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【日記】4月29日〜5月5日

4月29日
朝、SNSを開くと前日に行われたライヴイベントの動画が貼られていた。狭い会場を埋め尽くすお客さんのほとんどが上半身裸でステージにも押し寄せんばかりに激しく踊ったり叫んだりしていた。以前は似たような状況でライヴを見ることもあったけれど、今はもうそういう所には行きたくないなと思ってしまう自分がいる。

ゴールデンウィーク前半の3連休最終日。
朝からマイルス・デイヴィスを聴きながら群ようこ「ぢそうはみんな知っている」を読み終える。

夕方、映画「名探偵コナン 100万ドルの五稜星」を観に行く。
本編が始まる前に「ラーメン赤猫」という作品の予告編が流されていて、主題歌が水曜日のカンパネラの新曲。しかも凄く良い曲だった。新譜に入るそうなので期待値が高まる。

コナン映画は今年も最高のエンターテイメントだった。公開中なので詳しくは書かないけれど、今回は登場人物それぞれの心象風景に心揺さぶられる。そしてaikoが歌う主題歌が流れるタイミングがもはや反則技のように完璧で思わずウルッとしてしまった。

興奮の中、かねてから買い替えを検討していたポータブルレコードプレーヤーを買う。毎晩音楽を聴くからやはりアナログ盤が良い。が、10年前に購入したプレーヤーはいよいよ草臥れていた。
帰宅して早速プレーヤーをセットして何かしら聴こうとしたらターンテーブルが回らない。まさかの不良品。ついてない夜。

4月30日
ゴールデンウィーク合間の3連勤初日。
他の部署にいる派遣さんのみ10連休、あとはほぼみんな暦通りに働く日々。営業所全体に漂う倦怠感に流されながら作業する。

夜、電気屋に行ってポータブルレコードプレーヤーを交換してもらう。店員さんに不良品であることを確認してもらってから新しい商品を持って来てもらって動作チェック。ターンテーブルが回った瞬間に「おおーっ!」という謎の一体感に包まれた。

5月1日
アイルトン・セナの死から今日で30年。子どもの頃に夢中になった自分にとっての英雄の死の記憶は今でも忘れられない。

元いた部署では大幅な改変が行われた模様。去年入社した派遣さんの悪びれない言動が反感を買っていた。先輩しかいないはずなのに歳上だからかタメ口で話しているのを耳にして「えっ?」となる。何故か自分には敬語を使っているのは何故なのか。そして事態はますます悪くなるばかりなのか。

1時間の残業を終えて冷たい大雨のなか帰る。

夜、サディスティック・ミカ・バンド「ライヴ・イン・ロンドン」リマスター盤を聴く。

5月2日
火曜日に有給を取っていたこともあって久しぶりに新卒さんと一緒に会社へ向かう途中、何故か"ぷらっとこだま"の話になる。多分知らないだろうなあと思ったら「高校生の頃にGENERATIONSの追っかけをしてたからよく使ってましたよ」と言われて驚いた。その頃は自分もぷらっとこだまに乗って遠征していた。
もしかしたら新卒さんと同じ電車に乗り合わせていた時があったかもしれない、そう思うと人との縁や出会いは不思議なものだと感じる。

自分の教育係の先輩がお休みなのでいつも以上に念入りに作業する。そして気づけば一気に繁忙期に突入。連休が明ければさらに多忙になるのでその予告編みたいな日。1時間半の残業。

ゴールデンウィークがまだ半分残っているのに早くも夏休みの日にちを仮押さえ。今年は"さくらももこ展"の名古屋編へ行こうと決めたので旅行計画を立てていたところ、タイミングよく素敵なイベントがもう一つ入ったので今からとても楽しみ。

夜、サディスティック・ミカ・バンド「レア・オーディオトラックス」を聴く。"Boys & Girls"英語版の激しい違和感に思わずクスッとなる。

5月3日
朝からポータブルレコードプレーヤーを座卓に置いてヒップホップのレコード鑑賞会。針をJICO製のものに取り替えたので安価なプレーヤーとしては良い音になった。いつものターンテーブルとは比べ物にならない音だけどこのチープな音は何とも愛おしい。

よく見たら針の部分が斜めっていたので治した

豚汁うどんを食べて昼寝してから町田へふらりと行く。1年ぶりに訪れた町田にはまたしても駅前で女装するおじさんが薄笑いを浮かべながら立っていた。町田に行くと毎回違う女装おじさんを見かける。謎。
色々見て回るもデヴィッド・ボウイ「ヒーローズ」のアナログ盤だけ購入。家にあるのはジャケットが激しく色褪せしていたので買い直しを考えていた。
帰り道に昨年の初めくらいまで毎週降りていた駅で降りる。まだまだあまり行きたくない街ではあるけど、駅前の居酒屋で店頭販売されている揚げたての唐揚げがどうしても食べたくなった。以前よく利用したショッピングモールでささっと買い物をしてから居酒屋へ向かうも店頭販売はもうやっていない様子。ガッカリしながら最寄りの駅ナカにあるお店で唐揚げのようなチキンを買って帰宅。美味しかったけれど、何かが決定的に違った。

5月4日
SNSで前夜に行われたとあるアーティストさんのワンマンライヴの写真を見て驚く。中高年の男性客しかいない。一時集まっていた若いお客さんはどこへ行ったのか。

昼過ぎまで食っちゃ寝を繰り返してから新宿へ行く。"ドクター・ストレンジ・ラヴ"を聴きながら。数軒まわって越美晴「ボーイ・ソプラノ」アナログ盤とニール・ヤングのライヴ盤を購入。

暑いくらいの気温だけど、晩ご飯はリュウジさんの虚無チゲを作って食べる。

夜、ブラック・サバス「パラノイド」を聴く。

5月5日
朝から電車に乗って田無駅へ行く。またしてもブックオフのアプリで在庫があることを発見したので開店と同時に入店、素早く購入して店を出た。

そのあとは今から10年前、毎週訪れた場所へふらりと行ってみる。良い思い出があるわけではないけれど、何年か前には「孤独のグルメ」で取り上げられたこともある街なので少しだけ歩いてみることにした。
久しぶりに降り立った駅前は昔とほとんど変わっていなかった。強いて言えば巨大なTSUTAYAが撤退していたこと、10年前にも存在していたホームセンターがまもなく閉店すること、くらい。
駅前から真っ直ぐ伸びるバス通りを歩く。駅前以上に変わらない風景がただ通り過ぎていく。「孤独のグルメ」でゴローさんが焼肉をわしわし食べていたお店は数年前に閉店していた。住宅街を歩いて巨大な公園の隣にあるスーパーで買い物をして公園を抜けて駅に向かう。懐かしい気持ちや感慨深さはもう自分の中にはなく、ゴールデンウィークの賑やかな雰囲気に包まれた公園を散歩しただけだった。
あんなにも悲しい出来事があったはずなのに、10年という月日は深い悲しみや辛い気持ちをいつのまにか綺麗に流してしまっていた。

戻って昼寝してからデクスター・ゴードン「ア・スウィンギン・アフェア」を聴きながら小林聡美「茶柱の立つところ」を読み始める。聡美さんが綴る文章はいつでも心にスッと入って来る。実はエッセイストで一番好きな方かもしれない。

夜、バリー・マン「シビレさせたのは誰?」を聴く。

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