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【noteで学ぶ腸内細菌21番外篇︰二人に一人が感染している『ヘリコバクター・ピロリ菌』】

 こんにちは(o・ω・o)カエルです。

  
 お久しぶりの『細菌学』です。
 
 私事なのですが、先日健康診断を受けたら医師の方から、
 
「たぶんピロリ菌に感染しているから、40代になる前に早めに除菌治療受けてね。一度除菌治療受けたら大丈夫だから」
 
 と言われ、
 
(蛙・ω・)<ほーん? ピロリ菌……よく分からん。
 
 となりました。
 
 なので調べて学んでみました。
 
 noteを読んでるあなたも、50%の確率で感染している可能性があります。
 
 世代もあまり関係ありません。現代日本の20代は25%以上の確率で感染しているかもしれないので、せっかくなので読んでいってくださいね!
 
 ピロリ菌に感染していると、胃周りの病気にかかるリスクが高くなることが解っていますので!
 
 
 という訳で『ヘリコバクター・ピロリ菌』に詳しくなってみよう!(o・ω・o)

 

■ピロリ菌てなに?

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ヘリコバクター・ピロリ:Helicobacter pylori

ヒトの胃の中にいる細菌。
1983年にロビン・ウォレンとバリー・マーシャルにより発見された。
 
鉄すら溶かす、胃液に含まれる塩酸(pH1)の強酸性の環境でも死滅しない細菌。
※ヨーグルトに含まれているビフィズス菌など、普通の細菌は、胃液通過時にそのほとんどが死滅する
 
ピロリ菌が胃酸の中でも死なないのは、『ウレアーゼ』という酵素をピロリ菌が生成して自身を包んでいるため。
ウレアーゼで胃粘液中に含まれる尿素を、アンモニアと二酸化炭素に分解する。そのアンモニアで局所的に胃酸を中和し生き延びており、胃の表面に定着、感染している。

 
 このピロリ菌の発見で、『動物の体内環境に合わせて自身を変化させる細菌が存在することが判明した』という事実があり、そういう側面においては科学の進歩に貢献しているのかもしれない(o・ω・o)圧倒的に害の方が大きい訳ですが。
 
 
□ピロリ菌の感染経路
 
 幼少期に、「汚れた水を飲む」や「口を介した感染(例えば親とのキス、食べ物の口移し等)」で感染すると考えられています。
 
 大人になってからはほとんど感染することがないらしく、大人は除菌治療を受けるとその後感染することはほとんどない。とのこと。
 
 幼少期に感染しやすいのは、「免疫力や胃酸が弱い」という体内環境に依存しているから。ということらしい。
 
 
 上下水道が十分に普及していなかった世代の人の感染率が特に高く、団塊世代以前の感染率は約80%と言われています。
 
 
 

 

■ピロリ菌による健康的被害

・慢性胃炎
・胃潰瘍
・十二指腸潰瘍
・胃癌
・MALTリンパ腫
・びまん性大細胞型B細胞性リンパ腫
・特発性血小板減少性紫斑病
・小児の鉄欠乏性貧血
・慢性蕁麻疹
・その他胃外性疾患の原因

 の原因になっていることが既に判明している。
 
 ただし、「ピロリ菌に感染していないにも関わらず、胃炎になった」という人は、『ヘリコバクター・ハイルマニイ』に感染している可能性がある。とのこと。
 
 
(蛙・ω・)<健康診断時に医師が「40代になる前に除菌しろよ〜」と言ってたのは、40代から胃癌発症のリスクが急激に増加するから。らしい。
 そしてその原因になっているのは当然、『ピロリ菌』
 
 

■胃癌はピロリ菌による感染症

 ピロリ菌に感染していない場合、「胃癌になることはない」とのこと。
 つまり、
 
ピロリ菌感染者だけが胃癌を発症する

 という事。
 
(蛙・ω・)<マジか……。
 
 しかし、ピロリ菌感染がないのに発生する胃がんに「胃食道接合部がん」がある。
 
(蛙・ω・)<マジか……?!
 
