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【同じ広告だけど、違う広告!?】総合代理店とWEB代理店の違い

こんにちは、kenjiです。先日電通の赤字ニュースが報道されました。同じく、先日発表された電通のリリースで「世界の広告の5割がデジタルになる」という見立てもあります。


また、こちらも先日報道されたサイバーエージェントの好決算を踏まえると、総合代理店とWEB代理店との明暗がわかれたようにも感じてしまいます。

※電通の決算内容の詳細は報道ではわかりませんでしたが、一概に国内代理店事業の減少ではないようですが。

※サイバーエージェントをWEB代理店と位置付けるのは少々乱暴ですが、代理店売上も伸びていたようです。


ちなみに、先ほど上げた「世界の広告の5割がデジタルになる」については下記記事で考察しています。ぜひご覧ください。

ということもあり、今回はいわゆる総合代理店とWEB代理店の違いについて考察してみたいと思います。


●棲み分け

これは僕が身を置く新築分譲マンション業界やかつて在籍したサイバーコミュニケーションズでの経験値です。


現状、総合代理店(4マスメディアやOOH、チラシなどのSP領域を扱う代理店)とWEB(専業)代理店は棲み分けています。つまり、共存しています。


ただし、厳密にみてみると、まだまだ「並列」というより「上下」と言えます。「上」が総合代理店、「下」がWEB代理店です。


どういうことか??具体的に説明します。


◎両方に発注する

例えば、実際に僕が担当するプロジェクトなどには、総合代理店がプロモーションパートナーとしてついてくれます。総合代理店とプロジェクトの市場調査やコンセプトメイキング、クリエイティブ、コピーライティング、プロモーションプランなどを詰めます。


しかし、そこにWEBプロモーションおよびWEB施策はあまり入りません。大枠の予算配分の話などはしますが、具体的なプランニングはしません。


ではこれらのWEB領域をどうするか、と言えば、WEB代理店と別途詰めます。つまり、当該プロジェクトの代理店は2つあり、それぞれの領域にてそれぞれに発注する、ということです。


言ってしまえば「餅は餅屋」ということです。総合代理店はWEB領域についての知見が乏しく、WEB代理店は4マスやOOH、SP領域についての知見が乏しい。そのため、このような体制になっています。


しかし、電通などの大手は、僕の前職サイバーコミュニケーションズを子会社化したりグループ会社を作ったりするなどして、WEB領域までを扱えるようにしています。とはいえ、外の血を活用していますね。


◎上下とは?

先ほどあげた例は、「並列」の棲み分けです。では、「上下」とはどういう状態か?


総合代理店の下にWEB代理店がつく、という体制です。その場合、発注先は1つです。ただし、やはり打ち合わせには両代理店の担当が揃うことが多いです。


ではなぜ総合代理店が上で、WEB代理店が下なのか?それはプロジェクトへの関わり度合いが違うためです。


先ほどもあげましたが、プロジェクトのコンセプトメイキングをするのは総合代理店です。また、メインプロモーションは4マスメディアやSPです。そこに載せるためのクリエイティブを総合代理店が制作します。


よって、そもそものプロモーション骨子を作っているのが総合代理店で、さらに広告に必要な素材やクリエイティブは総合代理店が持っています


まだまだ新築分譲マンション領域は古いため、WEBプロモーションは本筋のプロモーションの横にあるもの、という認識があります。よってWEB代理店はWEBプロモーションのプランニングおよび出稿や運用をしてくれる人という認識であり、WEB代理店もそのように捉えている向きもあります。それ(WEB領域以外)は総合代理店さんの領域であると。


よって、上下の関係とは、メイン代理店として総合代理店がたち、WEB領域に用があれば総合代理店経由でWEB代理店とコンタクトをとる、という体制です。


しかし、昨今ではプロモーションにおける主流がWEB領域に移りつつあり、発注側とWEB代理店において、「WEBファースト」の認識に変わってきているような萌芽も感じます。


●広告の質が違う

では、なぜ代理店が分かれているのか?答えは、これまた先ほど挙げたように、専門性が違うためです。


実際に総合代理店の方に話を聞くと、WEB領域のことはわからないし、ついていけない、という話も聞きます。

それでは、その違いを詳しく見てみます。大きく「売り型」と「売ったあと」が違います


◎売り型の違い

たとえば、テレビ広告では、スポットやタイムなどの枠の取り方と視聴率などをもとに売ります。日本はキー局や番組数が少ないので、ある程度のパターンもあります。フォーマットも決まっています。


WEB広告はどうでしょう?


まずはメディア。広告出稿先メディアがたくさんあります。加えて、各メディアが開示する情報も結構あります。PV、DAU、MAU、ユーザー属性、エンゲージメントなど。


また、昨今ではDSPやネットワークなど複数メディアをまとめたグループなどもあります。


ターゲティングも様々です。プロファイルや本人入力などの属性ターゲティングから、閲覧履歴による行動ターゲティング、さらには特定アクションをしたユーザーを狙うリターゲティング、そこから推測を効かせる拡張ターゲティングなど。


広告の配信方法も様々です。マスメディアのような固定枠ものから、CPC課金型、imps課金型、CV課金型など。


フォーマットも様々です。看板的な静止画、Java動画、テキストなどのバナーから、動画、インタラクティブなリッチ広告、インフィード、カルーセルなど。


そのため、ある意味出来合いの商品ではなく、クライアントに応じてカスタマイズを要する商品となり、かなり面倒、というか手間がかかります。


当然、クライアントへの提案も、色々と説明が要ります。かつ、クライアントもわからないことが多いため、質問も出ます。ということで、時間がかかります。


いかがですか?同じ広告という括りではありますが、プランニングや提案方法など、総合代理店が扱う商品とWEB代理店が扱う商品では、質的に違う商品と思えるほどです。


次回はもう一つの違い、「売ったあと」の違いについて考察したいと思います。ぜひフォローの上、お楽しみに!!















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