先輩も巻き込んじゃえ

 あの人先輩だけどどうも周囲と合わないんだよな。でもスキルとしては僕も素晴らしいと思うから、この人を巻き込めたら自分の成果も上がると思うんだけどな。
 でもかといって周囲の人から浮いてしまうのも怖いよな。
「この資料なんだけど、もっとデザイン考えた方が良いと思うよ。」
 今自分がPCで開いているのを見て、なんの柔らかさもなく伝えてくる。ちょっとイラっとするけど、今関われないかな。
「じゃあどうしたら良いと思いますか?僕こういうのちょっと苦手で、ちょっとだけ時間頂いて教えて頂くことは出来ないですか?」
「あっ良いよ。すぐに出来るからさ。」
 そうか、この人の得意分野で頼ることをしてみれば上手くいくかもしれないな。ちょっと実験的にやってみるか。
「ほらこんな感じでさ、さっきより僕は良くなったと思うのだけどどうかな?」
「おー、すごいですね。こんなに早くこんなに良くなるんですね。」
「いやちゃちゃっとやっただけだよ。」
「いやそれが素晴らしいと思いますよ。また教えてもらっても良いですか?」
「うん、時間が空いてる時だったらいつでも。」
 そうか、この人も相手に認めてもらったら嬉しいわけだから、そこをちょっと意識して協力し合えないかな。誰しも認められたい欲は大なり小なり持っているもんだもんな。
 よし、少しずつ関係構築していくか。それにあまりに言葉を選んでいない時はちょっとそういう言い方をされると僕は傷つきますと、相手が納得出来るように言えば良いのだから。まずは実験だ。

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