Recipe｜ハーブで美味しい北欧料理 〈05.ベリーとスパイスが薫る洋梨のコンポート〉

フィンランド料理に欠かせないハーブ。自然を身近に感じるライフスタイルを発信するMitsou（みつ）さんに、ハーブを使った北欧レシピを毎月教えていただきます。

少しずつ気温が下がり、秋の到来を感じる季節。フィンランドでは日本より早くに秋が始まり、ヘルシンキよりも北のラップランドでは、9月の後半には紅葉の見頃を迎えます。色付いた広葉樹の赤、オレンジ、黄色、ベリーの赤紫や青紫、そして針葉樹や苔の緑。この季節は、まるで色とりどりのパレットのような景色がひろがります。

そして秋の楽しみといえば、美しい紅葉だけでなく、さまざまな秋の味覚も。日本でも、秋の野菜や果実が店頭に並び始める時期ですね。フィンランドでも日本でも好まれている秋の果物といえば、洋梨もそのひとつ。

北欧の果実といえばベリーが有名ですが、人々がよく好む人気のフレーバーに洋梨があります。フィンランドには洋梨味のお菓子はもちろん、洋梨味のお酒やキシリトールタブレットまであります。洋梨のかたちも北欧デザインによく用いられ、テキスタイルやグラフィックデザインなどで洋梨モチーフのものを見かけると、スタイリッシュでおしゃれな北欧らしさを感じます。

本日ご紹介するレシピは、定番の洋梨のコンポートにベリーとスターアニスを加えて、北欧のエッセンスをちょっぴり効かせたもの。コトコト煮ている時間も、ゆったり味わう時間も、満ち足りた幸せな気持ちになれるレシピです。洋梨を見つけたらぜひ試してみてくださいね。

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●ベリーとスパイスが薫る洋梨のコンポート

【材料】 2〜3人分
洋梨　3個
リンゴンベリー濃縮シロップ　300ml
水　800ml
レモン　1/2個
スターアニス（八角） 1〜2個　※少量でも香りが強いのでお好みで
水切りヨーグルト　大さじ6
チャービルの葉　適量
冷凍ベリー等飾り付け用フルーツ　適量

【作り方】
1：洋梨の皮を剥く（包丁よりもピーラーを使うと簡単です）。レモンを絞り、レモン汁を洋梨に振りかけておく。

2：鍋にベリーシロップと水、スターアニス、洋梨をいれ中火にかける。煮汁が沸騰したら弱火にし、鍋に蓋をして30分ほど煮込む。

3：

洋梨が色づいたら火を止め、そのまま室温でゆっくり冷ます。（室温に冷めた洋梨はそのままでも、さらに冷蔵庫で冷やしても美味しくいただけます。）

4：

深めの皿に、水切りヨーグルトを円状に敷き、中央をくぼませる。冷ました洋梨を盛り付け、煮汁をヨーグルトの周囲に流し込む。チャービルの葉を洋梨のトップに飾り、ベリー等のフルーツをお皿に盛ったら完成。

今回、リンゴンベリーのシロップは、IKEAで購入したものを使用しました。ベリーのシロップで洋梨を煮込むと、ほんのりピンクに色付いてとても美しいです。洋梨の上品な甘さと、ベリーの華やかさ、スターアニスの甘くほろ苦いスパイスの香り、そしてヨーグルトの酸味をぜひ楽しんでくださいね。

コンポートを作った後に残った煮汁は、炭酸水やミルクで割るととても美味しく頂けます。またヨーグルトなどと一緒にトロリとしたスムージーにしたり、温めてレモンの輪切りを浮かべて飲んでもおしゃれで美味しいです。

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〈スターアニス〉マツブサ科 / 常緑高木
星の形をしたかわいらしい形のスパイス。八角という名でもよく知られる。インドシナ・中国に生息するトウキシミの実を乾燥させたもので、豚の角煮や魯肉飯（ルーローハン）には欠かせないスパイスである。また、ヨーロッパでもよく用いられ、サングリアや冬に美味しいホットワインなどを作る際や、ペストリー・ジャムなどを煮込む際に使われることが多い。中国では生薬として「大茴香」の名でも知られ、胃腸の不調や体を温めたり、冷え性改善などに効果がある。新陳代謝を促し、自律神経の乱れにも働きかける。

〈チャービル〉セリ科 / 一年草
レースのような葉が美しいチャービルは、味わいだけでなく、飾りつけにも重宝されるハーブのひとつ。イタリアンパセリに似た葉を持ち、パセリよりも甘い芳香があり、味わいも繊細なため「美食家のパセリ」という異名を持つ。乾燥すると香りが落ちてしまうので、摘みたてを生のまま使うのがおすすめ。シンプルな肉や魚料理に風味づけとして使ったり、サラダやスープのうきみとして用いるのもいい。フランス料理では、卵との相性が良いとされ、オムレツなどの具として人気がある。近年は、ケーキやデザートなどの飾り付けに使われることも多く、まさに活躍の場の多いハーブといえる。血の巡りをよくし、消化や利尿、発汗を促すなどの効能がある。

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