見出し画像

ひとり歩き

与えられたとき、それが積もりはじめた。
そして、呼ばれるたびに思いが募った。
それから、名乗ると同時に形を整え、その様に生きるようになる。

舞い落ちる欠片が気になった。
雪は、寒いときに降る。
「今日は雪だね」と話す日のキミとの思い出は暖かくて、雪の日が暖かいんだと錯覚して記憶してしまう。
だから雪の思い出を話すときは、身体が勝手に熱くなる。間違った覚え方だけど好きなんだ、この感覚が。
だから、キミとはじめて手を繋いだ日のことを春と呼ぶことにする。
その春は、寒くて雪が降っていた。


頂いたサポートは、知識の広げるために使わせてもらいます。是非、サポートよろしくお願いします。