アメとムチの指導について

大学入学共通テストが終わり、私立大学、公立高校の入試日程もいよいよ差し迫ってきました。

今回は精神構造におけるアメとムチについて書いていきます。

たとえ話ですが、指導についてはよく「ニンジンをぶら下げるか」「お尻を叩くか」と話されることがあります。
もちろん、人間は馬車馬ではないのでそんなに単純には動かないのですが(笑)、会社などの組織でも働きに対する賞罰は当然のように存在します。
そして、人間のメンタルはアメやムチで揺り動かされることによって、推進力を得たり無気力になったりします。
どちらかが重要なのではなく、時と場合によって使い分けることが大切なのです。

とは言いつつも、基本的にはアメで動いていくことがベターですし、自分自身も生徒さんにはそのように接してきました(笑)。
ムチを入れた馬は一時的には力を発揮しますが、全力で走れる距離は長くはありません。
根性はここぞというときに振り絞るものであって、決して長続きはしないのです。

アメは瞬発力こそありませんが、長期的な視点で見たときにモチベーションが持続しやすいです。
「努力を認めてもらえている!」といった動機付けはなにより健全ですし、自己肯定感、自己効力感の醸成といった観点から見ても大きな意義があります。

そのうえで、今の受験生に必要なのはムチなのではないでしょうか。
実際に試験の日程を消化することで、彼らの内に未来に対する臨場感が高まってきています。
「いまやらないとヤバい!」と自覚することで、短期的にですが瞬発力を持って学習に打ち込むことができるかもしれません。
この直前の意識の標高こそが人生の分岐を決定づけるのではないでしょうか。

もちろん、神妙な顔をしていないと受からないということはないですが(笑)、彼らに人生を乗り越える力をつけるタイミングは今なのかもしれません。

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