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ひとを<嫌う>ということ

『ひとを<嫌う>ということ』中島義道 角川文庫 そもそも著者自身が妻と息子に絶望的に嫌われてて気の毒になったし、さんざん人を嫌い、嫌われてきたからこそ「人を嫌う」ことについてめちゃくちゃ考えてきたんだろうなっていうのが伝わる。 前提として、明らかに自分に危害を加えてくる相手を嫌うのは、その人を「敵」として認識して危険から逃れるためで理由が分かりやすいので、その意味での「嫌う」は省いている。 そうではなく、なんとなく嫌い、ほんのり嫌い、生理的に無理、といった理由がいまいちは

    • 健康・医療心理学Ⅱ第2課題S評価レポート

      『サイコロジカル・ファーストエイド活動の要点をまとめなさい。』 サイコロジカル・ファーストエイド(PFA)とは、アメリカ国立PTSDセンターとアメリカ国立子どもトラウマティックストレス・ネットワーク(NCTSN)によって作成された、災害や事故の被災者および被害者に対して行うことのできる人道的、支持的、実際的な支援を、救援者が必要な部分だけ取り出して使えるように構成されたものである。PFAの目的は、トラウマ的出来事による初期の苦痛を軽減することと、短期・長期的な適応機能と対処

      • 健康・医療心理学Ⅱ第1課題②S評価レポート

        『運動(スポーツ)をすることの意義を、精神的効果・身体的効果・社会的効果の3点について、プラス面とマイナス面についてそれぞれ述べよ。』 社会の発展に伴い、生活における運動量が低下する一方で、安価な食べ物が容易に手に入るために、偏った栄養を過剰摂取するなどの要因から生活習慣病を患う危険性が高まっている。日常的な運動習慣は、病気の罹患率を下げ、心の健康や生活の質を改善させることが分かっており、適切な方法で行うことによって得られる効果は、精神的・身体的・社会的な3つの側面に分類さ

        • 健康・医療心理学Ⅱ第1課題①S評価レポート

          『精神保健の一次予防、二次予防、三次予防についてまとめなさい。』 精神保健とは、心の健康を保持増進することを目的とした学問や活動であり、精神障害の予防や治療だけでなく、QOL(Quality of Life)の向上やウェルビーイング、エンパワメントをもたらす可能性を持ち、人々の発達段階や生活環境に応じて様々な分野において実施される。 精神保健の1次予防、2次予防、3次予防とは、キャプラン(1964)が、もともと公衆衛生の分野で行われていた予防の概念を精神医療に取り入れた予

        ひとを<嫌う>ということ

          人生の法則-欲求の4タイプで分かるあなたと他人-

          はじめに 著者の岡田氏は、大学で講義をする際に毎回生徒たちにアンケートをとっていて、どうやらきれいに4タイプに分かれるということを発見したらしい。でもどうやってその質問内容を決めていったのかなど、発見に至った経緯については書かれていなかったので詳しく知りたいところではある。 各タイプの特徴①司令型 勝ちたい、負けたくない、頑張り屋、しっかり者、礼儀正しい、規律を重んじる、上下関係、社会的地位、序列をとても気にする。 仕事も恋愛も家庭もすべてが対決の場で、その勝敗の判定ル

          人生の法則-欲求の4タイプで分かるあなたと他人-

          生活の科学Ⅱ第1課題S評価レポート

          人間の社会は、文明や文化の発展に伴い、自然環境にも大きな影響を与えている。科学技術の発達によって、大変便利な生活を営めるようになった現代においては、人口増加とそれに伴う過剰消費により、生物の多様性はなくなり、大気を汚染し、公害や気候変動、地球温暖化を生じさせている。私たちが、地球環境に大きな負荷をかけることなく生活していくために心がけるべきことは、エネルギーの節約、食習慣の見直し、ゴミや廃棄物を減らすことなどが挙げられる。 エネルギーを節約するためには、節電や節水、移動手段

          生活の科学Ⅱ第1課題S評価レポート

          健康・医療心理学Ⅰ第2課題S評価レポート

          小児科の心理臨床の特徴小児科における心理臨床の特徴は、対応する範囲の広さ、関わる対象の広さ、特有の雰囲気の3つにまとめられる。 小児科では、0歳からおよそ17歳までの子どもを対象とし、身体疾患や発達障害、不登校、自殺未遂など、多彩な悩みを抱えた子どもとその親に対して心理的な支援を行う。子どもたちは、乳児期から青年期までそれぞれの発達段階ごとに全く異なる問題群をはらんでいるため、その複雑多岐にわたる対応範囲の広さは、小児科領域における特徴のひとつである。その中で心理臨床の役割

          健康・医療心理学Ⅰ第2課題S評価レポート

          健康・医療心理学Ⅰ第1課題S評価レポート

          査定面接とは査定面接とは、来院したクライエントの心理的な問題や状態を把握し、適切な援助方針や治療計画を立てるために行われる、心理査定のうちの一つの方法である。 心理査定では、査定面接や観察、心理検査等の方法を用いて、クライエントの抱えている問題の内容や、その問題に絡んでいる身体的要因あるいは精神的要因、過去から現在までの経験や生活環境、本人の生き方や性格、適応能力、人間関係、ストレス反応といった様々な情報を収集する。それによって本人の内的世界や対外的態度、心理的な問題の程度

