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ベンチャーで修羅場体験を積むキャリアのススメ

(写真:ランサーズ社テックエージェント事業本部の仲間たちと)

「日本を代表する女性CFOになり、世の中の女性の新たな道を切り拓くパイオニアになる」
これが、私自身が高校生の頃から掲げている、パーソナルミッションです(なぜこのパーソナルミッションを持つようになったか?については「「#採用やめよう」 に込めた、ランサーズと私の逆転の発想と覚悟」の記事をご覧ください!)。このパーソナルミッションを実現するために、私はいまランサーズで働いています。

私のキャリアステップは、自分のパーソナルミッションを実現することを目的に形成してきました。その実現度はまだ20%ぐらいですが、どのような観点でキャリアを歩んできたか?今、ランサーズで何をやっているのか?について、こちらの記事でご紹介できればと思います。この記事を読んでいただくことで、皆様のキャリア形成の一助になれば、幸いです。

仕事は自ら取りに行くスタンスが芽生えた日興シティグループ証券 投資銀行本部時代


新卒でどこの会社に入るべきか?を決めるにあたって、自分が軸としていたのは「最短距離でCFOに近づけるのはどの仕事か?」という観点でした。
小さいころからスポーツをやっていたこともあり、長い社会人人生で活躍し続けるためには、新卒の時期に厳しい筋トレが課される会社に入りたいと考え、当時、365日働くという噂があった投資銀行の門をたたくことにしました。

在籍当時は色んな苦労がありましたが、今振り返ってみるとこの選択肢は大正解だったと思います。まず、財務分析や課題構造化スキル、プレゼンテーション作成力などのビジネスの基礎スキルやファイナンススキルを1000本ノックのようにインプットする機会を頂き、その後クライアントへの提案活動という形で多くのアウトプット機会を得ることができました。また、年齢に関係なくプロフェッショナルとしてのふるまいを常に求められる環境と自分よりも圧倒的に能力の高い人々に囲まれて仕事をすることができた経験は、常に慢心せずにコツコツと努力を積み重ね続けるという今の仕事に向き合うスタンスを形成してくれたと思います。

また、このころ得た挫折経験も大きな財産の一つになっています。
それは自分がやりたい仕事が出来なかった経験です。「典型的な女性のスタイル」とあとから聞きましたが、当時の私は「自分がきちんと成果を出していれば、面白い仕事は与えられるはず」と信じて受け身で仕事を待っていました。そのため、ある時同じプロジェクトに入っている優秀な先輩が海外赴任することになった時には、その先輩のロールを1年後輩の自分が受け継ぐとばかり思って待っていたのですが、実際にはそのタイミングで中途入社してきた別の人間がそのロールを引き継ぐことになりました。自分にはその先輩の後を継いで同様のアウトプットが出せないと周囲から評価されたように感じて打ちのめされましたし、何よりもそのポジションをやりたい、と自ら志願して申し出をしなかった自分にも腹が立ち、本当に暫くショックで立ち直れなかったです。

ただ、この時の挫折経験を経て、仕事は与えられるものではなく、自ら取りに行くものであるというスタイルにアップデートすることができたのは大きな財産になっています。

皆経営者主義スタンスとマネジメントの一端を担うことができたリクルート(当時)財務部時代


投資銀行の3年目の終わりぐらいにリーマンショックで世界的な金融不況が起きました。それに伴って投資銀行業界の業績が大きく落ち込み、その結果として周囲の同僚がリストラにあったり、自分の会社がM&Aで分割売却されることなどが発生したことで、自分自身のキャリアを見直すいいきっかけをもらったと思います。

元々CFOになりたいと思っていたので、プロフェッショナルファームでのアドバイザー経験だけでは得られない、事業会社側で経営の意思決定をする経験を積みたいと思い、ご縁あってリクルートに入社させて頂きました。

リクルートでは「おまえはどうしたい?」と常に問われ続け、「皆経営者主義(自分が経営者だと思って日々の仕事に向き合うこと)」のスタンスで仕事に向き合うことを要望されました。投資銀行時代はクライアントの意向や上司からのトップダウンで方針の指示を受けることが多かったため、この発想を転換するのに最初は苦労しましたが、この考え方を鍛えてもらったことも今振り返ると本当に有難い経験でした。

