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中露首脳会談にウクライナ訪問をかぶせる岸田首相はなかなか面白い

今年のG7議長国であるにも関わらず、G7の首脳の中で唯一ウクライナを訪問することができていないという、「みっともない状態」になっていた岸田首相であるが、インドのモディ氏と会ったあと、ポーランドを経由してウクライナに入ると報道があった。

ま裏で中露首脳会談をやっているタイミングにぶつけるのが、もしも岸田首相自身のアイデアだとすれば、なかなか面白い決断だ。

こういう情報を、キーウ到着前に漏らしてしまう日本のマスコミ及び政府関係者も問題であるが、中露首脳会談をやっている最中というタイミングを考えれば、なかなかロシアも迂闊なことはできないだろう。

これは久々に「おっ」と思えた日本外交である。

大局を見失わないために、今の日本が行うべき道筋を改めて整理しておくと。。
①G7諸国と歩調を合わせ、次時代の戦勝国側に入ること。
②そのための基軸である自由で開かれたインド太平洋戦略を推進すること。
③自由主義陣営のアジアのリーダーとして、調整役を担うこと。

だいたいこの三つを守っていれば、21世紀の日本はまずまずいいところに行けるのではと思う。

とくに、③は重要である。アメリカや欧州に自分らの都合と価値観を押し付けられて辟易している国は多い。インドや東南アジア諸国にも、「アメリカに言われるのは癪だが、日本が言うことだったら聞いてやらんこともない」というノリの国は多く、そういうところでこそ日本はリーダーシップを発揮するべきだ。

当初は検討士などと揶揄された「何がやりたいのかよく分からん」岸田氏であったが、安部氏亡きあとの動きには、時に目を見張るものがある。特に、①~③の路線をしっかり踏襲して危なっかしいなりにまずまず堅実に進めている点では評価している。

キーウを目指す前に、インドを押さえている点も評価したい。

韓国との画期的な取り組み、ドイツ首相との協議、そして「自由で開かれたインド太平洋」を推進する新たな戦略――2週間でこれだけの実績だ。岸田首相のビジョンは、絆を深め、抑止力を高め、経済を発展させるものである

エマニュエル駐日米国大使

アメリカ大使もこのようにツイッターで述べている。・・・というか、岸田首相のビジョンではなく、もともとは安部晋三元首相のビジョンなんだけどね。

(記事アップ後に追記)

そして、この岸田氏のウクライナ訪問に対するロシアの見方が面白い。

「日本は過去30年間、ロシアにとって重要な友好国であり、戦略的な投資家になる意思を示し、驚くべき展望を開いた」
「ロシアを支持し、対ロ制裁の解除に備えていたのも主要7カ国(G7)では日本だけだった」
「投資家でありハイテクの世界的なリーダーを失った」

上記記事より

ロシアからみたらそう見えるのか・・・


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