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初めての海外はアメリカへの移住。フィリピンで出会った一人の女性

毎朝、オンライン英会話をやるなかで、講師として出会ったフィリピン人女性Kismet(28歳)。彼女の両親は幼い頃、離婚しています。フィリピンといえば、宗教上の理由から離婚が難しいのですが、彼女の両親は離婚し、長年彼女は母親と2人で暮らしていました。彼女は成長し昨年アメリカ人の彼と結婚し、今はアメリカに住んでいます。両親の離婚や死を経験し、結婚に戸惑いはなかったのでしょうか。結婚や家族について、どう感じてるのかを聞いてみました。

つたない英語にも一生懸命耳を傾けてくれる英語講師

Kismetと出合ったのは、2018年3月。私が毎朝受講しているオンライン英会話QQ Englishでの授業でした。彼女の第一印象は「優しそうな先生」。彼女は私がうまく英語で伝えられなくても、話し終わるまでちゃんと聞いてくれるし、言いたいことを英語で言い直してくれたりもする。そんなところが好きで、毎週日曜日、私は彼女の授業を受けていました。

両親の離婚で母親と2人きりの生活に

授業の合間のたわいないおしゃべりで、私は彼女の両親が離婚していることを知りました。キリスト教徒の人が多いフィリピンでは、結婚は非常に難しいはず。離婚するときは、高いお金を支払い、時間もかかるといいます。それでも彼女の両親は、離婚したそうです。彼女が7歳のときだったかな?

「毎日、両親はケンカしていました。とくにお母さんがお父さんのことを嫌っていて。お父さんは、離婚後もお母さんのことが好きだったと思います。両親の離婚後、私はお母さんと2人で暮らしていました。兄弟は7人いて、私は6番目。ほかの兄弟はみんな自立していて、一番下の妹は姉と一緒に住むことに。私はお父さんが大好きだったから、とても悲しかった」

「幸せな家庭を築きたい」その気持ちは人一倍強い

「両親が離婚していたら、結婚に対してよいイメージを持てなくなるのでは?」と思ったのですが、彼女はそうじゃないようです。私が「もし、結婚した相手とうまくいかなくなったら?」と聞いたら、彼女は「お互い、納得するまで話し合うつもり」と教えてくれました。両親が離婚して寂しくて悲しい思いをしたからこそ、幸せな家庭を築きたい。そのためには、ちゃんとお互い納得いくまで丁寧に話し合うことが大切だと、考えているのだと、話してくれました。

「結婚して彼の住むアメリカに移住することになったの」

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彼女が婚約したと聞いたのは、何月のことだったかな。

「結婚することになって、それでQQ Englishを退職することになったの」そんな話を彼女から聞きました。「結婚式は今年アメリカで、来年フィリピンでやるよ」という話から、彼女がアメリカ人の彼と6年間付き合っていて、彼の住むアメリカに移住することを知りました。彼がいたことは知っていたけど、アメリカ人だとは知らなかった! 

出会いは6年前。フィリピン滞在中、彼のガイドをしたこと

彼女と彼の出会いは、彼がフィリピンに観光で遊びにきたとき、彼女が通訳としてついたことがきっかけ。「とても気があったからFBを交換して、彼がアメリカに戻ってから告白されて付き合うことになったの」と、彼女は話してくれました。彼の写真を見せてもらいましたが、とても穏やかな感じの男性。同じく、穏やかな性格のKismetと、ピッタリかもしれません。

私が彼女についてちょっと心配だったのは、彼女がまだ一度もフィリピンを出たことがないということ。初の海外で、しかも移住。一度も行ったことがない国で、彼がいるとはいえ、やっていけるのかな。それにフィリピンの人はみんな家族をとても大切にしていて、離れて暮らしていてもお祭りやクリスマス、年末などはいつも家族で過ごしているけど、アメリカに行ったら遠くて「ちょっと実家に帰るね」なんてことはできないだろうし。ホームシックになるんじゃないかな? 話し相手はいるのかな? 子育てをする場合は……なんて他人事ながらいろいろ一人で考えちゃいました(笑)

アメリカでの結婚式の写真。彼女は、彼の親族と思われるたくさんの人たちに囲まれて、そこにいる人たちはみんな幸せそうに微笑んでいました。たぶん、彼も彼女と同様、とても家族を大切にしているのでしょう。私は彼に会ったことがないから、彼がどんな人かは知りませんが、きっと彼と一緒なら幸せな家庭を築いていくんだろうなと、そんなふうに思えた1枚の写真でした。それに、彼女なら自分で道を切り開いていく力はあるから、大丈夫かな。

父親の死。母親との別れ。彼と一緒にアメリカへ

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彼女がアメリカにたつ数週間前、彼女のお父さんが亡くなったと、彼女から連絡がありました。彼女の父親はまだ60代。大好きだったお父さんと会えなくなったことで、彼女はショックを受けて渡米を延期することになるんじゃないかと思ったほどです。「金曜日の昼、父から電話があったの。でも、私はでられなくて。父は病院に行き、亡くなってしまった」。授業で会った彼女はとても落ち込んでいて、その日は彼女の家族のことについて、話を聞いていたように記憶してます。

前の年、彼女のお姉さんが42歳で亡くなったそうです。だから彼女は2年連続で家族を失ったことに。子どもの頃から母親以外の家族と離れて住んでいたから、彼女は人一倍家族への思いは強いんじゃないかと思います。そして、彼女のお父さんを思う気持ちも、とても強かったと思います。

彼女に「お母さんは、あなたがアメリカに行くことについてどう思ってるの?」と聞いたら、「母は泣いていた。ずっと2人で住んでいたから」と。「自分は年をとり、ひとりセブの街に残る。娘は遠く離れたアメリカに行ってしまう。ビザの取得が大変だったり、お金もすごくかかるから、娘が住むアメリカに行くのは難しい。もしかしたら、将来、孫が生まれても会えないかもしれない。娘が幸せになることはとても嬉しいけど、やっぱりそれ以上に悲しい」。彼女の母親は、そんなことを考えていたのかもしれません。

彼女の言葉が英語を学ぶモチベーションアップにつながっている

私がKismetに直接会ったのは1回だけ。私がセブ島に留学したとき、学校主催のパーティーでほんの少し会って話しただけで、あとはずっと授業を通してのやり取りでした。彼女は、今QQ Englishをやめてしまったけど、ずっと私の英語の先生で、そして友達です。

前に彼女がメッセージをくれたとき、こんなことを書いてくれました。

「You are passionate in learnig English so I am enager and excited to teach you.」
「You are an important friend, not just my student.」

あなたが英語を一生懸命学ぶから、私もあなたに英語を教えることにワクワクしている。あなたは生徒としてだけじゃなく、大切な友達です。

彼女はときどき、こんな素敵な言葉をかけてくれます。彼女の言葉は、私が英語を学ぶうえで、モチベーションアップにつながっています。いつか彼女が日本に遊びに来たら、または私がアメリカかセブ島にいったら、彼女と会えたらいいなと思います。次彼女に会った時は、もっとちゃんと会話できるように、私は英語を学んでおきます!

フィリピンセブ島の孤児院で出会った子どもたちをサポートします😊✨✨子どもたちが大人になったとき、今度は誰かをサポートしてあげられたら素敵ですね❤️