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”親子でできる防災” 子育てと防災の専門家に話を聞こう! 【虹色ライブvol.1 】レポート

2022年2月6日に子ども防災アドバイザーの大塩さやかさんをお迎えした、youtube LIVEの内容をレポートしました。
▶︎動画視聴はこちらから
逗子かぐのみ幼稚園の先生だった、さやか先生。13年間幼稚園教諭をされたあと、海外に行かれたりして、今は今は災害支援団体で仕事をされています。東日本大震災を初め、災害現場でも数多く活動されていて、昨年は逗子市内の公立小中学校でも防災の授業をされたそうです。

★大塩さんに、やすえさんについて聞いたインタビュー記事もあります。こちらもよかったらお読みください。(by 虹色未来プロジェクト 事務局)
▶︎「やすえさんってどんな人?〜大塩さやかさんに聞きました」


急にサイレンがなった。どう行動すれば?

備蓄品をどこに置いておくかを日頃から考えておくといいと思います。家によっても違いますが、すぐに取り出せるところ。あとから取りに来るではなく、家の中ですぐ持ち出せるところがいいです。

警報は、大人も子どもびっくりして、どうしていいか不安になります。保護者が不安になるともっと子供は不安になるので、まずは一回落ち着いて、状況を把握できるようにすることが大事。大人の気持ちは子どもに反映されるので、いざという時に落ち着いて判断できるような事前の知識を得ておくことが行動につながります。

また、家の中、街の中でどこが安全なのかを、家族や学校、行政とも話しながら、考えておくということも大事だと思います。

防災グッズ。備蓄食パーティもやってみて!

家庭によって準備したほうがいいものは変わります。
乳児はミルク、小さい子の食事、アレルギー対応の食事など。
支援でお弁当やパン届きますが、食生活に偏りができて野菜不足になるので、乾燥野菜などを追加するといいです。
備蓄食は、水に入れてごはんになるアルファ米、水に戻す野菜などあるといいですね。
子どもたちは好き嫌いがありますし、食べたことないもの無理して食べるのが難しいですよね。そうすると大人は子どもが食べないのをみてイライラしたりするだろうから、事前に食事の不安をなくしておくために、備蓄食は必ず一回は食べてみるのをおすすめしています。
家にある備蓄ごはんで、備蓄食パーティーをして、楽しんで普段の生活の中に取り込んで、子どもが食べられるものを把握したり、いろいろなものを試してみるといいと思います。

子どもも一緒に準備!事前に使ってみて一緒に考える

旅行感覚で道具を準備をするのもいいです。
何が入っているか、使い方を子どもも把握しておくようにします。
子どもは暗いと不安になるので、暗がりでライトをつけると明るくなるんだということを知っておくなど、不安要素をなくしておくことも大切。暗闇、夜に明かりをつけて歩くなどもやってみるといいでしょう。
ライトも手持ち、ランタン、ヘッドライトいろいろあります。子どもと一緒にやりながらいい方法を考える。子どもを抱っこして避難するときに、どのライトがいいかなどわかるので、事前に使ってみることが大切です。

トイレの問題

あとはトイレの問題。排出できないと健康の問題になります。緊急時に初めて使うのはストレスになるので、携帯トイレも事前に使ってみるといいです。経験しておくことで、子どもたちのストレスや不安を小さくしておくことが大事です。

子どもたちも頼って、一緒に頑張る姿勢で

子どもたちも頼まれるのは嬉しいし、一緒に頑張ろうねという姿勢で取り組むといいと思います。賞味期限が近いから、また備蓄食パーティしようねとか。
一緒にやるのは子どもは嬉しいものです。大人だけでなんとかしようとしないで、子どもも巻き込むといいです。幼稚園生でも頼られると嬉しいですし、意外とこの年代のお子さんたちはしっかり考えています。こういった姿勢は普段の生活でも大事だと思います。

それから、その子が安心できるもの、寝てるときのタオル、ぬいぐるみなどを持っていけるようにするといいです。緊急時はストレスが溜まるので、落ち着くきっかけになる大事なものです。

子どもと避難ごっこ

子どもと避難ごっこをしておくのもいいと思います。
災害発生時に子どもと一緒にいるとは限りません。
街中に貼ってある避難標識。津波避難ビル、市役所、NTTなどが→の方向にあるよということを知っておくことも大切です。

子どもも字は読めなくてもマークはわかります。→だと迷路とか探検のイメージになりますよね。→の先に何があるのかな?と→を子どもと辿っていく。散歩感覚で。
また、逗子の電柱には標高が全部書いてあるはずです。浸水したときに高い方、数字の大小で大きいほうが安心だよねといった話をしてみるなど、歩きながら見てみるのがよいと思います。
山などの避難表示が出ている場合は、子どもと一緒にどの程度の時間で登れるのかをあらかじめやってみる。ベビーカーなのか、抱っこなのかの方法も考えて。実際やってみると、ベビーカーは大変だったりして、おんぶの方がいいという判断になるかもしれません。さらに、きょうだいがいた場合はどうなるか。
普段の散歩中でも、ちょっと頭の隅に入れておくと違った見方ができると思います。

