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なぜ涙が出るのか

・涙が出る理由は3つ

①目を保護するため
目を乾燥や細菌から守る→基礎分泌。
涙にはタンパク質が含まれており、目の表面に供給している。

②直接的・間接的な刺激が原因
ほこり、玉ねぎの催涙成分などが直接的な刺激になり、涙が出る
→反射性分泌、刺激性分泌

③情動性分泌
悲しい、うれしい、大笑い、怒り、感極まった時など、心身への大きなストレスが刺激となり自律神経が作用して涙が出る。

・人間は涙を流すことでストレスを解消している。
玉ねぎを切った時に出た涙と、感情が高ぶった時の涙の成分を比較したところ、感情が高ぶったときの涙の方がタンパク質の含有量が多かった。
涙を流すときに副交感神経が働いて、激しく高ぶった心身をリラックスさせている。

「ストレスの原因となる物質を排出している」
あるいは「ストレスを解消する物質を分泌している」
涙は自律神経と強く結びついていて、感情によって急激に交感神経が優位になった状態を落ち着かせようとして、副交感神経が働くと同時に涙腺が刺激され涙が流れる。

・「痛み」「悲しみ」
神経の命令の他、顔の筋肉がいつもと違う伸び縮みをするために涙腺が押されて涙が出ることもある。

・「笑い泣き」
「笑う」と「泣く」は大脳辺縁系で一部同じ回路を伝わっている。

・「感動」
涙腺は三叉神経(視神経が交差する所)、交感神経、副交感神経がコントロールしていて、感情が激しく変動するとそれらが涙腺を刺激する。

・感情の種類によって涙の「味」が変化する。
うれしいときや悲しいときは副交感神経が働き、水っぽい涙が出る。
悔しかったり腹が立ったりすると交感神経が働いて、しょっぱい涙が出る。

・「もらい泣き」
脳の前頭前野が働くことで他人の気持ちに共感できる。
人は自分以外の誰かの心情に共感して「もらい泣き」をする。
それは目の前の人だけじゃなくて、映画やドラマといった自分で体験していない物語にも同じことが起こり得る。
共感力が高い人ほど他人の体験を自分事のように感じる。

・女性は泣きやすい
涙が出るのは「プロラクチン」という女性ホルモンが原因であることが、近年の研究でわかってきた。男性もプロラクチンを分泌するが、女性のほうが多く分泌するため、涙もろくなると考えられている。

・泣く心理

理由1:悔しさ。不甲斐ない自分に腹が立っている。
理由2:心理的ショック。人に怒られるなど強い感情をぶつけられ、反射的に心は強いストレスを感じ、不安定になる。
理由3:うつ病のサイン。なんで泣いてるのか自分でもわからない時など、疲れが溜まってストレスを抱えている。隠れた問題がある。
理由4:心が判断して、泣いてスッキリしようと思っている。

・涙もろい人の特徴

特徴1:素直で喜怒哀楽がハッキリしている。
特徴2:打たれ弱い、他人の反応に敏感、いつまでも引きずる。
特徴3:共感力が高い、思いやり、情にもろい。
特徴4:感受性豊かで感情移入しやすい。
特徴5:見栄っ張りで一人で抱え込みやすい、うまくストレスを発散できない、うまく人を頼れない。

・すぐ泣いてしまう原因

原因1:ストレスが慢性的に溜まっている。張りつめている気持ちがふと切れたときに涙へと変わる。
原因2:癖になっている。感情処理の方法が「泣くこと」になっている。
原因3:思考パターンがマイナス思考、ネガティブ思考、自虐思考
原因4:負けず嫌い、理想が高い、ストイックで悔しさを感じやすい。

・改善方法

改善法1:知らない間に溜まっている感情をガス抜きするように、たまに感動するドラマや映画を鑑賞して涙を流す。
改善法2:ストレスを溜め込まないように日頃から発散しておく。
改善法3:健康的な生活を心掛けることで心も健康になる。食事、睡眠、運動。

・優しくされると涙が出る

ずっと一人で我慢してきたり、ずっと一人で頑張ってきたり、または疎外感を感じている時などに優しくされると、「自分という存在が認められた」「理解してくれている」「ずっと一人かと思っていたけど、実は一人じゃなかった」「許された」などの感謝・感動で我慢の限界からの緊張がほぐれて涙が出る。

・本音を言うと涙が出る

子供の頃の経験から、他人軸で生きることを覚えてしまった。
本音を言うたび怒られたり、否定された経験があると、本音を言うことにブレーキをかけてしまう。

理由1:本音を言うことに慣れていない。
・感情を表に出す戸惑い

対処法:本音を言うことに慣れるように少しずつ練習する。
信頼できる人に話す。文章で書く。

理由2:いつも他人を優先してきたので自分の本音がわからない。
・抑えていた感情が溢れる
普段から誰かに合わせることが多く、空気を読みすぎて自分の行動や考えを抑え込んでいる人、何かを決める時、「自分がどうしたいか」より「みんなはどうしたいか」を優先する人は、『自分の本音そのもの』が大きなストレスになっている。
「本当は悲しいのに、笑顔でやり過ごす」
「本当は怒りたいのに、笑顔で耐える」
など、表情と気持ちがバラバラな状態に慣れてしまっていると、本音を言う=表情と気持ちが一致する状態にストレスを感じて涙が溢れてしまうのです。

対処法:自分の本音を見つけること。一人の時に「自分はどうしたいのか」「自分はどんな気持ちなのか」自分と向き合ってみる。

理由3:過去の経験から「言わない方がいい」と判断する。
「本音を言わない方がいい」
「自分の考えは言わない方がいい」
「みんなに合わせなきゃいけない」
と思った経験がある。

・悲しくないのに涙が出る

原因1:仕事のしすぎ→疲労が限界にきていると身体がサインを送っている。
原因2:ストレスの累積→ストレスが許容量を超えて溢れていることに自分が気づいていない。
原因3:うつ病の症状
原因4:ホルモンバランスの乱れ
原因5:感受性が豊か→刺激を過剰に受けてしまう。

おわり

怒り、悲しみ、不安、恐怖など瞬間的に強い感情を感じた時、人体には涙を流すことによって平常状態に戻そうとする働きがあります(=心の恒常性)。
涙を流すこと自体は悪いことではなく、脳が発達した人間が持つ生存のために必要な機能であって、気持ちをリラックスしたり落ち着けたりしてストレスを発散する効果があるので、むしろプラスの効果があると考えていいと思います。

ただ、なんで涙が出てくるのかよく分からないという時は、自分自身が心の負担に気づいていないということです。小さい頃からの様々な体験から学習した思考パターンがストレスを抑える、我慢する癖をつけてしまっているのです。
それも無意識でやっているため、溜まっているストレスに自分でも気づかない。
普段から気を張っている人や本音を押し殺して生きている人などは、ふとした時に誰かに優しくされたり本音を言おうとした時に、自分の意志とは関係なく涙が溢れてくるというわけです。
涙が出たことで、いつも我慢していることに気づくきっかけになるかもしれませんね。
幼い頃に染み付いた思考の癖や心の傷はもしかしたら一生治らないかもしれません。ですが、自分の心が抱えている問題と向き合うことで自分を大事にすることができると思います。

他人に自分の心は分かりません。
周りに合わせるのも疲れるし。
他者理解って本当に難しい。。。
たまには泣いて、まずは自分に優しくなりましょう。

強くなる必要なんてないです。

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