リクルート財務部時代は、リクルートのIPOやM&A、海外展開サポート、資金調達など様々なファイナンス活動に携わらせて頂き、数多くのプロフェッショナルファームともお付き合いをさせて頂きました。外部パートナーの方も含めてチームで成果を出すためには、チーム内での情報共有を適切に行い、課題・問題をクリアに伝え、背景を共有した上で同じ方向を見て課題解決を図ること(それを意識しないと先方の都合での提案などが出てくるのは当然のこと)がとても重要であるということを実体験をもって学べたことも非常に大きかったと思います。

また、リクルートでマネジメント経験を積むことができたことも非常に貴重な機会になりました。実はマネージャーに抜擢されることを期待していたもののそれがかなわなかったので、過去の反省を活かして自ら志願し、マネージャーに挑戦させていただきました。マネジメント経験の中でも数々の挫折・失敗がありましたが、体系的にマネジメントノウハウを学ぶ機会をいただけたり、先輩マネージャーの考え方に触れさせていただく機会を得たことで、少しずつですが勘所が分かってきたと思います。マネージャー職を拝命し、マネジメントの難しさやメンバーとの向き合い方を学ぶ機会を頂けたので、勇気をもって志願して本当に良かったと思っています。

経営の意思決定の醍醐味を味わい、チームの成長を実感できたランサーズCFO時代


ランサーズに入社することになったきっかけは、自分自身を更に成長させたい、それが実現できる機会がほしいと思ったことがきっかけでした。リクルートでメンバーもしくはマネージャーとして、会社のファイナンスにまつわる様々な意思決定を担うことができたため、次は自分のカバーできる領域を拡げ経営者に向けたステップを歩みたいと思い、管理系ではなく事業部側で意思決定に携われる仕事をしたいと思うようになりました。

これも挫折経験の一つですが、上記要望を伝えた結果として、残念ながら自分のこれまでの成果だけではリクルートの中で事業部の責任あるポジションを獲得することができないことが分かり、大好きなリクルートを離れ、ご縁を頂けたランサーズにCFO候補として入社させて頂くことにしました。

いくつかの企業を受けさせて頂いたのですが、その中でランサーズを選んだ理由は、子供の出産・育児の過程で学んだ「人生における働くということの大切さ・重要さ」を軸にしたサービスを展開している点と、ランサーズの掲げているミッション・ビジョンに共感したという点が大きかったです。折角経営者としてチャレンジするのであれば、社会的に意義のある、子供にも誇れるサービスに携わりたいと思って入社を決意しました。

ランサーズに入社してからの日々は、今思い返しても本当に激動の日々で、圧倒的にアウトプットのスピードと意思決定の迅速さを求められるようになりました。その裁量の大きさに始めはとまどいや不安もありましたが、色々と経験させて頂く過程でそこに立ち向かう覚悟が芽生えてきた気がします。
そして、ランサーズ入社後半年ほどでCFOに就任し、経営者として会社の命運を担う立場になりました。様々な関係者からの非常に大きな期待と責任を頂き、その期待にこたえ、責任を全うするために、入社後2年間はランサーズ社のIPOを実現すべく全力で邁進しました。(詳細は「ワーママ女性CFOがランサーズIPOを経て学んだ4つのこと」の記事をご覧ください)

ベンチャーという必ずしもインフラが整っていない環境で、達成できないかもしれない目標を掲げ、そこに向けてチームを動かして目標達成できた経験は、経営者の一員として経営の醍醐味を少し味わうことができましたし、これまで培ってきたタスク遂行能力、プロジェクト管理能力、チームマネジメント能力、渉外コミュニケーション力などをフルに活用して実現出来たミッションだったので、これまでのキャリアの点と点が線としてつながった感覚がありました。

また、元々コーポレート部にいたメンバーを主軸に組成したIPOチームだったので、チームメンバーにはアドオンでの業務対応など負荷をお願いせざるを得ないことも多かったですが、相互にサポートしあいながら一つ一つ課題を乗り越え、会社の成長と共に多くのメンバーも成長していってくれたことは本当に喜びを感じられた出来事でした。

ランサーズのミッション・ビジョン実現とパーソナルミッションの実現をかけた新たな挑戦


CFOとして経営者の一員になって感じたことは、会社の成長を実現するために、自分自身が責任を担うべき範囲は無限に広いし、そこに対して自分が結果を出すために貢献できている領域は本当に狭いという事実でした。

