仕事・勉強が楽しい人VSそうではない人 ~知的好奇心が人生に与える影響~
明日は金曜日😊
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教育、人間、人生など、様々な「知恵」や「情報」が詰まった図書館のような、皆さんがくつろぎ、人生の「気付き」を得たり、知的好奇心を満たしたりできる居場所を目指しています😌
どうぞ、ごゆるりとお過ごしください。
共育LIBRARYりょーやん、元教師です。
「あなたは勉強・仕事が楽しいですか」
と聞かれたら、あなたはどう答えますか。
「楽しくない」
と答える人が、ひょっとしたら過半数かもしれませんね。
学校現場でも、子どもに
「勉強は楽しいか」
と聞くと、ほとんどの子が「楽しくない」と答える気がします。
中には、校長先生自身が
「勉強は楽しくはないかもしれませんが、将来大人になったときに・・・」
などと言ってしまうケースに出くわしたことがあります。
勉強とは、新しいことに出会い、自身の成長を感じることができる絶好の機会です。
なぜ、
「勉強=楽しくない」
という構造になってしまうのか。
この記事では、そのような現状に対し、「知的好奇心」という視点で、現代の教育の問題点や、本来はどうあるべきなのかについての筆者の考えをまとめていきます。
明日からの仕事・勉強を楽しくする一助にしていただけると幸いです。是非、最後までご覧ください。
勉強は本当に面白くないのか?
「厳しくしなければ子どもは勉強しない。」
そう主張する人が、学校でも家庭でも一定数見られます。
人間は、もともと、自分から勉強したがったり、自分から働きたがったりする生き物ではない。
叱られるのが嫌だから、勉強をする。
楽しくはないけれど、生活のために仕事をする。
このような主張です。
しかし、このことが真実ではないことを筆者は知っています。
なぜなら、小学校に入学してくる1年生は、「勉強」というものが楽しくて仕方がないという様子が、大多数の子どもに見られるからです。
1年生は、自分が分かる問題は、目をキラキラ輝かせて手を挙げます。
教室中に「ハイ!」という挙手の声が響き渡ります。
このような生き生きとした様子が、学年を重ねるうちに、少しずつ、薄れていくのです。
なぜなのでしょうか。
その原因として以下のようなことが考えられます。
▢▢▢▢▢▢▢▢▢▢▢▢▢▢▢▢▢▢▢▢▢▢
◆周囲と比較されることにより、何らかのマイナスのフィードバックを受ける
◆間違えや空気が読めないことが恥ずかしいと植え付けられる
◆自分のレベルに合った難易度ではなく、自信を失う
▢▢▢▢▢▢▢▢▢▢▢▢▢▢▢▢▢▢▢▢▢▢
そのようなことの積み重ねにより、
「勉強=仕方なくやるもの」
に変わっていってしまうのではないかと思っているのです。
では、もし、人間が全く勉強を強制されなかったらどうなってしまうのでしょうか。
「人間怠け者説」の検証実験
人間の知的好奇心を調査するために、ある実験が行われました。
それは、
「通常の二倍以上の報酬のアルバイトを募集し、実験室内で、ひたすら怠ける生活を送る」
というものです。
「何もしない」だけで、通常よりも高いお金を手に入れることができる。
誰もが、そんな仕事があればやってみたいと思うのではないでしょうか。
しかし、実験結果として出たのは、
最高2~3日しか耐えることができず、多くの被験者は、1日中何もすることのない場所を、耐えがたい苦痛の場と捉えたというものです。
中には、幻覚を見始める者まで発生するそう。
他にも、生後七ヶ月~三十ヶ月の孤児院の子どもを、孤児院と施設に分けて発達を比べた社会実験もあります。
施設は、適度な玩具や、適度な雑音、人との関わりがある環境。
孤児院は、壁やカーテン、シーツや布団の色は白。室内では、なるべくうるさい音は立てずに静かにするという環境。
これは、どちらの方が知能指数が上昇するのでしょうか。
それは、圧倒的に前者です。
施設の環境で育った子どもは、13名中9名の知能指数が20以上上昇。
対して、孤児院の子どもは13名中12名の知能指数が下がっていたのです。
つまり、人間は、
刺激が少なすぎると「何もすることがない部屋に閉じ込められた実験」と同じように、無気力、無感動になっていく。
人間にとって、「情報の飢え」は、「食べ物の飢え」に匹敵するレベルであるということなのです。
知的好奇心が発動する条件
皆さんが、仕事や勉強でワクワクする瞬間はどんな時ですか?
もしくは、
お子さんが、ワクワクして勉強に取り組むときは、どのような条件ですか?