 胃酸はストレスによっても分泌が促され、過度に分泌された胃酸が胃から食道のほうに逆流すると、逆流性食道炎を誘発する。そして食道の粘膜に傷がつき、それを背景にがんが発生しやすくなる。
 
 また、肥満が原因で、腹圧が上がるので胃酸の逆流が誘発され胃食道接合部がんが発症する。
 つまり、
 

✅ストレス・肥満が原因で逆流性食道炎になると、その先に胃癌(胃食道接合部がん)がある
 
 という事。
 

 

■『胃炎』『胃・十二指腸潰瘍』

「ストレスで胃がキリキリする」
 
 みたいなこと言いますよね。胃液が胃の壁に穴を空けてしまうやつです。
 
 ピロリ菌が原因になることもあります。
 大塚製薬(敬称略)が制作した動画に分かりやすいものがあったので、引用します。


 ピロリ菌の説明において、「ピロリ菌が胃酸の中でも生き残れるのは、酵素でアンモニアを作り出して胃酸を分解するから」と書きましたが、この『アンモニア』が、胃の粘膜を破壊し、出血が起こります。
 さらに、傷付いた胃の粘膜にストレスなどの外的要因の負荷がかかることで胃の粘膜の修復がされず、炎症が悪化し、胃液や潰瘍、そして胃癌に発展していく。
 
 のだそう(o・ω・o)怖い。
 
 


■ピロリ菌の除菌治療

ピロリ菌の検査


 内科で検査・除菌治療が可能です。保険適用です。
 
 
ピロリ菌検査から除菌治療の流れ

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除菌治療の内容

除菌療法には、
 
・カリウムイオン競合型アシッドブロッカー(P-CAB)またはプロトンポンプ阻害薬 (PPI)
・抗生物質2剤(アモキシシリン (AMPC)
・クラリスロマイシン (CAM))
 
を組み合わせた「(P-CAB or PPI) + AMPC + CAM」の3剤併用療法で、3剤を7日間服用する。

これが一次治療。
除菌の成功率は80%です
一次除菌療法にて除菌が失敗した場合、
 
・クラリスロマイシンをメトロニダゾール (MNZ) に変更
 
「(P-CAB or PPI) + AMPC + MNZ」の3剤併用療法による二次除菌療法が行われる。
二次治療までが保険適応となっている。
 
除菌の成功率は98%です

 
 
 1週間の除菌薬服用で、8割は成功します。
 もし失敗だった場合、二次治療が行われます。
 一次、二次の除菌治療で、98%除菌が成功します。

(蛙・ω・)<めっちゃ簡単なんだな。

 
 1週間〜2週間の治療で、胃癌・胃炎・胃潰瘍などの原因が取り除けるのなら、かなり安い出費。
 
 実は、カエルの父親は胃癌が原因で亡くなりました。
 胃を全摘出した後、がんが全身転移し、身体が衰え痩せ細り、毎日苦しみながら、ガリガリに痩せコケて亡くなったのを覚えています。
 
「癌って怖い病気なんやな」
 
 と感じた訳です。
 
 癌治療は医学と科学の進歩により、「死」から遠退いています。
 ですが、日本人の死因の第1位が「癌」であることも紛れもない事実。
 
 胃の中のピロリ菌を除菌することで、癌リスクを1つ潰せるのなら、除菌しないという選択肢はないですよね。
  
 
 
 

 と言う感じでピロリ菌の解説でした(o・ω・o)勉強になったなぁ。
 
 いかがでしたでしょうか?
 このnoteの知識があなたのお役に立てれば幸いです。
 今後も細菌や腸内環境に関してのnoteを書いていきますので、読んでくださると嬉しいです。
 
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 それではまた~(o・ω・o)ノシ 


【参考資料】
ヘリコバクター・ピロリWikipedia
ピロリ菌感染症 胃がんは感染症です!
ピロリ菌がいなくてもなる「胃がん」が増加中
ピロリ菌が原因の病気/大塚製薬
 

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