興味深い価値観を得ることができた漫画を紹介する回『僕の奥さんは人間だ』
(蛙・ω・)<面白い漫画というものは世に溢れているワケで。自分の好みに合う作品と巡り会うというのはとても素敵な事だと思う訳です。
時にそれが倫理的にグレーなラインだったとしても、読んだ後に自分の価値観を広げる事に繋がったのであればその読書体験は他では代替出来ない貴重な経験値であると言えます。
❑小丸ひかり/僕の奥さんは人間だ
・ざっくりあらすじ
175万種以上存在する生物が種族に関係なく番になる世界。
夫：ゴリラで会社員のデコ太（26）と
妻：人間でアニマル心理学研究家のカエデ
が多種多様な生物の求愛行動をテーマに人間関係の向上等を研究する（という体で基本的にいちゃつく）漫画。
１巻では、
ゴリラ・クジャク・ハイイロオオカミ・イヌ・キリン・イベリアトゲイモリ・ヤマアラシ
の求愛行動に焦点を当て、デコ太とカエデが動物の求愛行動を実地体験（意味深）する。
(蛙・ω・)<いろーんなマンガが読める昨今、異種間交流、恋愛、を描く漫画は数多く存在するけれど、『求愛行動』という１点をブラさずにキャラクターの心理変化や社会との繋がりを描いた漫画はこれまで見かけなかったように思う。
例えばBEASTARSの様に『異種間恋愛』や『弱肉強食』を描いた、ある種のグロテスクさを孕んだ漫画はあったけれど（そして最高に面白い）
妻が研究者で、夫が研究対象兼研究協力者であるという設定は興味深い視点。
ただし前述のとおり倫理的にグレーな、いわゆる性的描写も一部あるため、ある程度読者を選ぶ作品とも言える。
虫圭は濫読な質なので、ホラー・スプラッタ系以外ならほとんど問題無いが、気になった方は前提として全年齢対象ではないという事だけ覚えておいてほしい。
なお、１話から一部最新話まで無料で読む事が出来るのでお試ししたい方は以下のリンクからドウゾ。
単行本は現在１巻が発売中。
(蛙・ω・)<なお、作者様の過去作も尖ってて惹かれるものがある。
❑小丸ひかり/盲目少女とハンディーボーイ
(蛙・ω・)<ジャケットのビジュアルがもう強い。四肢欠損、残酷描写が一部あり。
※スプラッタとかじゃない
❑小丸ひかり/レッドベリー
『僕の奥さんは人間だ』のキャラクター原案はココからかな？
人間がマイノリティな世界で自由恋愛の権利を勝ち取る為に闘う女性の話。
（人間がマイノリティっていう"ヒト対その他"という意味ならリアルもそうだけど）
(蛙・ω・)<作者様の感性の尖り方とプロ編集からスカウトされるのも納得の、次の頁を読みたくなるエンターテイメント性を持つ漫画である。
小丸ひかり氏、きっと有名になるんじゃなかろうか。ヤンマガWeb（講談社）というのも虫圭個人的には熱いし。
(蛙・ω・)<……。個人的な感想として『僕の奥さんは人間だ』は月刊アフタヌーン掲載向きな気もしなくもない。今の作品以外を描くときが来ることがあれば、是非尖りまくった漫画をアフタヌーンで描いてほしくもある。
(蛙・ω・)<この漫画で新たな価値観を得たかもしれない。人の価値観に影響を与えられるコンテンツは大変面白い（興味深い）。
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