日本語学習ドラマ『スアン日本へ行く！』を見て、思わず泣いてしまったこと

まさに、偶然の出合いだった。
オンラインで、日本語プライベートレッスン中の中国人女子高生Yさんに、何か良い動画はないかな？とネットサーフィンしていた先日。

と、そこにホテルで働いていると思われる女性が。

スアンと、謎のキャラクター・やんす

そして『ひきだすにほんご　Activate　Your　Japanese！』の文字。これは日本語教育に携わっている方なら誰でも知っている国際交流基金が、（株）NHKエデュケーショナルと共同で作った番組らしい。
日本での生活や就労を目指す外国人、日本の社会生活に触れたい日本語学習者対象に、日本や日本文化を紹介する番組とのこと。（HPより）

ほう～、どんな番組なんだろう？と興味津々で第1話を見た。

#1 夢を追いかける - あなたの日本語を活性化! |NHKワールド・ジャパン・オン・デマンド

これが、とても面白い！1話が15分。ドラマ『スアン日本へ行く！』・『気持ちが伝わるオノマトペ』・『津々浦々　日本のセンパイ』の3部構成。

とりわけ、斬新だと思ったのは『スアン～』が、今までの日本語学習動画にはないような「ストラテジー」（方略・工夫）の視点で作られていることだ。

ベトナムから、日本のホテルで働くためにやってきたスアンが、生活の中でのコミュニケーションで困ったことを、様々なストラテジーで乗り越えていく。例えば、第1話では会話に困ったときに、「質問をして相手に話してもらう」などだ。そのとき、キーホルダーの「やんす」が、ひょいっと飛び出して、スアンに話しかけ、ストラテジーを伝授する。

この「やんす」が、またとてもいい！かわいいし、ユーモラス。表情も豊か。すぐに、ファンになってしまった。

それから、もう一つ。一応、外国人学習者に作られた日本語教育番組だけど、日本語母語話者でも、役に立つ。実際に日本人同士の会話でも、このストラテジーは使えると思う。「わからないところだけ効率的に聞き返す」「会話を終わらせたいというサインを送る」「身近なことを「例」を挙げて説明する」などなど。これは、外国語を学ぶ日本人も利用できそうだ。立場逆転の視点だな。

ドラマでは、英語字幕（一部、日本語字幕も）があるので、学習者もわかりやすいし、私自身、英語ではどう表現するのかがわかったという点でも、有益だった。

ドラマは、全部で24話。1話が7〜8分と短い上に、内容もわかりやすい。登場人物も個性的。漫画やアニメ、CGなども組み合わされていて、その絶妙さに思わず拍手！冒頭のYさんに見てもらったところ、すぐにでも、会話に活かせると、とても喜んでもらえた。

私も毎回毎回楽しみで、好きな韓流ドラマを見ているかのようだった。そして、最終回。スアンが「やんす」と別れるシーンでは、私自身、不覚にも涙が。えっ？日本語の学習教材で泣く？今まで、いろいろな日本語の動画など見ているけど、胸がキュンとなって泣いたのは、これが初めてだった・・・

とにかく見られて良かった！出合えてラッキーだったドラマ『スアン日本へ行く！』ぜひ一度、ご覧いただければ・・・と思う。

・長文をお読みいただきありがとうございました！

・画像は、ネットからお借りしました。

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