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【47エディターズ】5月も万博、赤字路線から「不適切」教育まで読み放題。イノシシに後藤田知事も登場します

共同通信では、注目ニュースの背景や、知られていなかった秘話、身の回りの素朴な疑問などを深掘りしたインターネット向けの記事「47リポーターズ」を随時配信しています。

当コーナー【47エディターズ】では、現場の記者が書いた記事の最初の読者であり、その狙いや内容を精査し、時に議論を交わして編集を重ねたデスクが、5月の47リポーターズ計6本をご紹介します。


◆「壊すものを造って、批判を浴びとる。万博は、もっと夢があるもんやと思ってた」工事業者が語った「士気の上がらない現場」 リングやパビリオン建設の下請け経営者や作業員の本音

大阪万博をめぐって、さまざまな報道が出ています。多くは行政や経済界の動きを報じるものです。時には万博開催に反対する市民の声も出ます。では、肝心の「現場」はどうなのか。大阪社会部の小島鷹之、武田惇志、岡田学時3記者は、会場の工事現場や建設会社へ通い、現場作業員らの声を拾い集めました。

ものづくりのプライドを持つ職人たちは、何を感じながら〝国策〟工事を進めているのか。夢のある万博になるのかどうか。彼らの話に耳を傾けてみてください。(角南)

◆ 開幕まで1年を切った万博、今回の目玉展示は何?過去には月の石、冷凍マンモス… メッセージ性が集客の鍵

こちらは、長く万博関係者を取材してきた大阪社会部(現気象・災害取材チーム)の河添結日記者が万博の目玉展示を考察した記事です。建設現場の生の声を取り上げた上記の記事とは真逆のPR?ではありません。万博が人々に何かを訴えるメッセージを持ちうるのか、ぜひ読んで考えてみてください。

私にとっての万博は、小学校低学年の時に家族で行った「つくば科学万博」(1985年)です。具体的なエピソードはほとんど記憶にありませんが、「万博に行った!」という高揚感のようなものが残っています。

2025年の万博は、子どもたちにどんなメッセージを伝え、何を記憶に残すのか。日々の取材(とその編集)を続けます。(中田)

◆ 鉄道廃線は地方を孤立させる」赤字ローカル線の存廃議論で欧州から学ぶべきこと オランダの鉄道社員「鉄道インフラは民間ビジネスという考えに違和感」

赤字ローカル線をどうするべきか。日本各地で官民の議論が始まっています。しかし行政も事業者も責任を取りたくないのか、明確な方向性を打ち出せないまま時間を浪費している印象です。状況が行き詰まる中、JR四国のダイヤ改定に貢献したオランダ鉄道企業の幹部が、高松支局の廣川隆秀記者のインタビューに応じて持論を展開しました。 

「廃線は最悪の選択」「日本の鉄道会社は保守的過ぎる」
欧州において公共交通は税金で維持するのが常識。移動する権利は基本的人権であり、地方の活力を保つために鉄道は欠かせないという考え方が定着しています。国鉄の分割民営化から37年。私たち日本人は鉄道イコール営利事業という固定観念にとらわれていないでしょうか。オランダ人の歯に衣着せない意見が膠着状態を打破する一助になるかもしれません。(浜谷)

◆日常ばかり取り上げたのに、全国に読者が1万人もいた「特異な町」の情報紙/イノシシとのにらめっこや居酒屋の開店情報、新しいバス路線の開通

3.11の事故によって、東京電力福島第1原発があった福島県大熊町の全町民約1万人が県外避難を余儀なくされました。
町の一部だけでしたが、再び住めるようになったのは8年後の2019年。その年から役場の有志が手書きの情報紙の発行を始めました。
情報紙で取り上げたのは、震災で崩れたままの建物が残るなどしていた「特異な町」の日常。記事では情報紙の内容や、執筆者の思い、今年3月に廃刊した理由などを紹介しています。ぜひ読んでみてください。(戸口)

◆「よい教育が、押しつけられてできるのか」…自由でのびのびした小学校は、外部通報を機に管理教育へ舵を切った 学習指導要領に少しでも沿わない独自授業は「不適切」なのか

われわれメディアは、当事者が発表したことをそのまま報じてしまうことがあります。今回は、学校側が発表した「不適切な指導があった」というものです。学習指導要領に沿わない授業があったのだから「不適切だった」というのは、ある意味で正しいのですが、より大きな視点から見て、果たしてその一言で片付けてよいのか。奈良支局の大森瑚子記者は、そこで立ち止まって考えました。

学校側の説明とは反対に、その不適切さこそが自由な校風だったというような声も上がっていました。通っている児童が報道を見て「私って不適切な教育を受けているの?」と母親に尋ねたといいます。私たちの報道が、何かをねじ曲げてしまっていないか―。

反省をふまえ、取材を重ね、改めて記事にしました。毎回毎回、全てのニュースに関して、一歩立ち止まって取材を尽くして長文記事を書くというのは、難しいです。しかし、できるだけ視野を広げて報じなければいけない。改めてそう感じました。(角南)

◆ 中止になったアニメイベント「3カ月あれば準備できる」知事発言が炎上 思惑のすれ違いはビンタ騒動に、来年のGW復活に向けた三つの課題

徳島支局の別宮裕智記者が、県知事交代の余波で中止となったアニメの一大イベント「マチ★アソビ」の経緯を丁寧に紹介した記事です。徳島といえば、阿波おどりなど、地元の大きなイベントがそこに込められた思いや役割をよそに、為政者や行政の都合に翻弄されている印象があります。

別宮記者は、徳島県のタブレット端末故障問題も追いかけており、今度もニュースの本質を分かりやすく伝えてくれるはずです。(中田)

*大きな反響を呼んだ後藤田知事シリーズ第1弾はこちら。

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