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RIPPLE〔詩〕

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2019年7月の記事一覧

地下の方舟〔詩〕

地下の方舟〔詩〕

誰も彼もが喋りすぎて、夜が来るのが遅くなった。夜が来るまで喧しくなった。それは今日という日に今日を置いて行けなくなったことだ。疲れなくては眠れないなんて…… 〔詩に寄せて〕



降りつもる夏の〔詩〕

降りつもる夏の〔詩〕

別れの足音はいつも、絶頂の日にこそ鳴り響いていた。君との話に夢中で気付けなかったんだ。そう、葉が落ち始めるのは、秋よりずっと前から……〔詩に寄せて〕



ねえ聞いて、パパ、きのうね
空が海のマネっこしてたんだ
もしかして、もしかしたらね
海は色んなところにあるの?

そうだな……たとえば……
空も大地も宇宙も海だ
本に広がるのも海だ
人類の歴史は海だ
人の記憶は海だ
キミの明日も
海の一部だ

この愛も海だね
この愛も海だな

今日の書いて出し。さらりと二行詩。
(本当は句会中に思いついたイメージを転用)

四行詩 21.

四行詩 21.

   行き場を失くした悲しみたちに

   わずかな水でも与えましょうか

   気のままに空を射る矢とはせず

   ぬかるみに暮れなずむ蛇となれ