#483 決裁権限を人質に取るのは単なるサボり!?
どんな会社でもある決裁権限。それは単に役割なのであって偉いわけでもなんでもないんだけどな、と思ったので、メモ。
1、そもそも決裁権限は株主のもの
そもそもの話なのですが、決裁権限ってなんでしょう?
いろいろな会社の形態があるのですが、一般的な株式会社であれば、会社は株主のもので故に「決裁」は株主総会で行われるべきものです。
とはいえ、日常の業務のあれこれをいちいち株主総会に諮っていては業務が回りませんので、株主から経営陣に決裁権限が移譲されているわけです(株主総会で決めるべき重要なことは会社法できちんと定められています細かいことを言うと業務執行の決定と業務執行は分けられていたりします)。
で、さらに、全てを最高経営責任者が決めるわけにもこれまた行きませんから、担当執行役がいて、さらにその下に部長なりなんなりがいて、さらに課長がいて、、というように、順繰りに権限が移譲されている、というのが「決裁権限」なのです。
2、決裁権限を持つ人は何を期待されているのか?
回りくどい話から入ってしまいましたが、何が言いたいかというと、全ての「決裁権限」は株主から経営を円滑にするために移譲された、任されたものであり、別に決裁権限を持つから偉いわけでもなんでもない、ということです。
確かに役職が上に行くほど決裁できる金額が大きくなったり、範囲が広くなったりはします。でも、それは、所詮(と言ったら言い過ぎかもしれませんが)株主総会には諮らなくていい程度の内容です。
そして、この点が非常に大事なのですが、「業務を迅速に行う」ことが目的で権限を移譲されているのですから、正確性はもちろんですが、スピードが求められることが大前提として期待されていることなのです。
3、決裁権限を人質に判断を先延ばしするのはサボり!?
というわけで、やっと題名に辿り着きましたが、たまーに(よく?)見られる、決裁権限を人質にして、速やかに判断をせず、もっと判断できるような情報を用意しろ、とか、○○の部署には確認したのか?とか、いう指示を出す、という決裁権限者は、つまりは、大前提としてのスピードを犠牲にしている、ということです。
もちろん、正確性も求められていますが、そもそもその権限を与えられているのは、「その程度なら判断できるでしょ」、という範囲のもののはずです。
もっといえば、そもそもVUCAの時代に正確に判断するために必要な全情報を用意することなどできません。それができればもっと下の階層の担当者でも決裁できる内容ということです。
にもかかわらず、速やかな決裁をしない、というのはサボっている、というではないでしょうか?
4、まとめ
いかがでしたでしょうか?
直近で似たような決裁者に出会いまして、ちょっとイラッと(失礼)したものですから、改めて決裁権限って何?ということで思ったことをメモしてみました。
管理職の唯一最大の役割は「決める」ことだと思っていまして、2年ほど前にも以下の投稿をしました。
それができない、ということであれば、本当に存在意義は薄いのではないでしょうか?もちろん、本当にこれでは判断できない、というものもあがってくることもあるでしょう。でも、それが「いつも」となると、文字通り業務が滞ってしまいます。
それだけではありません。そういう決裁者がいると、周りは必要以上に重厚な準備をすることになりますし、その分業務量が増え、他の業務を圧迫します。さらには、変なことを言うと宿題が出るわけですから、情報があがって来なくなり、その決裁者自身も困ることになるはずです。
今一度、自分に与えられている決裁権限がどういったものなのか、よく理解すべきでしょう。
私自身もそうなっていないか、改めて考えてしまった週末でした。
最後までお読みいただきありがとうございました。
例によって個人的なメモでしたが、どこか参考になるところがあれば嬉しいです。
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