note29目:汗をかく季節がやってきた。ただつらい。
今年も嫌な季節に突入した。そう、汗をかく季節だ。
ゴールデンウィークになるともう当たり前に半袖で歩く人は増え、紫外線を気にして日傘や日焼け止めで対策を練り、汗拭きシートが売れ出す季節になってしまった。
ああ憂鬱。もう憂鬱。
なにを隠そう、私は汗っかきだ。生粋の汗っかきだ。
そう言うと「代謝いいんだね」「太りにくいんじゃない?」と言われるが、「そうなの~!」と喜べるような奴は絶対汗かきじゃねえ。断言できる。
言われても全く嬉しくない。
「代謝悪くてもいいから汗かきたくないよっ!」と握りこぶし作っちゃいそうだ。私の汗っかきは本当にひどいのだ。
「汗かいちゃった~(手をパタパタ~)レベルじゃない、ダラダラと顔面に落ちる雫には元彼もドン引きしたくらいだ。
グレーやカーキのシャツ着てしまった日には、くっきり汗の跡が表示されいっそ頭から水をかぶりたくなった。
化粧が崩れちゃう程度で汗っかきと名乗る奴などいたら殺意すら覚えてしまう。
私だって可愛く汗かきたかった!
滝汗なんてかきたくなかったっ!
イヤだイヤだといっても、地球沸騰化現象の世界は否応なしにキツい日差しを浴びせてくる。おまけに日本特有のねっとりとした湿気により、じわじわと汗が浮かんできてしまう。
なので私は春、夏、秋のおしゃれは半ば諦め気味だ。
どうしても汗対策を重視した格好になってしまう。
だっておしゃれしたって汗染みできたら目も当てられないじゃないかっ! 汗かくのが気にならないのはサウナくらいだよっ!
日差し対策のために帽子をかぶるのだが、これも汗でむれて髪の毛がシャワー後みたいにびしゃびしゃになる。
あれ、私のところだけスコール?
ひとりゲリラ豪雨?
と首かしげたくなるくらいお風呂後並みに濡れ髪だ。
しかも汗をかいて濡れた髪の毛はうねるから、頑張ってヘアセットしようと水の泡だ。無駄な努力となる。
そう思うとファッションもヘアもメイクも汗を前にしたらお手上げするしかない。私にはどうすることもできない。どう対策していいかもわからない。ただ、自分が恥ずかしくならないようにするのと、見ている人に不快を与えないようにするのを心がけることしかできない。
アイドルだって俳優だって、中には本当に汗っかきで困っている人もいるはずだ。
お願い、どうやって対策練っているか教えてほしい。
汗かき一般市民には沸騰化現象の乗り越え方がわからない。
でないと本当に春、夏(特に夏)、秋は一歩も外に出ないかもしれない。
生活のすべてを通販でまかない、宅トレで過ごしてしまうかもしれない。
夏祭りも花火も、バーチャル(ネット)で終わらせてしまうかもしれない。
こんな余生を哀れだと思いませんか?
ねえ、ねえ、誰か教えて。
私に教えてくれっっっ!
切実に願うっっ!
ああ、でも……。
きっと夏の高校野球には通ってしまう。
どれだけ汗をかこうと、日差しを浴びようと、白球を追いかける子達のドラマを見るために、私はきっと外に出ることだろう。
え、なになに?
真夏の甲子園に行く奴が悩んでんじゃねえって?
聞こえなーいっっ!
冷たい視線が背中にかかるのは見ないことにしている。
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