          健康・医療心理学Ⅰ第1課題S評価レポート

          皮膚電気活動の特徴と研究動向について

          神経・生理心理学 レポート課題S評価皮膚電気活動(EDA)とは、人間の心理的変化により、皮膚表面に現れた汗から微弱な電気的現象を測定したものである。発汗には、体温の調節を目的とする温熱性の発汗と、高温には反応せず、緊張や興奮、痛みなどの感覚受容器からの反射によって直ちに生じる精神性の発汗がある。温熱性では手掌や足底を除く全身に汗をかき、精神性では手掌・足底・腋窩に汗をかく。このうち、手掌や足底から汗を分泌するエクリン汗腺は、自律神経系の交感神経の支配を受けていることがわかって

          皮膚電気活動の特徴と研究動向について

          脳波の記録方法について

          神経・生理心理学 レポート課題S評価 脳波の記録は電極を用いて測定される。低周波数の脳波成分を対象にした研究では、0.5Hz未満の緩やかな電位の記録に適している銀-塩化銀の電極が推奨される。使用の際、他の材質の金属を同時に用いてしまうと、材質の違いにより電気的なシフトが生じ、緩やかなシフトが脳波に混入してしまい正常な脳波が測定されない。そのため、銀電極を銀-塩化銀電極に変換する処理(エージング)が必要な場合もある。 電極はペーストと呼ばれる電極糊・電極ゲルを用いて頭皮に固

          脳波の記録方法について

          利得最大の原理と公平性原理

          【人間関係論】第2課題第1設題レポート評価S 第10章課題名:自分の日常生活の中でどんな場面で利得最大の原理を強く感じ、公平性原理を強く感じるか、そして二つの欲求を自分の中でどのようにバランスをとっているのか考察せよ。 利得最大の原理 利得最大の原理とは、自分にとっての「得」や「利益」を最大にしようと努力する人間の性質である。これにより人は、金銭的な利益を目的としたり、他者から良く見られることを目的とするなど、自分の得になることを優先し、損になるようなことは避ける、とい

          利得最大の原理と公平性原理

          裁判における目撃証言の証拠能力について

          司法・犯罪心理学Ⅱ第2課題第1設題レポート評価S 裁判において、目撃証言は、被疑者の判決に影響する、非常に重要な証拠となり得るものである。それと同時に、誤った目撃証言は冤罪を生み、さらなる被害をもたらすことにつながる深刻な問題であるともいえる。 冤罪の約7割が間違った目撃証言 アメリカでの「イノセンス・プロジェクト」において、間違って有罪とされた可能性のある人達のDNA鑑定が行われた。その結果、2019年までに367人の冤罪が証明され、そのうち21名は死刑判決を受けてお

          裁判における目撃証言の証拠能力について

          司法・犯罪心理学Ⅱ第1課題第1設題S評価レポート

          犯罪と遺伝の関係を研究するための方法「犯罪行動は遺伝するのか、それとも環境の中で学習されるのか」といった、犯罪と遺伝の関係を研究するための方法として、家系研究、養子研究及び双生児研究がある。 家系研究 家系研究とは、犯罪者を輩出しやすい家系を見つけ出すことによって犯罪の遺伝規定性を示そうというものである。有名な研究としてカリカック家とジューク家の2つが挙げられる。 マーチン・カリカックという男性は、アメリカ独立戦争時の戦地で精神薄弱の女性、そして故郷で上流階級の健常な女

          司法・犯罪心理学Ⅱ第1課題第1設題S評価レポート

          レポート課題S評価「睡眠と覚醒について論述せよ」

           人間は周囲の環境から刺激を受けることで脳に意識が生じる。意識には水準があり、高い水準を「覚醒」といい、意識がはっきりしていて、脳全体が広く興奮し活発に活動している状態や自律神経の変動が大きく、全身の代謝が高まっている状態を指す。この覚醒の意識水準が一時的に下降し、抑制が大脳皮質や脳幹に及び、感覚や反射機能などの生理機能が低下、意識は喪失しているが容易に覚醒しうる状態を「睡眠」という。  覚醒―睡眠の意識水準は、思い切り感覚を研ぎ澄まして緊張している状態から、ぼんやりリラッ

          レポート課題S評価「睡眠と覚醒について論述せよ」

          なぜ涙が出るのか

          ・涙が出る理由は3つ ①目を保護するため 目を乾燥や細菌から守る→基礎分泌。 涙にはタンパク質が含まれており、目の表面に供給している。 ②直接的・間接的な刺激が原因 ほこり、玉ねぎの催涙成分などが直接的な刺激になり、涙が出る →反射性分泌、刺激性分泌 ③情動性分泌 悲しい、うれしい、大笑い、怒り、感極まった時など、心身への大きなストレスが刺激となり自律神経が作用して涙が出る。 ・人間は涙を流すことでストレスを解消している。 玉ねぎを切った時に出た涙と、感情が高ぶった時

          なぜ涙が出るのか

          人間関係の成立

          人間は快感情をもたらす(気持ちいい)ものに近づき、不快感情をもたらすものから遠ざかる性質があります。 なので人間関係の場合は、好きな人と付き合い嫌いな人から遠ざかることが基本になります。 では、この「好き」とか「嫌い」という気持ちはどこから来るのか。 社会心理学では、3つの理論(強化理論、交換理論、公平理論)と2つの原理(利得最大の原理、公平性原理)から説明されています。 ①強化理論 基本的に人は何らかの報賞を与えてくれる相手を好きになります。その人と一緒にいることで何

          人間関係の成立