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第10回 毎月短歌連作部門選評
おはようございます。こんにちは。こんばんは。田中翠香です。深水英一郎さんの表題の企画にご縁あって選者として参加することになり、現代語・連作部門でそれぞれ佳作2首、佳作秀歌2首、特選1首をそれぞれ選出しました。
以下、選出作品と選出理由を書いています。どうぞご覧ください。
佳作 「持参」
微円
お風呂場の壁、コンクリートでして正拳突きが日課ですのよ
身体を抜ける陽射しとか愛してる自意識だけが残っ
第6回毎月短歌 田中翠香選
おはようございます。こんにちは。こんばんは。田中翠香です。今回、深水英一郎さんの表題の企画にご縁あって選者として参加することになり、「自選3首部門」と「題詠「肌」部門」でそれぞれ佳作3首、佳作秀歌2首、特選1首をそれぞれ選出しました。
以下、選出作品と選出理由を書いています。ということで、まず「自選3首部門」から。
(自選三首部門)
佳作(遠刈田温泉賞)
二回目のラストライブを見届けた帰路は
flipper連作短歌賞をめぐって
flipper連作短歌賞flipper連作短歌賞が決まった。
お読みになった方はお分かりだろうが、受賞したのは私が一貫して1位に推し続けた、有朋さやかさんの『天性の蛇』で、他の選考委員の方からも高い評価をもらい、受賞が決まった。有朋さんおめでとうございます。あと、歌壇賞の予選通過も寿ぎたいと思います。さらなるご活躍を。詳しい作品の中身はflipper本誌を見てもらうとして、今回応募されなかった方も
初恋にまつわる一考察 -風変わりな名字&国交省の社宅を中心に-
かばさんみなさまは、かばさんをご存知だろうか?「知ってる知ってる。よく動物園にいるよね。SNSでは夏になると決まって、口の中で西瓜を丸ごと粉砕する動画がアップされてて、実は川ではワニを越える最強のハンター」と答えてくれる知識人がいるかもしれない。が、残念ながら違う。そのかばさんはカバさんである。
今回のかばさんは加波山である。茨城県にある山だ。あいにく、加波山についてはあまりわからない。(茨
笠原楓奏『人の死なない話をしよう』のこと。
かつてないほどホスピタリティにあふれた歌集である。一言で『人の死なない話をしよう』を評すれば、それに尽きると思う。そして、ほぼ間違いなく今年のベスト3に入る歌集だろう。では、この歌集のどこがそれほど優れているのか?
そもそも、歌集におけるホスピタリティとはなんだろう。まずひとつは、歌の1首1首の完成度である。ホテルに例えれば、基本的な設備やサービスといったことになるだろう。もうひとつは、その歌集
(不定期連載)東京食べ物探訪記~土手の伊勢屋編~
上野駅に行く。そこから銀座線で3駅行くと、三ノ輪という駅がある。駅名の由来は知らぬ。三輪車の生産基地だったのかもしれないし、三ノ輪一族がたむろする三ノ輪城がそびえていたからかもしれない。とにかく三ノ輪は三ノ輪だ。
そんな三ノ輪駅駅から徒歩で約480m歩くと、なぜだか明日のジョーの像が立っている。ジョーは三ノ輪の生まれなのかもしれない。
ここまで三ノ輪三ノ輪と書きすぎた。本題に入ろう。
明日のジ
貝澤駿一「ルカシェンコの子供たち」を読む
<はじめに>
第32回歌壇賞にて、貝澤駿一の30首連作「ルカシェンコの子供たち」が、三枝昂之と水原紫苑の推薦を受けて候補作となった。貝澤のストーk…ファンならば、彼が最初に候補作となった29回以降歌壇賞において毎回予選を通過しており、今回最高得点を叩き出したことについて、感慨を深くする人も少なくないだろう。筆者は貝澤にはさらに上を狙えるポテンシャルが十分に備わっており、歌壇賞に限らず他の新人賞の受