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日本の外交戦の主戦場:国連安保理改革!【負け組から勝ち組へ】

国連・・・なんて美しい響きの組織だろう。世界の平和を希求する、超国家的な理想の組織。国連中心に世界が回れば、きっと世界は平和になる。

・・・と、かつて青いころの私は思っていた(笑)。

けれども現実を知り大人になってしまった私は、国連がクソな組織であることを理解している。

なによりも、国連はウクライナ戦争を止めることができなかった。これこそ、国連が役立たずの組織であることの証明である。

どうして国連が戦争を止めることができないのか、それは安全保障理事会の常任理事国というものがあるからである。常任理事国のロシアが戦争を起こせば、国連はそれを止めることができない。歴史をさかのぼれば、20年前にはアメリカがイラク戦争を起こし、やはり国連はそれを止めることができなかった。中国が戦争を起こしても、止めることができないだろう。

国連とは、アメリカ・イギリス・フランス・ロシア・中国の五大国の都合の良い組織に過ぎないのである。

国連の安全保障理事会は、「戦後レジーム」そのもの

さて、国連安保理の常任理事国とは一体何なのだろうか?

常任理事国のメンバー、アメリカ・イギリス・フランス・ロシア・中国は、第二次世界大戦の戦勝国(厳密には中国は違うが・・・)であり、当時”敵”であったのは、主にドイツ日本である。

つまり、国連の本質は「平和を希求する組織」という皮をかぶった、戦勝国クラブであり、少なくとも発足直後は、敗戦国ドイツ・日本にマウントを取るための組織であった。しかし、ドイツ・日本さえ悪いことをしなければ世界は平和・・・なわけはなく、「勝ち組」側の五大国の悪行を止める術がないという不完全な組織である。

まさに、国連とはいわゆる「戦後レジーム」そのものだ

第二次世界大戦から80年ほど経過し、時代は変わった。ウクライナや台湾情勢が危うくなり、その当事国に国連安保理常任理事国がいるという現在の世界情勢に、現在の国連は全く合わなくなってきている。

常任理事国入りを目指すG4

そんな国連の安全保障理事会において、常任理事国入りを目指してきた通称G4と呼ばれる国々がある。

日本、ドイツ、インド、ブラジルである。

日本ドイツは、国連発足時は敵認定されていた国だが、その後平和国家としての道を歩み、経済大国として復活した。2023年の時点でGDP世界3位、4位の大国である。

そしてインドは、世界人口が第一位となり、GDPも世界5位、いずれドイツ・日本を抜き世界3位のGDPの経済大国となることが有望視されている、21世紀のキープレイヤーである。

ブラジルは南米一の大国で、BRICSメンバー。ロシア・中国とも独自のパイプを持つ。G4は、常任理事国入りを目指すにふさわしいメンバーと言える。

ウクライナ戦争が起きて以来、国連安保理の機能不全は世界に周知され、安保理改革の重要性はずっと増している。2023年の国連総会でも、上記のような会合が持たれていた。

日本の外交戦のメイン・バトルフィールド!

今は亡き安倍晋三元首相が唱えた「戦後レジームからの脱却」。その象徴的なできごとの一つが、日本の国連常任理事国入りであると私は思っている。

すなわち、日本の「戦後」を終え、新たなステップへ進むために必要不可欠なことだ。いかに国連が役立たずの組織であれ、敗戦国からの脱却という象徴的イベントは重要だ。日本の外交戦における最重要の主戦場といっていいと思っている。

日本の常任理事国入りを阻むのが、中国とロシア・・・だがそこに、ウクライナ・台湾情勢が絡み、さらに現在の世界情勢の最も上位にある「自由民主主義陣営」VS「権威独裁主義陣営」(VS「グローバル・サウス」)という構図も影響する。

ロシアが孤立し、中国もロシア寄りとみなされているいま、日本にとって大きな追い風が吹いている状態である。

当note記事でも、他国が日本の常任理事国入りに言及するニュース記事を、その都度クリップしてきている。安倍政権以降、日本は外交下手というイメージを一新させつつあり、わりと地道な根回しを行えるようになってきた。

他にも国連の機能不全を示唆する記事がいくつかあるが、このような状況下において日本の外交努力は少しずつ実を結んでいると期待したい。


国連安保理改革とG4、そしてG7、QUAD、TPP、自由で開かれたインド太平洋戦略・・・すべてはつながっている

負け組から勝ち組へ・・・安倍氏亡きあとも、日本外交はまずまず健闘している。

(画像は写真ACから引用しています)

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