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2020年9月の記事一覧
『本屋さんしか行きたいとこがない』 島田潤一郎
本屋は一人でめぐっても、人と歩いても楽しい。「あの本を買いたい」という目的があっても、なくても楽しい。誰かと歩くと私がまだ知らない本や著者をその人の言葉で伝えてもらえる。それがとてもうれしい。そしていつもと違う切り口でその人を知ることができる気がする。神戸に行ったとき、ジュンク堂を一緒に回ったIちゃんからおすすめとしてこの本が送られてきた。
著者の島田さんは吉祥寺にある出版社 夏葉社(岬書店)の
『私でもスパイスカレー作れました! 』 こいしゆうか・インドカリー子
私の自己肯定感を上げたのは、スパイスカレーの作り方の本だった。「私ってすごい」と自分に思わせたのは、自己啓発の本ではなかった。
私の周りにはスパイスカレーを作る人が幾人かいる。かっこいいな、すごいな、でも私にはできまい、と思っていた。たくさんのスパイスを集めなければいけないし、その違いを把握し、いい塩梅に配合して的確なタイミングで入れなければいけない。調味料のうち、みりんの存在がよくわからない私
『延長戦に入りました』 奥田英朗
「レスリングのタイツはどうして乳首を隠さないのか」「スポーツにおける大きな顔の影響」「子供の頃の足の速さがその後の人格形成に及ぼすこと」などスポーツや運動に関するエッセイ。「面白いから」と友人に渡された。
小説家という人は普段こんなに面白いことやどうでもいいことを考えているのか、と「プププ」と吹き出しそうになりながら戦慄を覚える。奥田英朗さんは『空中ブランコ』を以前読んだことがあるくらいで、まだ
『ミステリと言う勿れ』 7 田村由美
このマンガは誰に勧めても評判が良い。男性だったからかたまたま田村由美さんを読んでいなかったマンガ通にも、70歳の母の評判が良かった。母が貸した友人たちにも評判が良いというミステリマンガ。一言で言えば「面白い」なのだけれど、色々な側面において素晴らしいので「評判が良い」という表現にさせてもらう。
7巻は密室殺人のような、山小屋での事件。今回のエピソードで「ミステリ」的に鮮やかなのは、一つではなく複
『人生を変えるクローゼットの作り方』 ベティ・ホールブライシュ
ニューヨークの五番街にある百貨店、バーグドルフ・グッドマンには90歳(発刊当時)のパーソナルショッパー別名「買い物セラピスト」ベティ・ホールブライシュがいる。その彼女の半生記。日本語タイトルが示すようなクローゼット整理のテクニック、例えば「1年着ていない服は捨てましょう」「シーズンや色ごとに分けてしまいましょう」といったことは書かれていない。私だったら手に取らなかっただろうタイトルの本は、アパレル
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