時折「CFOになるという夢がかないましたね」と仰って頂くこともあるのですが、私のパーソナルミッションはCFOになることではなく「日本を代表する女性CFOになり、世の中の女性の新たな道を切り拓くパイオニアになる」ことです。今はパーソナルミッションを実現するためにバッターボックスにたつ機会を頂けているにすぎない、というのが現状に対する私の認識ですし、バッターボックスに立っているからこそ自分の掲げたミッションの達成難易度を日々痛感し、そこ差分を埋めるために努力し続ける必要があると感じていました。

そんな中で2021年度の期初から事業部側の責任者を担わせて頂く機会をランサーズから提示して頂きました。管理系しかやったことがない私が事業部の責任者を担わせて頂き、本当に成果を出すことができるのか?という点に対する大きな不安はありましたが、経営者としての器を拡げ、パーソナルミッション実現に近づくための大きな挑戦であると考えたことと、これまでの成果を踏まえて会社が自分に更なる期待をかけてくれたことが嬉しくて、内示を快諾しました。また、ランサーズ社の経営者の一員として、会社のミッション実現に向け、事業成長を少しでも押し上げたい、外部ステークホルダーの皆様の期待に応えるためにも事業成長にコミットする責任がある、という想いがあったこともその挑戦をしようと思った理由の一つです。

事業責任者として責任を果たし成果を上げ続けられるのか、事業成長と共にメンバーの成長を実現できるのか、が現在の私の最大のミッションであり挑戦です。

私は経営者の一員なので、挑戦ではあるものの失敗が許されるわけではありません。成功するために、常に状況を正しく認識・把握し、戦略を練り、課題の抽出と対策の実行・試行錯誤を繰り返し、チームメンバーを巻き込んで創意工夫を重ね成果を出すまでやり続ける責任があります。泥臭く、諦めず、熱意をもって日々コツコツと改善を積み重ねる。チームを信頼し、チームに任せ、チームに感謝を伝え、チームを鼓舞する。クライアント・ユーザーの声に耳を傾けサービスの改善を重ねる。最近は著名な経営者の経営の心得などにもヒントを得ながらがむしゃらに仕事に挑戦させて頂いている日々です。

道のりは険しいですし日々辛いことも多いですが、自分自身が掲げているパーソナルミッションの実現に向けて全力で取り組める環境にいることは本当に有難いことだと思いますし、今の環境を与えてくれたランサーズ社、挑戦を支えてくれている家族、一緒に大きなヤマを越えようとしてくれているチームに最大の感謝をしています

最後に


長々と自分のキャリアについて振り返ってきたこの記事ですが、まとめとして皆様に伝えたいことを最後に書きたいと思います。

自分の実体験を基にした考え方なので決して普遍的な意見ではない、ということを注釈させて頂きつつ記載させて頂きますが、「ビジネス上求められる基礎体力を身につけ専門性をもって働きたいなら大企業、修羅場体験を通じて圧倒的な成長を実現し幅広い領域での経験を積みたいならベンチャーがおススメ」ということです。

ビジネスを成功させるために必要な要素は沢山あると思いますが、それらを体系的に纏め、きちんと学ぶ機会を提供してくれる環境は、大企業の方が圧倒的に優れていると思います。また、周囲に優秀な先輩が多くいる環境に身を置くことで基準値が適切に設定できることも、長い職業人生を俯瞰して捉えるととても意味があると思います。更に、優れたシステムや多くの優秀な人材を抱える大企業であれば、自分の得意・専門性を活かして効率的に働くことが実現しやすいと思います。

一方で、大企業では修羅場体験を得ようとしても、すでに完成度が高いため、その機会がそもそも少なく、優秀な先輩も含めて高い競争倍率を勝ち抜けないとそのチャンスを得ることができないという点があります。従い、修羅場体験を自ら取りに行きたい場合、会社が発展段階にあるため修羅場の機会も多く、比較的競争環境も緩やかなベンチャー企業の方が圧倒的に関与できる確率が高いと思います。また、自分の専門性をあえて限定せず、幅広く色んな業務に携わることができる点もベンチャーの大きな魅力の一つだと思います。

もちろん修羅場は体験するだけでなく乗り越えて始めて意味がありますし、乗り越えるためには胆力・気力・体力など様々な力が必要になりますが、自分自身を圧倒的にアップデートできる機会としては最高の環境だと思うので、修羅場を経験し成長する覚悟を持った人にはベンチャーは本当におススメしたいキャリアだと思っています!!

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