストーリアでは、時折「裏話会」などと称して神話についての意見交換が行われます。選ばれなかった神話、閉じなかった神話こそが民衆の中で広まって永らえた、という意見はまさに慧眼だと思います。識者に迫る勢いを見せる吉田翠さんのコラムです。



【10月のお題企画

もっとみる
『杖/The wand』 神話創作文芸部ストーリア9月のお題企画作品集

『杖/The wand』 神話創作文芸部ストーリア9月のお題企画作品集

【今月の神話】9月は「杖/The wand」をテーマに作品を募集しました。
5名もの方々にご参加頂き、たいへん嬉しく感じております! 本企画が様々な世界の神話・個人の神話の扉を開き、また参加者同士の交流にお役立て頂けましたらまことに幸いです。
作品紹介の後には翌月のお題発表もありますので、最後までゆっくりとお楽しみください!



悠凛さん/御魂の音──たまのね

この錫杖の音を聞いて心穏やかな

もっとみる
別方向へ向かった神話

別方向へ向かった神話

「閉じた神話」わたしは何度かこの言葉を使ってきた。果たして「誰」が神話を閉じたというのだろうか。

先日神話部部長の矢口さんからひとつのリンクをいただいた。妖怪に関しての、識者へのインタビュー記事だった。
「この内容、翠さんが書いた「閉じなかった神話」と、論調が近くないですか?」と、矢口さんに言っていただいた。正直びっくりした。何となく思っていた事を書いただけだが、確かに識者が示す論に近いのだ。

もっとみる
My Mythology/Essay & Column 2023.8【神話創作文芸部ストーリア月報】

My Mythology/Essay & Column 2023.8【神話創作文芸部ストーリア月報】

神話創作文芸部ストーリア月報です。
第3週はエッセイ・コラムを紹介します。

【リバイバル神話】吉田翠さん/黄泉の国と根の国

一書の奥には、記されなかったこと、伝えられなかったことの海があり、矛盾や辻褄の合わない話の宝庫である。死後の世界への想いもまた、様々な波と流れの帰結として、神話の中に芒と立ち現れる。



すーさん/~神話・民話の世界からコンニチハ~ 22 エンメルカル王の伝説より、伝

もっとみる
My Mythology/Essay & Column 2023.7 【神話創作文芸部ストーリア月報】

My Mythology/Essay & Column 2023.7 【神話創作文芸部ストーリア月報】

神話創作文芸部ストーリア月報です。
第3週はエッセイ・コラムを紹介します。

【今月の神話】吉田翠さん/天宇受売命という存在

好きな神格をここまで掘り下げられるのは素晴らしい。前編は世阿弥が用いたとされる平安の囃子歌に始まり、能楽の真髄と古い祭祀とのズレを指摘する。そして後編では天宇受売命のエロティシズムに近いと思しき、出雲の阿国のかぶき踊りについて。神格と神話伝承と芸能の関係を丁寧に紐解いてい

もっとみる
『紅玉/Ruby』 神話創作文芸部ストーリア7月のお題企画作品集

『紅玉/Ruby』 神話創作文芸部ストーリア7月のお題企画作品集

【今月の神話】7月は「紅玉/Ruby」をテーマに作品を募集しました。
5名もの方々にご参加頂き、たいへん嬉しく感じております! 本企画が様々な世界の神話・個人の神話の扉を開き、また参加者同士の交流にお役立て頂けましたらまことに幸いです。
作品紹介の後には翌月のお題発表もありますので、最後までゆっくりとお楽しみください!



すーさん/星といのちのRuby

地球がいのちを終える時が来たとしたら

もっとみる
天宇受売命という存在 後編

天宇受売命という存在 後編

前編はコチラ

後編 ② 戯れては笑ひゑらぐ

天と地が分かれ、山河が整い男女が現れ結ばれて子孫を残す。やがて闘争や支配、統治に進む。
これを軸に様々な理に対する説明や、正当性の提示という枝葉を付ける。
時代の経過に伴い、世相思想を反映させ、後の人々の手による解釈や脚色も加わりながら、神話は整ってきたのだろう。(少なくとも日本の神話は)

物語が進むにつれて、人の感情の投影が増え、神々が徐々に人に

もっとみる
My Mythology/Essay & Column 2023.6 【神話創作文芸部ストーリア月報】

My Mythology/Essay & Column 2023.6 【神話創作文芸部ストーリア月報】

神話創作文芸部ストーリア月報です。
第3週はエッセイ・コラムを紹介します。

【今月の神話】悠凛さん/〘新話de神話〙 異聞でも何でもないやつ16

シリーズ化してきました。悠凛講師を招いての「神話×漫画」の歴史。今回は40年前に連載開始してなお継続中である『ファイブスター物語』 アマテラスの描かれ方は多種多様です。



吉田翠さん/閉じなかった神話

国家成立に向けて閉じていった神話を他所に

もっとみる
天宇受売命という存在 前編

天宇受売命という存在 前編

日本神話の中でわたしが最も好きなキャラクターは天宇受売命(アメノウズメ)だ。
彼女の説話から、古い古い時代の素朴な神話の精神を垣間見る事ができるからだ。
さてその上で、後世①かかる説話から彼女の存在を薄めてしまったように感じられる事。②彼女の事を具体的には見出せずとも、強く彼女の存在を感じる事。このふたつの事象について、前後編にわけて書いてみたい。
それによって、わたしの胸中に湧く神話の世界観を、

もっとみる
『大洪水/Deluge』 神話創作文芸部ストーリア6月のお題企画作品集

『大洪水/Deluge』 神話創作文芸部ストーリア6月のお題企画作品集

【今月の神話】6月は「大洪水/Deluge」をテーマに作品を募集しました。
4名もの方々にご参加頂き、たいへん嬉しく感じております! 本企画が様々な世界の神話・個人の神話の扉を開き、また参加者同士の交流にお役立て頂けましたらまことに幸いです。
作品紹介の後には翌月のお題発表もありますので、最後までゆっくりとお楽しみください!



吉田翠さん/TABOO

海幸彦と山幸彦の諍い、その背景には或る

もっとみる