見出し画像

Recipe|ハーブで美味しい北欧料理 〈04.たっぷりキノコと厚切りベーコンの秋味キッシュ〉

フィンランド料理に欠かせないハーブ。自然を身近に感じるライフスタイルを発信するMitsou(みつ)さんに、ハーブを使った北欧レシピを毎月教えていただきます。

②アンズタケ

夏の終わりから秋にかけて、フィンランドの人々は森でキノコ狩りを楽しみます。険しい道が少なく、歩きやすいフィンランドの森。鳥の声や風、木々の香りを感じながら過ごす時間は、心からリラックスできそうですね。

繊維質やミネラル、ビタミンが豊富に含まれるキノコは、いわば森からの恵み。そのキノコを使ったフィンランド料理のひとつが「Sienipiiras(シエニピーラス。*Sieniはキノコ、piirasはパイの意味)」。採れたての新鮮なキノコをキッシュ仕立てにした伝統的な料理です。

③焼き上がりイメージ

キッシュというと、ちょっと難しそうな印象を持たれる方もいるかもしれませんが、冷凍パイシートを使えばとってもカンタン。型に合わせて焼いたパイ生地に、お好みのキノコを炒めて敷き詰めて、卵液を流し込んで焼くだけ。試してみると、手作りのキッシュのおいしさにきっと感動するはずです。

使うキノコは、お好きなものを数種類チョイスすると、味わいに深みが増します。フィンランドで定番のマッシュルームに、人気のポルチーニや黄金色のアンズダケでもおしゃれですし、日本で手に入りやすいシイタケやシメジ、マイタケやエリンギなどでも美味しく作ることができます。

今回はたっぷりのキノコに、厚切りベーコンの旨味とタイムの爽やかな香りをプラスしたレシピをご紹介します。次の週末に、ぜひ試してみてくださいね!

・・・・・・・・・・・・・・・・・・

④材料

●たっぷりキノコと厚切りベーコンの秋味キッシュ

【材料】 2人分(直径17cmのマンケ型を使用)
冷凍パイシート 1枚
マッシュルーム 5個
シイタケ 4個
マイタケ 1パック
玉ねぎ 1/2個
ニンニク 1かけ
厚切りベーコン 100g
タイム(フレッシュ) 10枝程度
バター 大さじ1
卵 2個
生クリーム 200g
塩 小さじ1
粗挽き黒胡椒 少々(お好みで)

*今回パイの焼型は、深さのあるキッシュが仕上がるマンケ型を使用しました。お手持ちのタルト型、パイ皿、耐熱皿などでもキッシュを焼くことが可能です。

【作り方】
1:焼型にあらかじめ室温で柔らかくしたバター(分量外)をまんべんなく塗る。室温で解凍したパイシートを強力粉(分量外)で打ち粉した台の上で型よりも少し大きめに伸ばし、型にしっかりと添わせながら敷き、冷蔵庫で30分以上冷やす。

2:⑤パイ生地を焼く

オーブンを200℃に予熱しておく。冷やしたパイ生地にフォークなどで底に穴を開け、クッキングペーパーを敷いたら、パイ石や小豆・米などで重石をする。200℃のオーブンで15分焼き、ペーパーと重石をはずして、さらに10分焼く。

3:パイ生地を焼いている間にフィリングを作る。シイタケは石づきをとり、マッシュルームと共に薄切りに。マイタケは小房にほぐす。玉ねぎ、ニンニクは薄切り、ベーコンは1cmの拍子切りにする。玉ねぎは電子レンジで3分程加熱しておく。タイムは半分に分け、半分は枝からしごくように葉のみを取り分けておく。

4:⑥パイ生地に入れたフィリング

フライパンにバターを溶かし、ニンニクを焦がさないように弱火で炒める。香りが出てきたら玉ねぎを加え、しんなりするまで火を通す。マッシュルーム、シイタケ、マイタケを加え、全体に火が通ったら、しごいたタイムの葉を加えてざっくりと混ぜ、パイ生地に詰める。

5: ボウルに卵を割り入れてよく溶きほぐしたら、生クリームと塩を加え、パイ生地に流し入れる。残りのタイムの葉を飾り、お好みで黒胡椒を散らしたら、200℃のオーブンで20分程焼く。焼き上がったら粗熱を取り、型から出して切り分ける。

⑥断面

深めの型で焼くと、お店で食べるキッシュのような存在感のある仕上がりに。ボリュームもあって休日のブランチにもぴったりです。浅めの型で焼いたキッシュは、前菜などと一緒に盛り合わせると、とてもオシャレな一皿に。耐熱皿で焼き、型から外さずにスプーンですくって食べるのも美味しいです。

・・・・・・・・・・・・・・・・・・

⑧タイムアップ
〈コモンタイム〉シソ科 / 常緑小低木
ピリッとしたほのかな刺激と爽やかな香りのタイムは、どんな食材にも合う万能ハーブ。煮込み料理や香草のローストなどに用いると、肉や魚の臭みを消し、素材の風味を引き立ててくれる。小さな葉は、長時間火を通しても崩れないので、オーブンで焼いたりコトコト煮込んだりする料理にも。枝ごとオイル漬けにしてハーブオイルを作り、ソテーに利用するのも良い。消毒・抗菌効果があるので、煮出した液をうがいに用いたり、ヘアケアや掃除に使うこともできる、まさにオールマイティーなハーブ。レモンの香りがするものや、斑入り模様が美しいものなど、種類が豊富で、栽培するのも楽しい。

スクリーンショット 2021-07-03 15.53.34

instagram:@_mitsouko_lumiere