心を動かす授業をつくる「教材研究」方法を大公開!
極楽の土曜日午後♪
自由でワクワクできる時間ほど、何に対してもよい結果が生み出せる。
その貴重な時を、それぞれ自分の大切な人・モノに使っていきたいですね!
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教育、人間、人生など、様々な「知恵」や「情報」が詰まった図書館のような、皆さんがくつろぎ、人生の「気付き」を得たり、知的好奇心を満たしたりできる居場所を目指しています😌
どうぞ、ごゆるりとお過ごしください。
共育LIBRARYりょーやん、元教師です。
筆者は、これまで幾つかの授業を公開してきました。
自分が納得できなければ授業をやりたくないと思う性なので、常に1ヵ月ほど前から授業の教材研究を少しずつ始め、土日も使って情報取集し、余裕をもって準備をするようにしていた記憶があります。
授業をつくる際の基準は、
自分が納得できるクオリティであるか
自分も子どももワクワクできるか
という2つ。
今回は、読者から「どのように教材研究をしているのか」という声をいただいたことがあったので、授業のづくりの舞台裏を公開できればと思います。
これは、教師という仕事だけではなくて、全ての仕事に通じる原則が存在していると思いますし、思考力や美意識を鍛える1つの手段になり得ると思っています。
是非、楽しんでご覧ください。
詩歌の教材研究3ステップ
算数、社会、図工、音楽、英語など、教科によって教材研究のやり方は違う。
今回は、その中でも1番筆者の特徴が表れやすい国語、それも詩歌の教材研究を公開しようと思います。
筆者の教材研究は大きく分ければ3つのステップで組み立てられています。
▢▢▢▢▢▢▢▢▢▢▢▢▢▢▢▢▢▢▢▢▢▢
❶全ての文字/言葉を辞書で引く
❷100発問をつくる
❸先行実践とミックスアップ
▢▢▢▢▢▢▢▢▢▢▢▢▢▢▢▢▢▢▢▢▢▢
順々に解説していきますね。
❶全ての文字/言葉を辞書で引く
筆者が1つの詩や俳句にかける教材研究の時間は、大体3~5時間程度。
かなり時間をかけている方。
その時間がかかる要因の1つは、この「全ての文字/言葉を辞書で引く」というステップがあるからです。
例えば、「はたはたのうた」という室生犀星の詩の教材研究ノートを見てみます。
このようにA4ノート見開き2ページを縦に使い、全ての単語、漢字、類語、などを調べて、その意味をノートに書き出していくのです。
一見すると、
「いやいや言葉の意味なんて大体分かるでしょ」
と思ってしまいがちですが、様々な辞書を使うと、実にたくさんの
「見えざるが見える」
現象が発生します。
例えば、「母をおもふ」の「おもふ(う)」。
「おもう」を多角的に調べていくと、漢字だけで、
「思う・想う・懐う・惟う・憶う・念う」と6種類あることが発見できます。
このように、言葉1つを侮らず、1個1個を調べ尽くしていくのです。
その際に使用する多種多様な辞書は、例えば以下。
などなどです。
教員を退職してから幾つかの辞書・辞典は売ってしまったので数は減ってしまいましたが、メインとして使っていたものは今でも残してあります。
このような辞書・辞典を使いながら、言葉を1つ1つ研究していくと、様々な詩の謎や発想が生まれてくるのです。
❷100発問をつくる
授業は発問という、子どもの考えを引き出す・促す質問が重要です。
良質な発問であれば、良質な考えが生まれ、授業が活性化する。
だからこそ、発問を厳選しなければいけません。
裾野が広ければ、山頂が高くなるのと同じで、発問が多ければ、その中の厳選した発問は自然とクオリティが高くなります。
よって、発問を100個書き出します。
この詩では以下のように100個発問を書き出しました。
書いていくときりがないのでこの辺りにしますが、このようにして徹底的に細かく、思考を整理していきます。
(もっと見たい人は画像を拡大して見てくだされば幸いです。)
そして右下の赤い枠で囲ってあるように、重要そうな発問をまとめておくのです。
その上で❸のステップに入ります。
❸先行実践とミックスアップ
教科書に載っている教材は、必ず先行実践がある。
「何だ。それなら先行実践をそのまま授業すればよいじゃないか。」
という声が聞こえてきそうですが、自分自身が分析する力を付けなければ、子どもに分析力を付けることが難しいと思っていた筆者は、
自身の力を鍛えたかったのです。
だからこのような回りくどいことをしていました。
さて、最後の3つ目の見開き2ページです。
このように、
自分が考えた発問を左に書き出し、
真ん中に先行実践の発問や自分が考えた解釈を書き、
右側に確定した授業の流れを書く。
このような流れで、授業の流れを確定していました。
この3分割するノートの活用方法は、別の記事で解説しています。
参考までにこの詩の流れは・・・
といった流れになります。
この詩の面白いところは「おもふ」の漢字によって詩の内容が丸っきり変わってしまうところです。
「想う」であれば「故郷をおもう」
「懐う」であれば「死者をなつかしみおもう」
となります。
よって、母が生きているのか、死んでいるのかが変わって来るのです。
だからこそ、「母は今どこにいますか。」と2回問いかけています。
ちなみに授業で行ったら、
「故郷にいる」
「天国にいる」
と真っ二つに分かれました。
そして答えを1つに決めず、それぞれの解釈が深まっていればよしとする。
このように調べ尽くすことで奥深い授業を実現することができるのです。
俳句バージョンで行っているものもありますので、それも付け加えておきます。
まとめ
筆者は20代のとき、自分に力を付けるために、100発問を50作品ほど行ったことがあります。
1つにつき3~5時間ですから、最大で250時間ほど。
すると、20~30作品を越えた辺りから「開眼」する感覚に襲われるようになりました。
それを重ねていく内に、初見の詩でも核や肝のようなものが少しずつ見えてくるようになったのです。
ただ、まだまだ上級者に比べれば道半ば。
今は教職を退いてしまいましたが、また、趣味としてこのような分析を楽しく行えたらと思います。
教科や題材によって教材研究の方法は違いますので、また他の教科の教材研究はどこかでお伝えできればと思います。
リクエストがあれば教えてください。
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いつもいつも、最後まで読んでくださり本当にありがとうございます!
明日の記事は、
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です。
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是非、楽しみにしていてください🎵
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