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・・・ウソ!?これが学校教育の国語の現状なの?国語力危機×哲学対話

最近、ちょくちょくnoteでやらかしがあり、
いかんいかん・・・と思っています。

投稿日がズレたり、
記事の有料制限の範囲が違ったり・・・

申し訳ないです😖

暴れ馬のADHD脳に気愛を注入して、
緊張感をもって発信していこうと思います。


共育LIBRARYへようこそおいでくださいました✨

教育、人間、人生など、様々な「知恵」や「情報」が詰まった図書館のような、皆さんがくつろぎ、人生の「気付き」を得たり、知的好奇心を満たしたりできる居場所を目指しています😌

どうぞ、ごゆるりとお過ごしください。

共育LIBRARYりょーやん、元教師です。


「ごんぎつね」の話を知っているでしょうか。

いたずら好きのごんが、
兵十のうなぎを盗み、
兵十のおっかあがうなぎを食べずに死んでしまったことに対し、つぐないとして食べ物などを運んでいる間に撃たれてしまった。

そんなお話です。

そのお母さんの葬式の場面で、
外で何かしらを鍋で煮ている描写があります。

ある小学校の子どもたちは、
このような話し合いをしました。

「死んだお母さんを鍋に入れて消毒している」
「死んでしまったのならばお母さんを消毒しても意味ないんじゃないかな」

・・・???

そんな反応になってしまうのも、
無理はないと思います。

筆者もなりました。

事例をもう1つ。

「1つの花」

という、
幼いゆみ子を残して、
お父さんが戦争に行ってしまうお話があります。

お父さんが、
駅で見つけたコスモスをゆみ子に渡すのですが、
その理由があなたには分かるでしょうか。

とある学校の小学生は、

「駅で騒いだ罰として汚い花をゆみ子に渡した」
「娘にコスモスを庭に植えさせて売ればお金になると思って渡させた」

といった意見が出るそう。

しかも、ふざけでも何でもなく、
男子も女子も真剣な顔つきで、
クラス全体を巻き込んでこのような話し合いが起きるのです。

こういった事例が、
全国津々浦々で増えている。

そんなことが、
以下の本に述べられています。

一体、現在の小学校で何が起こっているのでしょうか

国語力と生きる力の考察や、
日本社会全体の問題、
筆者が教室で行っていた言語能力を養う実践などを、
この記事で語っていけたらと思います。

知的好奇心を働かせながら、
見ていただければと思います。



文脈/気持ちが分からない子どもたち

ある家庭では、
母親が以下の言葉を言った結果、
子どもが激高し、暴力を振るったそうです。

ゲームばかりしているとお父さんに怒られるよ。
まあ、今日はいいか。
勉強もしたしね。

この言葉のどの部分が、
子どもを激高させたかお分かりでしょうか。

これは、最後の

「勉強したしね」

です。

これが子どもには、

「勉強/した?/死ね」

と聞こえたというのです。

言葉をまとまりとして捉える力の欠如、
文脈によって言葉を類推する力の欠如が原因なのでしょうか。

事例をもう1つ。

とある男子生徒2人のやりとりが、
暴力事件に発展した例です。

「なあ、この間のアレってどういうつもり?」
「は?どういうつもりって何?」
「ウザっ、とぼけんなよ。こっちが訊いてることに答えろよ」

この最初の「アレ」は、
よく知らない友達Aを、
ライングループに入れようとしたことのよう。

そして、

「は?どういうつもり?」

乱暴な口調で聞いたことが、
誤解を生んでヒートアップした。

加えて、
反省できない子どもたちが増えているという報告も、本の中では記載されています。

何が悪いのかが分からない。
そのことによって相手にどのような迷惑がかかるのか想像できない

そして、親を呼んでも、
親も同じ反応を示す。

これは、
指導困難校の事例を紹介している一面がある本。

ならば、
一部の学校だけがこのような状態なのでしょうか。

それに対しては、

「いや、それは違う」

と筆者は言わざるを得ません。

筆者が以前勤めていた学校も、
意思疎通に難を抱えるケースは、
日常茶飯事でした。

喧嘩をして仲裁に入っても、
説明が長く、不十分であるため、
教師であるこちらも混乱する。

口調のコントロールができず、
一言発する時点で、
再び両者ともに激高する

それが、
休み時間の度に行われる。

市内でも屈指の学力の低さを誇り、
保護を受けている家庭多数。

1年生のときから、
毎時間のように脱走劇が起こっていた学年。

そういった、
荒れ続けてきている学年を受け持ったときは、
国語の授業でも、
てんで的外れな意見が発せられ
それになぜか周りが同調するということは起こっていました。

一方で、
内容をよく理解している子どもが、

「私の感性が間違っているのだろうか?」

と自信を失っていきます。

しかし、そのような学校は、
全国には山ほどあると言えるでしょう。

ここからは、
このような状況に日本がなっている、
社会構造的な視点からみていこうと思います。


誰が国語力を奪っているか

全国の教員に、
子どもの国語力に関するアンケートを取ったところ、

ーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーー

・低下している・・・50%

・低下しているか分からないが
 不足している・・・30%

・上がっている・・・10%

・無回答・・・10%

ーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーー

という結果になったそうです。

筆者も、令和になって特に、

「国語の授業が嫌い」

という子どもが、
圧倒的に増えてきている感覚がありました。
(筆者が勤務していた地域だけかもしれませんが)

