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何故、超早期内定が普及しないの?:後編

就職活動の新しい形を提案する記事の後編です。「就活のための」大学生活から抜け出す一策となりそうな、就職活動の形を考えました。後編では超早期内定がもつ可能性と、学生と企業相互にとっての予想されるメリットを書きます。

現行の就活制度

就活の早期化が~、という話は経団連ルール云々で話題になりました。ここで「早期」とは何基準かをおさらい。学部生の場合を例にとると、3年夏~冬にインターン参加→3月から選考本格化→内定、が通常の就職活動です。

とはいえ現時点でも、上記の通説は形骸化しています。というのも、外資系やベンチャーが早いから。3年春~夏のインターンが実質的に選考に直結していて、秋から冬にかけて内定が出されるようです。

こうなると何が起きるか。学生からすると、就活で「成功」するためには、レベルの高い外資やベンチャーから内定を得ることがステータスになる(前編での推定に従うと、いい企業・有名企業へのキャリアパスとして大学に入る学生が多い。そこに「就活偏差値」なんてわかりやすいものがあると、高偏差値=成功という構図が描かれることは自明ではないか、ああ馬鹿らしい)。そして、外資やベンチャーへの道を拓くためには3年の夏には武器を備えておく必要がある。

だから2年の冬から「選抜制就活コミュニティ」みたいなものに学生が殺到し、そんな学生の不安をあおって就活させようとする就活ビジネスが殺到し、1~2年の間に強い「ガクチカ」を作れなかった学生は不安になって留学や長期インターンに飛びつき……。就活に踊らされる期間が長いです。

大手・中小企業からすると、外資・ベンチャーに対抗して夏にインターンを開催しても1dayじゃ事業説明で終わる。3daysは会社側の負担が大きい。優秀でぜひ採用したい学生にインターンで出会っても、さっさと外資やベンチャーに持っていかれてしまう。いざ選考が始まると、自分のところが本命なのか滑り止めなのかもわからない学生のESを大量にさばくことになり、コストかけて選考を進め、内定出しても辞退が続々。

うーん、うまく伝わらなかったら申し訳ないのですが、学生にも企業にも現行の就活は不デメリットだらけじゃないですか?

私の考える「超早期内定」とは

では、「超早期内定」とは何か。これはやる気のある学生に、ポテンシャルを見込んで早期に(大学入学直後でもいいと思う!)内定を出し、入社までにある程度の課題を与え(もしくは自分で考えて行動させ)、内定時より自己成長した状態で入社してもらうというものです。

このように書くと、「学生のうちに視野が広がるのに、早いうちからキャリアを選択を狭めてはもったいない」、「内定を出してばっくれられたらどうする」などの意見を持たれる方もいらっしゃると思います。

まず前者に対して反論。就活のために学生生活を送らなければならない中で、視野を広げるような経験に心から没頭できるでしょうか。私は、どこかで就活を見据えて打算的にならざるを得ないと思います。というか、私自身がそういうふうに生活してきた気がします。忖度に似たようなものです。むしろ、早いうちから卒業後に何をするかのイメージを固めておくことで、安心して視野を広げられるのではないでしょうか。

それに、高校を卒業してすぐ就職する人だってまだまだ少なくないです。高卒で就職したひとみんなが確固たる視野を持って就職したのでしょうか。限られた選択肢の中で就職し、そこから自分らしく輝いている人だっているはずです。だから私は、大学入学後すぐの視点で魅力的に映った企業への就職を決めたからといって、もったいないとは私は思わないのです。

続いて後者への反論。内定をもらってから学生が心変わりするリスクはもちろんあるでしょう。でもこれは、現状の就活でもありうる問題ではないでしょうか。就職後の離職率が3割の企業だってあるのだから、いつ心変わりされるかが違うだけでミスマッチのリスクはあまり変わらないと考えます。

とはいえ、学生側も自分と企業が合わなくなる可能性、それでも入社する責任を理解しておく必要はあるでしょう。安心材料のためだけに何となく超早期内定を取っておくのは本末転倒です。本当にそこでやっていくというビジョンのもとに早期就活に臨まなくてはいけないと思います。(大学だって、入学したら合わなかったなんてケースはざらにありますよね。それでも多くの人が卒業するじゃないですか。)

転職がありふれたものになった時代。言い方は悪いですが、本当に合わなかったら3年くらい耐えて転職すればいいじゃないですか。それに「総合職」で一括採用される現状では営業志望が総務になって悶々とすることもあるでしょう?学生にとってのミスマッチのリスクもあまり変わらないと思います。

超早期内定のメリットまとめ

前章で定義と予想される反論、それらへの反駁を行いました。ここで改めてメリットをまとめます。

学生視点:就活のために生きる時間が少なくて済む/卒業後の目標ができるので学生生活を有効活用できる

企業視点:やる気のある人材を早々に囲い込める/入社までの間に基礎知識を身につけさせることで、優秀な新卒を迎え入れることができる

ここで書いた内容はきっと、企業経営の立場や人事の立場から見るとツッコミどころだらけでしょう。でも、こんな考え方もあると知っていただくことで、少しでも現状の違和感だらけの就活が変わっていけばと願っています。

自分で考えるだけでは気づけなかったことも多いと思うので、コメントで意見等をいただきたいです。ぜひ、お気軽になんでも書いていってください。

※みんなのフォトギャラリーから、 yumenotamago様より見出し画像をお借りしました。リクルートスーツ姿の女の子がこんなに柔らかく感じられたのが初めてで、雰囲気がいいな~好きだな~と思い使用させていただきました。ありがとうございます。

※P.S. こんな偉そうに書いてきた私ですが今日、通年採用の会社に一次選考未満(性格診断)で落とされました。企業の求める適性に合わなかったようです。自分ではあっていると思っていたので、自己分析にまだまだ甘い部分が存在するようです。まだまだここから、改善して挑み続けます!現状に不満があるのはもちろんだけど、その中でもベストを尽くすのが私の流儀です。

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