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COP26での石炭叩き:日本は環境後進国なのか?

石炭」についてはたびたびテーマにしているが、あまり読んでいただけない傾向がある・・・さもありなん、「石炭」って聞いても、何もワクワクしないw

けれど、「石炭」という切り口で世界を俯瞰すると、普段とは全然違う切り口で世界が見えてくるので、しつこく記事にしてみている。実は、けっこう面白いんです!笑

今回はCOP26で日本が環境意識に遅れているという、「化石賞」が送られたという話題についてである。

日本は本当に環境意識で遅れているのだろうか?

そして、石炭禁止連合にアメリカも参入して、G7で日本孤立、日本ピンチ!という報道もある。

日本は本当にピンチなのだろうか?

石炭をめぐる世界の動き

まずはじめに、日本の二酸化炭素排出量は世界最低レベルである。なのに日本を叩くというのはフェアではなく、単に「石炭=悪」のレッテル貼りに基づくイメージ操作に他ならないと思う。

ましてや、日本の石炭火力発電は極めてクリーンであり、中国が大量増設している石炭火力発電とは比較にならない。

まあ言うなれば、環境を巡る情報戦に負けているという状況である。

ここで、石炭を巡る世界の動きをざっくりとまとめてみる。

①「環境先進国」を自認する欧州及び米民主党(バイデン政権)は、石炭を廃止したい。

②しかし現実には、発展途上国において石炭火力発電はますます増えている。

③日本の石炭火力発電はクリーンであるにも関わらず、欧米が叩くのでおおっぴらに外国に輸出できない。結果として粗悪な石炭火力発電が次々に作られている。

こういう感じである。

石炭火力発電の需要は、実は大きい。ここのシェアを日本が取れば、世界はもっとクリーンになる。しかし、欧米がそれを邪魔している。

ただし、米国に共和党トランプ政権が復活すれば、米国は再び石炭火力容認の方向へ舵を切る可能性がある。不安定な状況とも言える。

日本には日本の事情があると言うべき

言うまでもなく、日本は資源が少ない国であり、エネルギーの多様化は必須の課題である。原発事故以降、原発稼働もまだ進んでいない状態だし、太陽光パネルを敷き詰める広いスペースもない・・・というか、自然を破壊して太陽光パネルを敷くという愚かな欺瞞さえ見られる。

かつてトヨタがEV化の流れに乗らず、世界から叩かれていた。けれども、いまやEVが夢のようなものではないという現実が分かってきて、水素エンジンをはじめとするトヨタの技術が見直されている状態である。

これに習って、日本政府も「日本には日本の事情がある!」と言うべきだと思う。信念と戦略をもって進めば、きっと日本に先見の明があったということが示されるときがくるだろう。

上記動画のなかでコメンテーターが「日本は世界の流れに遅れている」という主旨のことを言っているが、欧米=世界ではない。現実には、石炭火力を必要としている発展途上国がたくさんある。こういった事実にも目を向けるべきだとも主張した方が良いと思う。

加えて言えば、日本は古来よりSDGsを実現してきた歴史がある。欧米の上から目線のSDGsを有り難がるのは、やめた方がいい。


むしろ「石炭同盟」を主導すべきでは・・・

「日本はG7で孤立した」というが、世界においては孤立などしておらず、石炭に関してはオーストラリアという”同盟国”がある。

今後ますます経済成長が見込まれるインドも、有力な石炭火力発電市場だろうし、米国トランプ政権が復活すれば、日米豪印QUADで「石炭同盟」を牽引できるかも知れない。

粗悪な石炭火力発電を世界に増やさないためにも、日本は石炭同盟を主導しても良いとすら思う。

このように、各国には各国の思惑がある。欧米は優等生面して日本ばかりを叩くべきではなく、本当に気候変動を防ぎたいならば日本の技術も受け入れていくべきだと思い、つれづれなるままに記事を書き記す次第である。

加えて言えば、石炭廃止に欧州も苦しんでいるのだ・・・




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