上記のような知的好奇心が発動する条件を考える時に外せないのが
「遊び」
です。
子どもは、放っておいても嬉々として遊びます。
何も教えなくても、勝手に工夫を重ね、遊びをより面白くしていきます。
サルにパズルを与えると、興味関心を示し、嬉々として遊び始める。
つまり、ある程度の知性がある動物あるならば、ご褒美を与えられなくても、ただそれ自体を行う活動を喜んでやるはずなのです。
つまり、知的好奇心が発動する条件は、
▢▢▢▢▢▢▢▢▢▢▢▢▢▢▢▢▢▢▢▢▢▢
◆自由であること
◆創意工夫や発展性があること
▢▢▢▢▢▢▢▢▢▢▢▢▢▢▢▢▢▢▢▢▢▢
なのではないでしょうか。
ある程度、自分で決められる裁量が認められている。
自己の創意工夫を凝らすことができ、成長を感じられる。
そのような勉強や仕事であるのならば、きっと、多くの人が楽しんで行うことができるのだと思います。
現に、筆者は、このnoteの記事を書くことも、「遊び」という感覚の延長線上で行っています。
誰からも押し付けられたことではなく、
自信の創意工夫を楽しむことができる活動
だからです。
ということは、
「勉強・仕事が楽しくない」
というのは、現状の職場や学校の在り方に問題があるのではないかと思うのです。
学校の問題点
小学1年生が学年が上がるにつれて目の輝きを失っていくという事例を説明しました。
その原因に学校の問題点が詰まっているように思います。
原因を再掲します。
▢▢▢▢▢▢▢▢▢▢▢▢▢▢▢▢▢▢▢▢▢▢
◆周囲と比較されることにより、何らかのマイナスのフィードバックを受ける
◆間違えや空気が読めないことが恥ずかしいと植え付けられる
◆自分のレベルに合った難易度ではなく、自信を失う
▢▢▢▢▢▢▢▢▢▢▢▢▢▢▢▢▢▢▢▢▢▢
上記の原因から考える学校の問題点は、
▢▢▢▢▢▢▢▢▢▢▢▢▢▢▢▢▢▢▢▢▢▢
◇年齢で区切り、同じ内容を教えることの限界
◇1つの教室に大勢の子どもがいる中で生じる自由を許容できない状況
◇文科省の指導要領を「こなさなければいけない」教え込み教育
▢▢▢▢▢▢▢▢▢▢▢▢▢▢▢▢▢▢▢▢▢▢
などではないでしょうか。
勉強の「やらされている感」が学年が上がることに増していっている。
そして、近年はそのことに対する疑問を抱く子どもたちが不登校という形で意思表示をするようになってきているのではないでしょうか。
公立学校の制度そのものが限界に来ている。
そのように筆者は感じています。
おそらく、仕事の多くも、この延長線上にあることが問題なのでしょう。
子どもの知的好奇心を引き出す授業の工夫
とはいっても、現状では公立の学校が主流である状況です。
限られた条件下の中でできることをしなければなりません。
例え、教室に30人という大人数がいたとしても、子どもに知的好奇心をもたせる授業を行うことはできます。
筆者は、毎年、どの学年を受け持っても、
「先生の授業は面白い」
と子どもに言ってもらえます。
それは、筆者が、単一的な授業が苦手な性分であり、ワクワクしなければ自分のやる気が出ないという特徴があるからだと思いますが笑
ここからは、子どもの知的好奇心を引き出す授業の工夫を幾つか紹介できたらと思います。
▢▢▢▢▢▢▢▢▢▢▢▢▢▢▢▢▢▢▢▢▢▢
❶異次元の角度から切り込む
❷子ども自身に発見させる
❸子どもに任せる
❹先生に反論/討論させる
▢▢▢▢▢▢▢▢▢▢▢▢▢▢▢▢▢▢▢▢▢▢
❶異次元の角度から切り込む
「この授業ならおそらくこのような内容だろうな」
という子どもの推測から完全に外れた角度から授業を構成するというやり方です。
例えば、「戦時中の日本の生活」という6年生の歴史の授業。
筆者はこのような導入から始めました。
お菓子のグリコを紹介。
この時点で「戦時中の生活の勉強」を予想していた子どもは、
「???」
となります。
グリコのおまけに注目して、戦時中の生活の変化に着目するのです。
ここからは、おまけの玩具の変遷をたどっていきます。
おまけが変化してきた年表を提示。
銅や鉄の玩具が変化した原因が、戦争で国中のあらゆる銅や鉄を集める必要があったということにつなげていくのです。
公立の学校には授業前から既に「知識量のズレ」があります。
塾で予習を行っている子どももいれば、今日勉強する内容について知識ゼロの子どももいる。
そんな中、既に知っているメンバーには
「そうつながるんかい!!」
と思わせ、
知識ゼロのメンバーには、
身近な題材からスタートし、ワクワクさせる必要があります。
筆者はこの「異次元の切り込み」が非常に好きなので、全国津々浦々の実践をストックしておき、その中でベターな方法を抽出して授業を行っていました。
❷子ども自身に発見させる
子どもは
「自分で見つけた」
と思う発見があると、目を輝かせます。
以前に国語の授業を記事にしたのですが、
ある年の筆者のクラスは、1年の後半になると、子どもたちが自分で教材を見て質問や疑問を考え、自分たちで話し合いを進めるようになっていました。
例えば以下の教材です。
みなさんなら、この詩の謎に迫るために、どのような質問や疑問を考えますか?
