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青野佑季と拉餃の往復書簡

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こたつを片付けられずに梅雨

こたつを片付けられずに梅雨

 拉餃さん、お忙しい時にお返事ありがとう。今日も変わらずお元気ですか?私は日々雨のせいか偏頭痛がひどくって、頭痛のしんどさを身をもって体験しています。低気圧なんてどっか行っておくれ…。

 なんだかんだ、SNSの方で繋がりがあったので、安否の確認はできていたけれど、その「なんだかんだ」のうちに春は終わり、急ぎ足での梅雨がやってきて、毎日湿度との戦い。

 拉さんところはすでに【湿の乱】の火蓋が切っ

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遠くの車の音は風

遠くの車の音は風

青野佑季さんへ

わたしがお返事を書きあぐねている間に
季節が変わりそうになっていました。(おそくなってごめんね…。

真っ先にそれを感知したのはわたしの足の裏でした。

家に帰るとまず最初に服を脱ぎます。
特に靴下。これは(どちらかというと服よりは)靴の仲間という認識なので、玄関で抜いじゃって洗濯機にポィです。
だから、家の床の清潔度を熟知しているのはいつだってわたしの足裏です。

そんな足裏が

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書き順のいらない手紙

書き順のいらない手紙

拝啓 拉餃さま

 拉さんこんばんは。ご機嫌いかがですか。春の夜風が冷たくて気持ちがいいです。

 昨日も今日も、部屋の窓から見渡せる山々がとても近くて、瑞々しく粒だっていていました。そろそろ雨が降りそうだな、と思って、天気予報を確認したら明日は雨の予報でした。90%。絶対に降るよね。

 山が雨をわくわくしながら待ち望んでいるからでしょうか。それとも静かに満ちている湿度をたくさん蓄えているからで

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新しいビルが大きすぎました

新しいビルが大きすぎました

青野佑季さんへ

拉さん元気です、こんにちは。
この前、久しぶりに街へ出ました。
大きな本屋さんに用事があったので。

街の中心に着いたら人がたくさん歩いていて、どの人もちゃんと春らしい服を着ていたので恥ずかしくなりました。わたしの格好は『もうすぐ着られなくなりそうだから今のうちに着ようとしたもの』で構成されていたからです。
ま、でもせっかくなので、わたしはこの日のテーマを道行くオシャレウォッチン

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生まれた日が春だっただけで

生まれた日が春だっただけで

拝啓 拉餃さん

 拉さん、こんにちは。お元気ですか。すっかり春ですね。3月が終わって4月に入りました。真昼は温かいを通り越して暑いくらいです。太陽の光を浴びて桜たちがピンクや白に発光していました。眩しかった。そこらじゅうが光っていたよ。拉さんところの桜も光ってますか。太陽光を溜めて、夜に光ってくれたらどれだけ素敵だろうと考えていました。眠れない真夜中に窓の向こうで光っていてくれたら、どれだけ安心

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これは手紙なのか

これは手紙なのか

青野佑季さんへ

先日は、誕生日おめでとう。
こっちは桜が満開でした。

誕生日、青野さんはどんな一日を過ごしたんでしょう。
人の誕生日(あと年末年始)の過ごし方ってなぜかちょっと気になります。こういう日のその人は結構その人っぽそうで興味があります。

わたしの方はどう過ごしていたのか、そろそろ忘れてしまいそうなのだけど(誕生日もう来るなの意)誕生日の記憶といえばケーキとプレゼント。
そう特にプレ

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