避難先での過ごし方。

嚥下障害やアレルギー対応等は正直難しい環境です。最初はアルファ米、レトルト食品、誰でも食べられる備蓄食が届きます。それが食べられない場合は、各自で用意しておいたほうがいいです。のちのちの支援が届く可能性はありますが、被害の状況によりけりで、いつになるかはわからない。ある程度は用意しておいたほうが安心です。

子どもたちは狭いスペースの中でじっとしてなさいは難しいですよね。でも集団の中なのでルールを守っていく必要はあります。子どもを無理やり押さえつけるのはできないと思うので、子どもが発散できる環境を作るのが大事です。
みんなに迷惑かかるかなということを懸念して、行きづらいと思う人もいらっしゃるでしょうが、自宅にいる場合、そこが安心できる場所だったらいいですが、もしそうではなかったらそんなふうに思わないでほしい。安全に過ごすのが一番大事。お互い様。地域のみんなで小さい子を受け入れる、障がいお年寄りみんなで助け合えたらいいなと思います。

これまで、避難所に関しては子どもが遊べるスペースを作ったり、子ども向けのイベントなどをボランティアでやってきました。外部から支援団体とか地域の子どもサークルの人とかもきてくれることもあります。避難所が小さな地域、町といった感じです。お互いを温かく見守れる関係性、それを作っていく必要があると思います。

挨拶がコミュニケーションの第一歩

地域のつながりはすごく大事です。
挨拶からはじめて、近所の人とつながりを作っていく。例えば、おまわりさんと話す、商店街の中で昔からある八百屋さんなど、顔が見えるところで買い物をする。今日は何がおすすめ?と地元の人とのコミュニケーション、町の人たちと話しているところを見せると子どもたちも安心すると思います。大人がそういう姿を見せると、子どもたちも話すようになっていきます。
避難所で初めて出会ったり、日ごろから顔が見える関係あると、何かあったときの助けにつながっていきます。
私たちが外部支援で入るとき、避難所の皆さんとは初対面。お互いを知るには挨拶が一番大事。挨拶をしっかりします。挨拶の積み重ねでコミュニケーション生まれる。こちらからいろんな人に挨拶していくと向こうもしてくれるし、まわりも挨拶をし始める。当たり前にかわす一言を積み重ねると、それが伝染していく。誰にでもできることですし、繰り返すことが大事です。

できること、できないことを周りに伝える

一人で避難できない家族がいるということ、協力して欲しいということを、周りの方に知ってもらうことは大事です。
以前、視覚障害の方とお話しすることがあって、自分がどんなことができて、どんなサポートが必要かなどを自分からどんどん発信している、普段の生活の中で伝えていくのを気を付けてやっているとおっしゃっていました。そして、障害があるから何もできないと思われるのは悲しい。実際にはできることもある。できることで役割を与えてもらいたい。目は見えないが耳は聞こえるし話はできる手も動く。それぞれの人が、できること、できないことある。お互いを知って、助け合って生活していけるように、普段から行動しているとおっしゃっていました。

災害時、子どもだけで家にいるときどうしたらいいか?

最低限決めておいた方がいいのは、避難するとき、それぞれの家族がどこの避難所に避難しよう、落ち合おうというのを決めておくこと。それから、避難所が遠いときの連絡方法。すぐに電話つながらないもあるので、話し合って決めたことがあると安心できるかなと思います。
あとは家族が、自分の身は自分で守ってくれるという信頼、日ごろの備え、お互いの信頼がすごく大事だと思う。

子どもたちが自分で考えて行動できるように

子どもと一緒に防災について考えるという普段の積み重ねが大事です。
幼稚園の先生のときから大事にしていたのは、子どもたちに自分で考えて行動できるようになって欲しいということ。先生が言ったからこうした、ママが言ったからではなく、自分がどうしたいかを考えて行動できる。それが日頃から積み重ねでできたらいいなと思っています。

幼稚園の先生をやっていた時、印象的な出来事がありました。
ある子が、朝、今日はママが元気なかったと言っていた時のこと。
心配だね、どうしたらいいかな?と問いかけをしたら、その子はしばらく考えて
「ママがそうなのは寂しいから。元気になってもらいたいから、おうちに帰ったらギュッとしてあげるんだ。」
と言っていましいた。

子どもはいろんなことを考えています。
大人はこうしようああしようといいがちだけど、子どもがどうしたいかという思いを大人は考えて欲しいなと思います。
「ごはん食べたくない、お菓子食べたい」といった生活習慣やルールに関することは別にして、それ以外は、どうしたいかを自分が考えることを、大人が促して大事にしてあげることが大切。それができるようになることが、いざというときにその子の力になるんじゃないかと思っています。


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【2月27日オンライン開催!】わが家の災害対応ワークショップ~水害編~
●3/19、20に行われる”逗子トモイクフェスティバル”に逗子災害ネットワークとして、防災ブースをだします。子どもが遊んで防災を学べるコーナーも出す予定です。

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