当時の5年生は以下のような質問・疑問を考え出しました。
▢▢▢▢▢▢▢▢▢▢▢▢▢▢▢▢▢▢▢▢▢▢
・「つつしむ」は漢字に直すと「謹む」か「慎む」か。
・なぜこの詩の題名が「ふるさと」なのか。
・木の芽は一つか。それとも複数か。
・「もえよ」はなぜひらがななのか。
・一行目の「とけ」はひらがなだが、二行目の「とけ」は漢字になっている。なぜか。
・何が見えているか。
・「もえよ 木の芽のうすみどり」を2回繰り返しているのはなぜか。
・季節はいつか。
・話者がいるのは家の中か。外か。
・あたたかいか。さむいか。
・木の芽がもえているとはどういうことか。
・雪はふっているか。
・人間はいるか。
・雪は積もっているか。積もっていないか。
・「ひとり」とはだれのことか。
・この詩は明るい詩か。暗い詩か。
▢▢▢▢▢▢▢▢▢▢▢▢▢▢▢▢▢▢▢▢▢▢
いかがでしょうか。
どれ1つとしてすぐに断定することができず、深く考えざるを得ない質問や疑問ばかりだと思います。
そして、この後の話し合いも非常に面白かった。
休み時間になっても、教室のあちこちで、授業の続きが自発的に行われていたことを覚えています。
どのようにして、このような思考を育てていくのかは、また別の機会に記事にできればと思います。
❸子どもに任せる
「子どもに任せる」
とは、
「創意工夫の裁量を子どもに多く与える」
ということです。
以前にも紹介したのですが、社会や理科で、単元の終わりに、見開き2ページを使って、内容を自由にまとめてよいという活動を行っていました。
ただし、10個の観点があり、10点満点で採点するという条件下で、です。
四コマ漫画を使うもよし。
好きなキャラクターが紹介する形にするもよし。
クイズを所々に入れるもよし。
そのような工夫を奨励すると、子どもたちのノートは見る見る美しく・楽しくなっていき、「まとめノート」の時間を心待ちにする子どもが増えていきました。
詳しくは以下の記事をご覧ください。
❹先生に反論/討論させる
これも筆者が好んで使っていた授業パーツです。
例えば、
「自動運転の方が便利だから、世の中の全て、100%を自動運転にしちゃえばいいよね!?」
と言えば、
「いやいや、それは色々と問題でしょ!」
という意見が出てきます。
「え~本当に~?じゃあ、先生に反論してください。」
と言い、先生が納得するまで根拠を示して反論してもらうのです。
最終的に先生が
「降参しました!」
と言うと笑いが起こります笑
他にも、
「縄文時代と弥生時代、どちらの生活が幸せか」
といったテーマで討論を行うこともよくやっていました。
事前に、個人やチームで情報収集をして、自分たちの意見を整理した上で、
相互の立場に立って話し合いをするのです。
目的は
相手を負かすことではなく、異なる立場で話し合うことによって、内容が深まること
としていました。
まとめ
人間は、「ホモ・ルーデンス」と表現されます。
これは、
「一生遊び続ける存在」
という意味です。
人間は、本来、知的好奇心が旺盛な動物。
もし、知的好奇心を発揮せずに、探求や「知識」高めていくことを停止してしまうと、生活の仕方が固定し、行動を変化させる可能性が失われていきます。
必要なこと以外は全て面倒臭くなり、彩を失ったモノクロの人生になってしまう可能性がある。
だからこそ、子どもが本来もっている知的好奇心を大切に育てられる環境を大人が用意できる社会でありたい。
筆者は、そう思っています。
おそらく、日本の教育は、今、変わり始める過渡期を迎えている。
これから新しくできる、
「子どもが学ぶことを楽しく思える選択肢」
を作り出すために、何ができるかを考え、行動することを心がけていきたいです。
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いつもいつも、最後まで読んでくださり本当にありがとうございます!
明日の記事は
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です。
物忘れが激しい筆者が、何冊も本を読み、6年間の工夫を積み重ねて編み出した手帳・メモ術を紹介します。
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(2023.11.13~11.19)
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【木曜日】
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