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【#2】転職活動 | 私が仕事を辞めた理由

9年ほど勤めた公務員を辞めたのには、いろいろな理由があります。
安定した立場と収入、既定の昇格ルート、円滑な人間関係といったメリットを捨て新天地に飛び込むのに、長い間、塾考しました。
今日は、そんな勇気ある決断を自画自賛しながら、その理由や背景を整理しながら自分の現状を正当化したい、そんな記事です。


1.国家公務員は、全く安定していない

「国の機関だから」「潰れることはないから」
一般に、(特に団塊の世代は)こんなイメージが少なからずあると思います。私が新卒で就職活動をしていた頃は圧倒的な人気No.1で、わざわざ予備校に通って合格を目指す友人も多くいました。
一度入ってしまえば、安定して給料が入り、土日祝日は確実に休めて、転勤も無くて、ブラック企業とは程遠い待遇…、それは氷河期を生きる就活生にとって、とてつもないアドバンテージに見えていたのです。

しかし現代、公務員人気は下火となり、定員割れを起こす自治体もしばしばみられるようになりました。働き方が多様になったことも一因ですが、特にSNSを通じて、業務の悲惨な実情を痛感する機会が増えました。
終わらない残業、地獄の霞ヶ関、理不尽な市民クレーム、やる気のない上司や同僚…、そこに想像するような華やかなオフィスはなく、あるのは予算が逼迫して改築の余地がない、歴史を重ねた庁舎です。
(全てがそうだと言っているのではありません。)

また、働いていると、予算繰りや人的リソースの配分が不可思議な様子や、財源調達の見込めない事業を目にします。必要であることは承知しているし一定の効果が望める展望もないことはないのですが、行き当たりばったりな企画も少なくありません。個の意思でそれを変革せしめんとすれば、それは数十年のうちに叶うほど近い将来にはありません(多種多様で、壮大な人数のステークホルダーと連携する業務なのですから。)。
多様な働き方ができる今日において我慢する必要性は薄く、聡明で活気ある若者の離職率の増加につながっているのも、うなずけます。
(全てがそうだと言っているのではありません。)

私の場合、残業やらイジメやら様々な苦労はありましたが、仕事自体は社会に必要なものだと思い、懸命に取り組んでいました。幸い休職する事もなく真面目に働けていたと思いますし、多少は誇りを持っていました。
しかし、そこに長くいれば、事業展望や予算繰りについて、いくらかの想像ができるようにもなります。

「今のまま進むと、遠くない未来に縮小することは避けられないのでは」

大して有能でもない若造でしたが、ある日、そんな危機感を覚えたのです。

2.理想の将来が、どうしても実現できない

とはいえ、危機感だけで退職を決断するほど手を抜いて仕事はしていない!悶々と思い悩む日々が続きました。
将来を真剣に見据え始めて1年半、次を重要な要素と位置付けました。

・転勤が多く、家族との時間を過ごせない

妻と結婚し、生活の拠点を改める必要が生じました。
私の勤め先は、2・3年の周期で転勤を余儀なくされます。その範囲は全国に広がりますから、単身赴任や頻繁な引越しが見込まれました。
単身であれば、転勤は新しい文化に触れる機会ですから然程苦ではなかったのですが、家族ができるとそうも言ってられません。
またちょうどその頃、「転勤を承諾するなら基本給10%増」「転勤を拒否するなら基本給10%減」という、絶望を模したプランがアンケートで配布され、気持ちがぐらっと傾いたのを覚えています。
家族と一緒に暮らす将来を諦めなければならない、と…。

・出世した先のキャリアに魅力を感じない

比較的、順調に出世していた方だと思います。事務所の中心として課を牽引し、部下を育成するような立場として、現場を任されていました。
中間管理職ですが、ある程度の立場になって仕事はむしろしやすかったですし、良い信頼関係を築いていました。
しかし、そこから昇格した先のキャリアは頭打ちの天井であり、仕事内容や見込み収入に、希望を感じることができませんでした。
事務所ごとに様々ある人間関係の調整や、精神をすり減らす市民への対応、爆弾課題の解消、一定期間の東京勤務(私は東京が苦手です。)…。本当に、ここで頑張り続けることが正解なのかと、頭を抱えました。

3.せめて、できる努力はした後で

・年収は現状維持から微増を
・転勤は少なめ(田舎で暮らしたい、できればリモートワーク有。)
・先行きの明るい業界で

自分の可能性を試したい!みたいな、崇高な思いはありませんでした。
ですが、このまま働くにしたって、他の業界や業種がどんなものかを知った上で、納得感を持って過ごしたいと考えました。
結局そこから転職活動(もとい業界勉強)を始め、一ヶ月ほどで大手企業の2社から最終選考・内定を得ることができました(運も味方して、脅威的な快進撃でした。)。退職することには最後まで躊躇いがあり、寝る間も惜しみメモ帳に考えを書き続けていました。

決断したのは、転職した先の未来を思い浮かべてばかりいる自分に気づいた瞬間でした。心が既に、新天地での生活を望んでいたのです。


前職での努力があるから、今があるのです。

私が仕事を辞めた理由は、だいたいこんな感じです。
前職の経験がなければ、私の現在はありません。社会人としての基礎基本、土台部分を築いて成長させてくれた前職には、心から感謝しています。

円満に退職して現在、自分自身に満足して、納得して仕事できているのかと問われると、未熟ゆえに必ずしも強く答えられはしませんが、それでも転職したことに微塵の後悔もなく、前には進めていると思います。
少なからず不安もあったので、一度こうして振り返って、自分のことを鼓舞する目的は果たせたんじゃないかな(笑)

具体的な転職活動の経緯は、機会があればぜひ書きたいですね。
見知らぬ誰かに、微力が役に立つことを信じて。

ではでは、今回はこの辺で。
また、次の記事でお会いしましょう。


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