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今さら聞けない日本の世界戦略①:世界の大まかな構造を分かりやすくまとめてみる!

・・・という大層なタイトルをつけてみたが、当方、単なる素人の政治経済ウォッチャーです。すいません 笑

さて、そもそも日本に「世界戦略」なんてあるの!?

というのは当然の疑問であろう。テレビのニュースやワイドショーを見ている限り、どう考えても日本政府はアホだし、政治家は居眠りばかりしていて働いているように見えない。

けれども、実はあるんです・・・「日本の世界戦略」。本日は、日本の世界戦略について、初心者向きにまとめてみる

21世紀の日本の世界戦略の基盤:自由で開かれたインド太平洋

このnoteで何度も繰り返してきたように、21世紀の日本の未来を決める最も重要な世界戦略とはすなわち、「自由で開かれたインド太平洋構想」である

自由で開かれたインド太平洋構想って何?と思われた方は、以前にまとめた「今さら聞けない自由で開かれたインド太平洋」をごらんいただきたい。

「自由で開かれたインド太平洋構想」が何故重要なのか、これをかみ砕いて完全に理解するには、実はけっこう時間がかかる。というのも、私自身もそれが日本にとって極めて重要な戦略であることに気づいたのは、かなり時間が経ってからであった。

「自由で開かれたインド太平洋って重要なんだな~ふーん・・・」という感じで世界のニュースを見ていると、色々なことがリンクしてくることに気づく。たぶん、その気づきが重要なのだ。だからとりあえず、「自由で開かれたインド太平洋構想は重要!」と丸暗記しておくことをお勧めする。期末テストに出ます 笑

とはいえ、以下記事では多少なりともその重要性を気づいていただけるよう話を進める。

世界のより大きな構造:米中新冷戦

米中新冷戦」という言葉がある。これはさすがに、どなたもが耳にしたことがあるだろう。

現在の世界情勢の最上位階層にあるのは、「自由民主主義国家 VS 権威独裁主義国家」という構造である。その中のメインのバトルフィールド(主戦場)となっているのが、米中新冷戦である。

たぶんほとんどの日本人の認識は甘く、多くの日本人の想像以上に米中はガチンコで競っている。リアルな戦闘が起こっていないから想像がつきにくいのだが、「冷戦」の本質は、「チーム分け」であり、「陣取り合戦」である。

すなわち、米中新冷戦とは、アメリカをリーダーとする「青組」と、中国をリーダーとする「赤組」のどちらにつくか、というのを競うことである。矮小化した例えであるが、たぶんかなり本質を突いていると思う。

青組とはすなわち自由民主主義国家陣営であり、赤組とはすなわち独裁・権威主義国家陣営である。2022年8月現在悲惨な戦闘が続くウクライナ戦争も、ある意味ではこの自由民主主義国家VS独裁・権威主義国家という側面を持っている。ロシアは赤組であり、ウクライナは青組に入りたがっている。そしてウクライナでの悲惨な戦闘と平行して、米中新冷戦は続いている。

これは筆者の妄想ではなく、アメリカNo.3のペロシ下院議長も述べている。

ペロシ氏は(中略)、「世界は民主主義か独裁主義かの選択を迫られている。台湾の民主主義を守るというアメリカの決意は揺るがない」と述べた。

BBC News

曰く、「世界は民主主義か独裁主義かの選択を迫られている」

ほらね。


青でも赤でもない国々

さて、世界情勢を「青組」「赤組」というあえて矮小化した例えで示した。青組はアメリカを始めとするG7諸国が主要メンバーであり(日本はもちろんこちら)、赤組は中国・ロシアをはじめとする独裁的国家が主要メンバーであるが、実は世界には「青組」にも「赤組」にも属していない国々がたくさんある。アフリカ諸国、南米諸国、中東、インド、そしてASEANなどである。

そしてこれらの「青でも赤でもない」国々のなかで、人口も多く、21世紀に最も成長するであろうと目されているのが、インドとASEAN(東南アジア)である。インドとASEANへの投資は、30年50年スパンで大きなリターンを生むであろう。もっと俗っぽい(いやらしい)言い方をあえてすれば、インドとASEANをとった者が、21世紀に大もうけする。

逆に言えば、このインドとASEANが、「青組」につくか、「赤組」につくか、それによって21世紀の世界の命運が決まると言っても過言ではない。それくらい、インドとASEANは重要な地域である

ここで、最初に述べた「自由で開かれたインド太平洋戦略」の登場である。自由で開かれたインド太平洋・・・インド太平洋・・・インド太平洋・・・インドとASEAN入っとるやないか!!!

ということなのである 笑

すなわち、「自由で開かれたインド太平洋」戦略の1つの主旨は、21世紀の成長センターであるインドとASEANを、しっかり日本の仲間にしておきましょう!ということだ。日本が経済大国として生き残れるかどうかの生命線・・・まさに、自由で開かれたインド太平洋とは、そのためのものなのである。

「青組」のなかの日本の重要性

そして今や、世界の中における日本の重要性は高まっている。さきほど述べた「青組」の主要メンバーは、G7を中心とする西側諸国である。そしてG7の中で、唯一のアジアの国が日本である。このことの重要性に、日本人はもっと気づくべきだ。

インドや東南アジア、そして中東には、アメリカや欧州に言われるとムカつくけど、日本だったら話を聞いてやっても良いという国々が存在する。特にウクライナ戦争でロシア寄りの立場を取るインド・・・立場上、アメリカはインドと仲良くしにくい部分があるが、日本はその間に入りやすい。インドという「世界最大の民主国家」を、青組に引き入れることは難しくとも、赤組に入らないよう引き留める錨(いかり)としての役割を、日本は果たすことができる。

かつて欧米にフルボッコにされた日本だが、今や欧米がアジアのリーダーとしての日本の役割に大きな期待を寄せている。自由で開かれたインド太平洋構想がうまくいくかどうかは、すなわち日本のアジアのリーダーとしてのかじ取りが上手くいくかということに直結しているのである。

(画像は写真ACから引用しています)

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