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『森の生活−ウォールデン−』 ソローと2人の親友

『森の生活−ウォールデン−』 ソローと2人の親友

 

『森の生活−ウォールデン−』の著者、ヘンリー・D・ソローは森の中に建てた小屋で約2年間生活しました。そう聞くと、ソローは非社交的で孤独な人物に思えるかも知れませんが、実際にはとても話し好きの社交的な人間でした。
 ソローの小屋には、色んな人々が訪れます。『森の生活』の[訪問者][先住者、そして冬の訪問者]という章には、ソローの交友関係が記されていて、彼の親友が2人登場します。
 一人は、ウイ

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『森の生活−ウォールデン−』

『森の生活−ウォールデン−』

 ヘンリー・デイヴィッド・ソローは、アメリカ合衆国マサチューセッツ州コンコード、ウォールデン池の畔の森に自ら小屋を建て、1845年7月から約2年2ヶ月一人で生活をしました。
 ソローは、森の動物や植物を観察し、農作業をしたり、人間や社会について考察しながら生活し、その経験をもとに『森の生活−ウォールデン−』を執筆します。
 ソローの思想を要約すると。文明の進歩によって人々の生活はより便利で快適にな

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『ブッダのことば スッタニパータ』完結その⑥ 瞑想の実践

『ブッダのことば スッタニパータ』完結その⑥ 瞑想の実践

 長年『スッタニパータ』やスマナサーラ長老の本を読むうちに、原始仏教は瞑想を最重要としてることが、わかってきました。しかし、本格的に瞑想に取り組むこともないうちに歳月は過ぎて、自分はある年に大きな病にかかりました。
 そして、その大病の再再発が疑われて検査した頃、自分なりに真剣に瞑想を行いました。
 再再発かもしれないとなって、即検査をして病院からの帰り道、心の中は重く身体も重くて、30メートル先

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『ブッダのことば スッタニパータ』その③ 大乗仏教と小乗仏教

『ブッダのことば スッタニパータ』その③ 大乗仏教と小乗仏教

 お釈迦様の死後から200年から500年くらいの間に、仏教は18の部派に分かれてしまいました。18部派の中の一つが後に大乗仏教になります。中国や朝鮮や日本と、主に北へ布教発展したので、北伝仏教ともいいます。
 大乗仏教とは、字の通り、大きな乗りもの。仏教の神様が、国家や大衆や全ての生命を、大きな乗りものに乗せて彼岸の世界へ渡らせてくれるそうです。

 大乗仏教と対になってるのが、小乗仏教です。小さ

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『スッタニパータ』その② もう時期お盆なので、仏教にちなんで家の宗派の話

『スッタニパータ』その② もう時期お盆なので、仏教にちなんで家の宗派の話

 母方の実家は九州の福岡にあって、自分が小さい頃夏に何度か泊まりに行きました。宗派は浄土真宗で、祖父は農業高校の先生で、祖母も教師をしていました。あと、母も伯父も教師をしてて、教育系の家だったんですね。
 祖母は威圧感があって、よく喋る人でした。祖父はいつもニコニコして控えめな人でしたが、肩や腕の筋肉がすごくて、自分を腕にぶら下げてグルングルン振り回してくれた思い出があります。
 お盆には仏壇やお

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『菜根譚』③ 意地悪い人達っていつの時代にもいるものだから、気にしないのが最良の対応策。 

『菜根譚』③ 意地悪い人達っていつの時代にもいるものだから、気にしないのが最良の対応策。 

 現代の日本でネットにしても現実の世間にしても色々言う人々はいて、明朝時代の中国でも人間の性質としてよくあることだったのでしょう。
 人生の哲理や警めを与える書のジャンルを、中国では「清言」と呼び明時代末期は特に盛んだったそうです。代表的な清言である『菜根譚』を読んだ当時の人々も、「そうか❢気にしなければいいんだ!」とか思ったかも知れません。

『言志四録』4巻『言志耋録』 藝術についての条文

『言志四録』4巻『言志耋録』 藝術についての条文

 「藝能があって、しかも謙遜な者は、藝の最も優れた者である。」 なるほど〜。伝説的なほどすごい芸術家になると、そんな感じしますね。普通の人にしか見えないくらい腰が低かったりしてて。

『言志四録』2巻 『言志後録』

『言志四録』2巻 『言志後録』

 『言志後録』は、佐藤一斎が57歳から約10年間書き記した随想集です。これくらい高齢になると世間知に長ける一方で、志は周りに合わせて世間並になるものですが、佐藤一斎はまだまだ気高い理想を持ってることが伺えます。

 

 189は、若い頃誰かは通る道のようにも思いました。自分の昔もこんな感じでしたし、今は片意地にならず達観できているか。時々自分の内面は大丈夫かどうか。佐藤一斎の語録に思いを馳せます

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『言志四録』の1巻『言志録』

『言志四録』の1巻『言志録』

 この本は、江戸末期に幕府の運営する学校、昌平黌で儒官(現代では大学長に相当する)を務めた、佐藤一斎が42歳から約40年間書き記した処世訓や修養訓です。『言志録』『言志後録』『言志晩録』『言志耋録』の4冊でまとめて『言志四録』となって。4巻全部で1133条の随想文が記されています。
 明治の政治家や維新志士達が愛読していたそうで、西郷隆盛は『言志四録』の中から101カ条を選んで座右のいましめにして

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