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イスラム教徒の「恋愛観」と「男女観」を考える! 〜そこから見える共存社会のあり方〜

これからの「恋愛観」や「男女観」を考えていくにあたって、日本とは一見縁がないように感じる「イスラム教」
しかし実はイスラム教には、今の日本が学ぶべき色々なポイントが隠されているんです。
そしてそこには、普段私たちが考えることのないような難しい問題も。

そこで今回は、以前紹介させていただいた内藤正典さんの『となりのイスラム』という本を参考に、「恋愛観」と「男女観」というテーマを、イスラム教に絡めて考えていきたいと思います。

『となりのイスラム』本紹介はこちらから▼

個人的には、昨今のジェンダーに関する問題もあるように、日本の保守主義的な部分にはモヤモヤしている人も多いのではと感じています。
なのでここで一度、普段はあまり馴染みの無いところに目を向けて…新しい視点をゲットしてみませんか?

01:男女は平等なのか?

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女性の社会進出については、多くのイスラム社会が大きな変化の途上にあり、どんどん進んできています。
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イスラム社会は今、女性の社会進出がどんどん進んでいると言われています。

本書では、変化が起こり始めた主な理由として、
・大都市で暮らしている場合、物価が高く、夫の稼ぎでは足りずに妻も働きに出るから
・エリート層の女性の場合、最初から働きに出るから

という2つが挙げられています。

そもそも人間が生きていく上で「教育」は必要不可欠。
「男性だから、女性だから」で教育の不平等や社会進出の不平等があっては困りますよね。

そこで私が興味深く感じたのは、日本では大学に進学する際に「女性は文系、男性は理系が多い」という風潮がありますが、サウジアラビアやイランのようなイスラムの国では、理系に進むのは女性の方が多いということです。
性別で進路を決める発想はもう遅い、ということですね…。
しかしこのような国々でも、家事や子育てにおいては女性がメインでこなすべきだという風潮はまだ色濃く残っているようです。

しかしこの「保守的」な部分は、「イスラム教だから」で片付けてはいけない部分。
日本にもここに関しては、考え直すべき点が多くありますよね…。
事実、イスラム圏の方が女性の首相や副大統領など、政治的なリーダーが出ているんですよ!

新しいことを取り入れて進化を続ける国や人は、いつの時代も輝いていますよね!

02:一夫多妻制は本当にある?

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重要なのは、妻を複数もつなら「平等に扱え」というところです。
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日本人の感覚では、イマイチ理解できない「一夫多妻制度」。
こちらの引用文が、そんなモヤモヤを吹き飛ばしてくれています!

名前だけ聞くと、あまり良いイメージではない「一夫多妻制」ですが、これにはには前段があるということだったんですね。

その前段が、こちら。

(前略)宣教のための戦いで夫が亡くなった場合、残された妻と子供を路頭に迷わせないように、その女性を引き取って重婚してもいい、という意味だったのでしょう。
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複数の妻を持っていいというのは、決して自分の欲に任せて重婚しても良いという意味ではなかったのです。
そしてさらに、その妻を平等に扱えないのならばやめておけ、とのこと。
さすが、「平等の宗教」イスラム教…!

一夫多妻といえど、それにはきちんとした理由があったんです。
この平等の精神は、様々なマイノリティの人々が声をあげている現代こそ大事にしたい考え方。
ここでは「結婚相手の女性を平等に扱う」ということでしたが、それに限らず誰かを平等に扱うという思いやりの気持ちは宗教や国に関係なく大事にしたいものです。

03:同性愛は許される?

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(前略)尋ねられたら「禁じられている」としか答えることはできません。前にも書いた通り、イスラムでは、草創期に預言者ムハンマドに下された神の命令は、後に取り消すことができないからです。
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これ、実は冒頭に言った「かなり難しい問題」の一つなんです。
本書では、著者がこのジレンマについて嘆いているので、その一部を取り上げて考えてみたいと思います。

イスラム教では神の命令によって、同性愛が禁止されています。(正確に言えば、禁止されているのは同性間の結婚と性行為とのこと)
そのため同性愛を認めている国や宗教の人から、「イスラム教は同性愛についてどう扱われているの?」と聞かれた場合、「禁止されている」と答えざるを得ないのです。

しかしイスラム教徒にも性的マイノリティの人がいるのは事実であり、イスラム教徒たち自身もそれはわかっています。
しかしイスラム教の神の命令というのは、絶対に変えられないものであるため、ここにジレンマが生じてしまうんですね・・・。

これは日本に住んでいるとなかなか知ることができない複雑な問題。
この問題に対する答えはいまだかつて見つかっていません。

私は、今ここで必要なのは「お互いを受け入れ、理解すること」だと思っています。

・「同性愛は禁止」→批判

という流れに持っていくのではなく、

・「同性愛は禁止」→「なぜか?」「その背景には何があるのだろう?」

という風に一度受け止め、完全に理解することができなくとも、共存していこうとする姿勢を示すことが大切なのかな、と。

もしかしたらここでは、日本のように多種多様な文化や宗教を受け入れる国が何か力になれることがあるかもしれません。
他の国からヒントを得るばかりではなく、時には与えることも重要。
共存とはそういうことなのではないでしょうか。


さて今回は、イスラム教の「恋愛観」「男女観」というテーマを学びながら、その他深い部分についても考えを巡らせてみました。

「ここは自分の中に取り込みたい!」という点もあれば、「この考えには自分が与えられそうなものがある」と感じたところもあったのではないでしょうか?

これからは「共存社会」が大きな意味を持ってくる時代。
是非これを機に、他の国や文化に目を向けてみてくださいね。
最後まで読んでいただき、ありがとうございました!

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