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本当の自由って?

図書館で数カ月前に予約した本が、やっと来た。

『自由への手紙』  オードリー・タン

オードリー・タン(唐 鳳)氏は、言わずと知られた台湾のデジタル担当政務委員(大臣)だ。

子どものときから天才と言われ、35歳の時に、史上最年少の若さで入閣したという、類いまれな才能がきらめくオードリー・タン氏。

「格差から自由になる・ジェンダーから自由になる・デフォルトから自由になる・仕事から自由になる」の4つの観点から、オードリー氏の意見が端的に述べられているこの本は、インタビューをもとに書かれている。なので、より訴える力が強く、読者の心をとらえて離さない。

なかでもコロナ禍においては、マスクをより迅速に、平等に届けるために、ICチップ入りの国民健康保険証を使って購入できる新しいシステムを作り上げた。本当に、素晴らしいの一言だ。(冬の寒い日に、何時間も外でマスクを買うために並んでいたのが思い出される・・・)

それに、中央流行疫情指揮中心(CECC)というコロナウイルス感染症対策の窓口機関を設置。そこには、フリーダイヤルで誰もがアイデアを共有できたり、意見を言うことができる。「速やかに、オープンに、公平に」を具体化しているのだ。このようなシステムは、まさに皆の希望をそのまま実現したように感じる。なんと先進的なことか・・・新しいことをするにも手間取り、一部の人しか共有されなかったりといったことは問題外。国民一人一人に寄り添った政策だなと感心した。

また、

・違う人、違うもの、新しい人、新しい事柄を受けいれる姿勢をもち、あらゆる多様な立場というものを理解しようとする。
・違いがあると同時に「全員に切り離せない共通の価値観」があると認識する。(P156より抜粋)

この2つがそろえば、国家・コミュニティ・企業で共存することができるとオードリー氏は述べている。LGBTQ+の当事者でもある氏の言葉は、説得力がある。考えてもみれば、大なり小なり「違うもの、新しいもの」に対して、私たちはつい構えてしまい、無意識にマイナスの行動をとってしまっているのではないか?改めて自分を振り返る。

いろいろな観点から見つめてみて、「自由」が目の前に感じられ、ちょっと身近な景色すら、見え方が変わった気がする。そして一層、台湾に興味を持った私。ああ、早く台湾に行きたいなあ・・・と思わずにはいられない。




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