父よ、本当のことを言ってくれ(ウサギノヴィッチ)
──神の前で正直に話しなさい
と、父は言った。
ぼくは、嘘の罪を言った。毎日、父に懺悔させされるぼくは、最初は小さいことでも良いから報告をしていたが、だんだんとそれもなくなり、嘘を懺悔するようになった。
父は敬虔なクリスチャンではなかった。ただ、単純にぼくから懺悔を引き出せさせたかった。その罪を断罪するので花なくて、ただ、話として聞きたかったのである。この懺悔が父との唯一のコミュニケーションだった。いや。会話はしていない。儀式めいたものであって、ぼくが一方的に喋るだけだ