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2023年の世界の中での日本の動きのまとめ!:岸田外交を斬ったり、斬らなかったり


当note記事では、世界のニュースを分析しながら、世界の動きを大まかに理解して、日常生活や投資活動に役立てようとしています!この記事を読めば、2023年に起きた外交上の出来事の「点」と「点」がつながり、「線」としてひとつの大きなシナリオが見えてくるはずです♪

2023年も年の瀬が近づき・・・岸田政権も崩壊間近・・・笑

世界のなかにおける今年の日本の動きを、当note記事で取り上げた話題を中心に振り返ってみる。

2023年以前

まずは、「2023年」を迎える直前の状況はどんなのだったかを振り返っておこう。

以前は「検討使」と言われ、「検討します」以外にあまり目立った行動がなかった岸田首相であるが、2022年夏に安倍晋三元首相が暗殺されてから、「覚醒したような動き」をいくつかみせていた。

一つは防衛費の増額決定。これにより、防衛関連企業の株価がうなり登りとなった時期があった。

もう一つは「反撃能力」の策定。以前の日本ではなかなか考えにくかったことだが、トマホークの購入も決めた。

ロシア・ウクライナ戦争が泥沼化するなか、岸田首相はひたすら反ロシア・親ウクライナの立場を続けていた。そんな流れの中、2023年を迎えた・・・

2023年前半

2023年前半の外交における最大のポイントは、なんといってもG7広島サミットであった。岸田氏の地元ということもあり、政権としても力を入れていたことであろう。

まして、ロシア・ウクライナ戦争が進行中という「激動の時代」のG7、個人的にも注目していた。

2023年の前半、岸田首相は全てG7への下準備としての外交を重ねていた。いまとなってはすっかり忘れられているがw、岸田氏はキーウを訪問し、戦時下の外国を訪れた初めての日本の総理大臣となった

そして、G7広島サミットでは、戦時下の大統領を訪問させるということもやってのけた。

ここまでは、岸田さんの総理キャリアとしての「黄金期」だったと言えるだろう。

日本ではほとんど報道がなかったが、実は岸田さんは「世界の100人」に選ばれたり、「TIME紙」の表紙になったりしていた。だれも知らんでしょ!?w

夏ごろには、「減税」発言も出て、「解散する」やら「解散しない」やらの話題も出た。もしも岸田さんが総理を続けたいと願うならば、ここで「大減税をうたっての解散総選挙」で勝負に出るべきだったと思う。そうすれば、レームダック化している現状とは、少し状況が異なったかもしれない。

もとい、2023年の前半は、主にG7広島サミットに全てが収束する流れを持っていたが、「自由で開かれたインド太平洋」戦略においても、安定的な動きをみせていた。その「キャリア・ハイ」ともいえるイベントは2023年後半に訪れる。

閑話休題:日本外交の目的

さて、2023年の後半の話題に触れるまえに、ごく基本的なことを振り返っておきたい。

いまの日本外交の中心は、「自由で開かれたインド太平洋」戦略にある。

海洋国家であり、貿易大国である日本にとって、インド太平洋地域の自由と安定は死活問題だ。いますでに物価が高騰して国民生活は紛糾しているけれど、インド太平洋地域の日本の貿易ルートに混乱がおきれば国民生活への影響はさらに甚大である。ガソリン価格なんて10倍になってもおかしくないレベルだろう。

だからこその「自由で開かれたインド太平洋」戦略なのである。むりやり身近なところに落とし込むとするなら、「これ以上の物価高を防ぐための、自由で開かれたインド太平洋戦略」。

そして、この「自由で開かれたインド太平洋」戦略は、実はアメリカの世界戦略を補完するという形も持っているのである。

世界の海を今なお支配しているアメリカ合衆国であるが、その力は弱まりつつある。アジア地域では中国の台頭がめざましく、もはやアメリカ一国ではその優勢を保てなくなってきている。QUADメンバーであるインド、オーストラリアや、TPPで太平洋に回帰したイギリスとともに、従来の国際秩序と安定を維持していく・・・それが、自由で開かれたインド太平洋戦略のもう一つの本質である。

これをふまえたうえで、2023年後半のできごとをみていこう。

2023年後半

後半の外交上の大きなできごとの一つは、国連総会だろう。ここでは、日本の常任理事国入りを目指した攻防が繰り広げられた。

そして、日本ではほとんど報道されなかったけれど、「自由で開かれたインド太平洋戦略」を推し進めるという観点において、岸田首相の「キャリア・ハイ」の出来事なのではないかと思うのが、日本の総理大臣として初めて、フィリピン議会で演説をしたということである。

これはマジですごい出来事だと思うのだが、ほとんど報道がないのは、マスコミにこの意義を理解できる人が少ないから・・・??安倍元総理のアメリカ議会での「希望の同盟」演説もそうだったが、日本の世界戦略に決定的な影響を与えうるできごとは、きちんと報道して欲しいと常々に思う。

ASEANは、自由で開かれたインド太平洋における「ど真ん中」の国々である。QUADは明確に「日本の仲間」と言える存在になったが、ASEAN諸国は米中のあいだで揺れ動き、「仲間」と呼べるべき国はあまり多くない。そんな中、ASEANの大国の一つであるフィリピンで、日本の現職総理が演説をする・・・この戦略的意義たるや、計り知れない・・・

この件については、素直に賞賛したいと思う。

その他、細々とした出来事もいろいろあり、2023年も暮れてゆく・・・ロシア・ウクライナ戦争は依然として終結の目途がたたず、イスラエルでの紛争も拡大の可能性もみせている・・・

岸田政権後、優れた政治家の出現を願う

ということで、「外交」という観点でのみまとめてみると、戦時下のウクライナ訪問、G7広島サミット、国連総会、そしてフィリピン国会での演説など、岸田首相はまずまず安定的に「自由で開かれたインド太平洋」戦略の推進に尽力してきたのではないかと思う。

マスコミの報道はだいたいネガティブなものに偏るので、広く知られていなかった報道もあるだろう。ここにまとめたものだけをみれば「あれ?岸田さんって実は凄かったんじゃね?」となるかも知れない 笑

実際に、素人の国際情勢ウォッチャーである私からみて、岸田外交はなかなか良かったと思う(外交・安全保障に限る)。

一方で、内政では問題が多すぎた。この物価高の情勢下で、凄まじい勢いで隠れ増税が進むし、期待した「減税」もしょぼすぎてもはや批評にも値しない・・・挙句、昨今話題の裏金問題。。。文通費の問題もどうなったのやら。

岸田政権はもうもたないだろうが、それに代わる人材もなかなかいないのが悲劇である。野党も十分に育っているとも言い難く、せっかく外交においてはわずかな光が見えてきたにも関わらず、日本の政治は暗い時代が続くのかも知れない。

大局的かつ戦略的に物事を判断することができる、真に優れた政治家をみてみたい、そんな2023年の年の暮れである。

(画像は写真ACから引用しています。)




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