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イギリスが日本の常任理事国入り支持を表明!国連常任理事国になる意味とは?

イギリスが、日本の国連常任理事国入りを支持したとの報道がなされた。このことの重大性に気づいている人がどれくらいいるだろうか?

本日は、素人ながらに世界情勢を分析している立場から、「日本の国連常任理事国入り」の持つインパクトを考えてみる。

クレバリー英外相は12日、ロンドンで政府の長期的な外交方針を示す基調演説を行った。

 この中で、国連改革の必要性に触れ、安全保障理事会常任理事国を拡大し、日本を加えることを支持すると表明した

上記記事より引用

国連は戦勝国クラブである

まず大前提として、国際連合は平和を愛する諸国民の集まりというわけではなくて、第二次世界大戦の「戦勝国クラブ」である。

国連に対する幻想を抱いている日本人は多いし、私も昔はそうでした。

けれども残念ながら、国連は平和を愛する理想的な組織ではない。国連で最大の権限を持つ常任理事国は、アメリカ・イギリス・フランス・ロシア・中国の第二次大戦戦勝国(とされる国々)であるし、敗戦国たる日本やドイツには未だに「敵国条項」が設定されている。まさに「戦勝国クラブ」だ。

つまり、国連は第二次世界大戦後の「世界秩序」そのものだし、日本の「戦後レジーム」を生み出す根幹たるものだといえる。日本はずっと「負け組」枠にいるのである。

では「勝ち組」枠にいる連中がどうしているかというと、ロシアや中国のみならず、アメリカだって自国の権益を最大化するために国連というシステムを利用している

そうやって戦後80年ちかく世界は動いてきた。

世界秩序が再編されるとき

しかしながら、昨今の情勢下、この第二次世界大戦後の世界秩序に軋(きし)みがでてきている。最も象徴的なできごとが、ロシアのウクライナ侵攻である。侵略する側が常任理事国であるゆえに、安全保障理事会は全く動けない。常任理事国の暴走を、国連というシステムでは止めることができないのだ。

そういった背景から、昨今、国連改革がにわかに叫ばれ始めている。イギリスはその急先鋒であり、日本の岸田政権も一応国連改革を主張している。

国連改革とは、常任理事国の入れ替えであり、それはすなわち「世界秩序の組み替え」である。

80年ぶりに、「勝ち組」と「負け組」が入れ替わる可能性がある。

ずっと「負け組」枠にいた日本やドイツにとっては、千載一遇のチャンスであるといえる。

これからの時代、刮目せよ

19世紀の世界覇権国・イギリスは本当に先見の明があるというか、言葉は悪いが「世界をいかに支配するか」という術に長けているように思える。

イギリスは覇権国から滑り落ちたものの、「勝ち組」の立場にはずっと居続けるつもりである。その深慮遠謀は、ジョンソン元首相が提唱した「新大西洋憲章」に如実に表れている。

なんだかんだで19世紀の覇権国イギリスと、20世紀の覇権国アメリカのコンビは強い。これらの国と緊密な関係を築いている日本は、新たにやってくるビッグウェーブに乗れるかも知れない大きなチャンスを迎えている。

次の80年も「負け組」の立場はまっぴらごめんだ。日本は舵取りを間違わないように、しっかりと「勝ち組」の方に入って欲しい。国連常任理事国入りは、そのための象徴的出来事であり、まさに「戦後レジームからの脱却」が成る瞬間なのだ。

そして、この「象徴としての国連常任理事国入り」に実施的な力を与えるのが、自由で開かれたインド太平洋構想であり、TPPであり、G7であるのだと思っている。特にイギリスの動きには今後も注目していく。

(画像は写真ACから引用しています)


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