だから4月からは、戦い。

とにかく、鍛えて、鍛えて、鍛えまくることにより、
ようやく2学期ごろにまともな国語の授業ができるようになるという学年もあった。

そもそも、国語力は、

▢▢▢▢▢▢▢▢▢▢▢▢▢▢▢▢▢▢▢▢▢▢

考える力
感じる力
想像する力
表現する力

▢▢▢▢▢▢▢▢▢▢▢▢▢▢▢▢▢▢▢▢▢▢

の4つで構成されています。

現代は、スマホが普及し、
情報の取得が簡単になりました。

ただ、
情報の取捨選択と、

1つの物事にじっくりと向き合い、
そこから感じ取った行間や文脈の裏を想像し、
自分の思考を練り上げていく力は、
全くの別物。

現状の日本は、

ヤングケアラーが10万人いるとされ、

外国籍の子どもが13万人
そのうち1万人強が不就学。

「不登校」は約30万人とされ、
学校に行かない選択をしている子どもも、
増えている。

そんな中、どう考えても、
子どもの国語力が落ちている要因の1つは、

大人が接している時間
大人の数
会話の質

であると言えます。

言語と言うものは、

本を読むか、
本を読んでいる人の話を聞くか

の2点でしか上がらないとも言われます。

かつてに比べ、
子どもたちの読書量が減っていることは、
10年間の教員生活でも如実に感じました。

そして、
おそらく大人も本を読む人が減っている

さらに言うならば、
子どもに大人が接している時間と、
1人の子どもに関わる大人の人数が、
激減しているのが国語力が大きく落ちている原因だと考えています。

学校でも、
教師1人で30人の子どもを見なければならない。

休み時間も対応しなければならないことが山ほどある。

両親は共働きが多く、
親と接することができる時間も少なくなる。

それを補完してくれる地域の人も少ない。

そんな日本全体の環境が、
じわじわと子どもたちの国語力を、
奪っているのかもしれません。


哲学対話

『ルポ。誰が国語力を殺すのか』の本では、
国際バカロレア教育のような、
学力だけではなく、
人間力を育成する教育が紹介されていました。

それと同時に、
国語力を養うために紹介されていたのが、
議論。

そのサンプルとして、
哲学対話というものが紹介されていました。

筆者も、たまたま、
国語の授業でこの哲学対話を行ったことがあります。

それを紹介して、
まとめに入りますね。

哲学対話を行った授業の流れです。

ーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーー

①「幸せ」とは何かを意見交流
②討論「動物園の動物たちは幸せか」
③「正義」とは何かを意見交流
④討論「原爆について」
(アメリカ側/日本側の両側の視点で)
⑤意見文を書く

ーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーー

まず、
「幸せとは何か」を書き出す。

そして、
ノートをもって教室中を歩き回り、
様々な場所で意見交流を行う。

その後、
自分の人生の中で、

「幸せだったこと」
「不幸だったこと」

を列挙し、
「幸せ」を自分なりに定義

その定義を交流します。

そして、
自分なりに「幸せ」の尺度を持った状態で、

「動物園の動物は幸せか。不幸か」

という討論を行うのです。

異なる立場に分かれて意見交流をすることで、
より「幸せ」というものの正体が明らかになってくる

これを「正義」という概念でも、
同じように行います。

そして最後は、
意見文を書かせるのです。

残念ながら、
子どもたちが書いた意見文が残っていなかったのですが、教師の手本のデータなら残っていました。

筆者はこのような、
作文や意見文を書かせるときは、
必ず手本を用意します。

そして、
今回は「幸せ」「正義」どちらを選んでもいいとしていました。

この一連の授業だけで、
非常に多くの意見交流が行われ、
多角的に定義を見つめ、
手本の文章を吸収しながら意見文でアウトプットできる。

「哲学対話」

のような内容の授業は、
間違いなく国語力を高めてくれるでしょう。

このような授業スタイルが主流だった、
筆者が受け持った6年生の言語能力は、
1年間でかなり上がっていたと思います。


まとめ

フィンランドには、

「ネウボラ」

という福祉制度があるそうです。

親の妊娠が分かった時期から、
小学校入学までの間、
ひと家庭に1人の専属保健師がアドバイザーとして、一緒に子育てに参加してくれます

原則、1人の同じ担当者が、
一貫して科学的根拠に基づいた教育を、
アドバイスしてくれるのです。

その制度は、
フィンランドの国民の利用率100%

そういった、
家庭外の大人複数人が、
家庭に対して介入できるようにする取り組みが、
そろそろ日本でも必要だと気付き始めるころでしょう。

社会システム自体が変わるのは時間がかかるので、大人が本を読み、子どもとたくさん対話をし、様々な感動できる体験をさせていくことが、1人1人の大人ができることではないでしょうか。

なかなか簡単ではない問題ですが、
1人1人ができることをやっていきたいですね。


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