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山口もえさんインタビュー「包み隠さず伝えたい」

女優の山口もえさん。ふんわりしているのと同時に芯の強さもある、明るくて素敵な女性――。私が山口もえさんにもっていた印象はそんな感じでした。実際にお会いしてみると……

「この仕事向いてない」

4月の雨の日。女性向けWebマガジンの取材で、女優の山口もえさんにインタビューさせていただきました。山口さんのことは、もう20年近く前から知っていたものの、直接お会いしてお話を伺ったのは今回が初めて。

山口さんが芸能の仕事を始めたきっかけは、芸能事務所が応募していたダンス教室に間違えて申し込んでしまったことだといいます。当時を思い出しながら、懐かしそうに話す山口さん。お母様とのやりとりを思い出し、「あの時の会話は、本当に楽しかったな」と思っているんだろうなという感じの笑顔で話してくれました。

それでもやっぱり多感な時に始めた芸能のお仕事は、最初から順調だったわけでもないそう。人前に出ることで、これまでまったく気にしていなかったことを人から指摘され、落ち込むことも。そんな山口さんの心を温め、これまでとは違う物の見方を教えてくれたのは……。

人生っておもしろいなと思います。私はずっとバレリーナになりたくてがんばってきたんですが、それを諦めたときに、また違う道が開けました。初めてのCMで喜んだあとに、話し方を指摘されて落ち込んだこともあります。でも、結果、それがまたがんばるきっかけになりました。何か起こったとしてもその時は大変かもしれないけど、実はここって好転するきっかけなんじゃないかな。「ピンチはチャンス」じゃないけど、乗り越えた先にまたいいことがあると思います。(本文より)


「私はダメな母親なんだ」

子どもが生まれて「母親」になると、自然とまわりから「いい母親像」を求められること、ありませんか? 離乳食1つにどれだけ手間暇かけて作ったか、 子どもにどんなに手をかけてあげたか。それが「自分以外の誰か」から評価され、気づいたら自分も「評価」にふりまわされてしまう。
山口さんも、そうなりかけた時があるといいます。

「他人からの評価」に振り回されず、ありのままの現状を受け入れたとき、道というのはおのずと広がるのかもしれない――。山口さんのお話を聞いていてそう感じられるようになりました。

「私、育児本に載っているような立派なママとは違う」と思って、「私はすごくだめな母親なんだ」と思ってしまったんですね。でも同時に、離乳食を完璧に作れなかったとしても長女は私のことをダメな母親だとは思わないだろうなということ。(本文より)


「壁にぶつかるのが当たり前」

現在、3人のお子さんを育てるママでもある山口さん。仕事で忙しい上に、思春期になったお子さんたちとのやり取りで、パワーを使い果たしてしまうことも。インタビュー中に「何も起こらない日があると、もうそれだけで感謝です! 今日一日なにも問題が起きず良かったです。ありがとうございました」と、そんなふうにお話されていました。
私も、思春期の子どもを持つ同世代の母親として、お話を聞いていて共感が止まらない!という感じでした。子育てって、壁しかない(笑)

私はちょっと欲張りで、何か大変なことがあったときは、その思い出だけで終わらせないようにしています。たとえば、「あのときは本当に大変だったけど、そのときに食べたあそこのシナモンロールがおいしかったよね」とか、「あのとき友達がかけてくれた言葉が嬉しかった」というような、些細なことでいいんです。悪い思い出だけで終わらせない、いいことも一緒に思い出せるようにしています。(本文より)


「チーム田中のリーダーは私です」

山口さんは、とても楽しそうに話してくれるので、ついこちらも彼女のお話に引き込まれてしまいます。約1時間程度あったインタビューの中でもとくに印象に残っているのが「田中家」の話。
2人の子どもを連れて離婚した山口さん。「今は恋愛よりも子育てに集中」と思っていたそうで、のちの夫となる、お笑いタレント「爆笑問題」の田中さんに食事に誘われたときも、「子どもも一緒でよければ」と伝えたそうです。

爆笑問題の田中さんも、すごく穏やかな方なんだろうなと想像しながら山口さんのお話を聞いていたわけですが、面白かったのが「家族で一番偉いのはだれか」という話。山口さんのお子さんは、先の旦那さんとの間に生まれた長女、長男に続き、田中さんとの間に生まれた娘さんが1人います。

お子さんの話をしていたら、「うちの家族はチームだと思っています」という山口さんの話を受けて詳しく聞いてみたら……(笑)。女子は、年齢関係なく強いなと感じたお話でした(笑)。ステップファミリーの築き方も、参考になる人は多いかもしれませんね。

夫の誠実さに触れたとき心が揺れました。彼と会うときはいつも子どもたちも一緒だったんですが、子どもたちが彼に心を開いてくれたことは大きかったです。またそう子どもたちが思えるように、夫も努力してくれたことも大きかったと思います。(中略)夫が「ママがいちばん大変ということをわかってくれている」というのは、大きな支えになっています。(本文より)


「40代になって改めて感じる自分自身を大切にする生き方」

20代から30代前半は仕事に夢中で、その後は仕事をしながら子育てに。常に仕事に家事に子育てにと、頑張り続けているものの、40代になってふとその「緊張の糸」が途切れることがあるんじゃないかと、思うのです。

山口もえさんも40代になってから、自分のこれからのこと、次世代の子どもたちになにができるのかを考えるようになったといいます。山口さんが見つけた今後の生き方とは――。

それこそ本当に30代は自分の時間がまったくありませんでした。それでふと気づいたら自分の時間がまったくなかったんです。もちろん今もどこへ行っても「これは長女が好きだから買っていこう」「これは長男が好きだった」というふうに、子どもたちのことばっかり考えています。ただ40代を過ぎてやっと最近、「私はママでもあり妻でもあるけど、その前にひとりの人間。だから私の喜ぶことをしたいな」と思うようになりました。(本文より)

z取材後、インタビューしたビルの入り口までマネージャーさんと一緒に見送ってくれた山口さん。テレビで見る以上に、素敵な方でした。この時はいていたスカートは自前のものだそうですが、青と白、黄緑、黄色がとても鮮やかで、雨の日のじめじめした気分を一気に吹き飛ばしてくれるかのような感じがしました。

またどこかでお会いできたら嬉しいな。




フィリピンセブ島の孤児院で出会った子どもたちをサポートします😊✨✨子どもたちが大人になったとき、今度は誰かをサポートしてあげられたら素敵ですね❤️