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医師への道を選んだ理由、とその経緯

家族からの圧力、そして将来の悩み

アイルランドで医師家庭に生まれ育った、ありきたりの4人の家族。
父は整形外科、母は小児科だった。弟は一人。

子供の頃から医師になる以外の選択肢はないと思っていた。でも、実は医師になろうと決める前に他のキャリアを色々検討したり、見学しに行ったり、大学のオープンデーやキャリアイベントにも参加したりしていた。

なぜかといと、医学部ってめっちゃ高いし、そもそも入学するのがかなり難しい。それに、そうとうな優等生じゃないと入らないんじゃないかと。成績が平凡な自分には無理だと思った。

10歳の時から絵を描くのが一番の趣味で、好きなアニメやゲームのキャラを描いたり、学校で美術部に入部したりした。そこで、グラフィックデザイナーかゲームデザイナーになろうと考えていたんだ。

でも、医師ばかり家にとっては、アートが大敵。「美術なんか金にならん事を忘れて、科学とか法学などマシな仕事にしろ」みたいなことを父に言われ、デザイン系を諦めた。

医師以外に何がいいだろうとめっちゃ悩んでいた。優柔不断だし、なかなか決められなかったんだ。

2008年:受験生

理学療法士、建築家、モデル、ファッション、美容師、パーソナルトレーナー、など色々なキャリアを検討し、最後に建築学に決めて入学を成功した。

2009年:大学生〜建築学から医学部へ〜

一年目が終わり、やはり合わないなと思うようになってしまった。キャラや花を描くのが好きだったけど、設計図にはあまり興味がなかったんだ。その上、不景気が始まって50%以上の建築家が失業したとニュースで聞いて、猛烈な不安に襲われた。

周りには相談できる人がいなかったから、一応親に相談してみようと思った。どんな事を言われるか簡単に想像できたけどね。

「時間を無駄にせず医学部に入って医師になれ!仕事としては安定しているし、いくら不景気でも失業しないし、給料も高い。。。」という説教を父から受けちゃった。

その結果、建築部から退学してから一年間猛勉強し、2010年にやっと医学部に入学できた。

医学部はめっちゃ大変だった。普通の大学生のように酔っ払ってパーティライフの大学時代ではなく、図書館で勉強ばかりの毎日。死にたいと何度も思ったし、医学部なんか選ばなければ良かったことも。

2017年〜2024年:研修医から家庭医へ

2017年に無事に卒業し、アイルランドから脱出したくてイギリスへやってきた。レジェンドとして2年間ぐらい働いてから、家庭医という専門になるために家庭医療専門研修プログラムを始めた。

家庭医とは、病院ではなく診療所で様々ば病気を診たりする一般医みたいなもの。イギリスではGeneral Practitioner(GP)だと言われているけど、アメリカやカナダではFamily Medicine・Family Doctorだと呼ばれている。

2024年:晴れて家庭医に

2024年2月20日に専門研修を終えて、やっと自律した家庭医になったのだ!すべてが2010年9月に始まり、2024年2月に終わった。なんと14年間、本当に長い道だったな〜

振り返ってみると、医師になったことは本当に良かったのかなといつも思う。めっちゃ忙しくて助けられない命が数多く、時には精神的にくる。それでも、いいことはたくさんある。

後悔していないとは断言できない。でも、もし違う道を選んだら私の人生はどうなったか想像できない。

イギリスにいないかもしれないし、結婚もしているかもしれない。勉強や研修、仕事などに没頭しすぎて恋愛どころじゃなかったから。

まあ、ここまで来ちゃったし、腹を括って開業でもしよっか。。。なんてね。

いつか、この仕事をもっと好きになれたらいいな〜

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