青いマグノリア #14
「あの子の両親がスイスで事故で死んだと聞いた時は胸が痛んだ。ただ、それと同時にどこかでほっとしたような気持ちだった。これで自分さえ黙って入れば秘密は永遠に知られない。鬼だね。だからこそ、あの子の成長を見守らなければって気持ちが強かった。楠木の旦那様は全く気がついていないようだった。まさに溺愛してたよ。俺は時々庭仕事に入るくらいだったけど、小さな蓮子はすぐに俺にも懐いてくれて可愛くて仕方がなかった。でも、あの子は成長するに連れて大人を試すようになっていった。自分の言うことをどれ