マガジンのカバー画像

詩集

55
心のまゝに紡いだ言葉の断片 言の葉を磨き上げ羅列をして並べています。 詩のようなものをまとめています。
運営しているクリエイター

2023年3月の記事一覧

詩「春待ち人」

詩「春待ち人」

〜°〜°〜°〜°〜°〜°〜°〜°〜°〜°〜°〜

それは突然だった__
冷たい春の嵐が
刹那に駈け抜けていった

幾重もの淡い花びらたちが
ぼくの見つめる先に在る
きみの姿を見失わせる

恋は盲目のまゝ
桜迷路をさまよっては
きみの影を探していた

その姿が見えなくても
そのささやきを感じ
その温もりが伝わるなら
それだけでよかった

だけど
きみは風のように過ぎ去って
ぼくはひとり
桜はやがて散

もっとみる