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#489 感謝で「報告」の質が変わる理由

なんで報告しないんだ!となるのは、部下の問題ではなく上司の問題だよなぁ、と思ったので、メモ。


1、「報告」は上司の責任?部下の責任?

マネジャーになると当然ですが入ってくる情報が変わります。
簡単に言うと上から(経営から)入ってくる情報は多くなりますが、チームメンバーから入ってくる情報は少なくなります。

でも、意外とこれが分かっていない人もいるのだなぁ、と、新任のマネージャーと話していて感じました。

そのマネージャーはその立場上、部下であるチームメンバーからの情報は「報告」という形で増える、と思っていました。そしてその責任は部下にある、と思っているのです。

確かにそうかもしれません。でも、「報告」という形を取ることでさまざまな情報が削ぎ落とされているものですし、そもそも何をどういうタイミングで報告してほしいかはその情報を必要とするマネージャーがチームメンバーにきちんと依頼するべきものです。

つまり、チームメンバーから得られる情報はそもそも少なくなるものですし、必要な情報を得ようとするなら、それはマネージャー側の責任なのです。


2、「報告」してもらったら感謝とフィードバックが大事。

そもそもなぜ「報告」が必要なのでしょうか?

マネージャーが当然、と考えるほどには、チームメンバーは当然、とは思っておらず、「仕方ねーな、これも仕事だ」という感覚で捉えているケースも実は多いのではないでしょうか?
(脱線ですが、面白いもので、自分が部下の時には「こんな無駄な報告させやがって」と言っている人ほど、自分が上司になると「きちんとした報告が上がってこない」と言う気がするのですが…)

なぜこのようなことが起こるのか?

それは、手間をかけてした「報告」が一体何に使われているのかわからない、本当に必要なのか、という不満と、その手間に対しての「感謝」がない、ということの2つです。

1つ目については、なぜその報告が必要なのか、それでそのような判断をしているのか、ということがチームメンバーにもわかるようにフィードバックすることで解消できます。
2つ目については、文字通り「感謝」を伝えれば解消できます。

いやいや、当たり前でしょ、と思われたかもしれませんが、「報告」というのは通常業務なので、ともすると「毎回」が「たまに」になり、そのうち「まったくフィードバックも感謝なし」ということになる可能性が非常に高いのです。

特に「報告」は部下の仕事でしょ、と思っているマネージャーほどそんなことはしません。なので部下はその意義もわからずルーティンとして「報告」をこなすだけになります。


3、フィードバックと感謝を怠ると…

このように大事な「報告」なのに当たり前、と捉え、するべきフィードバックと感謝を怠っていると何が起こるでしょう?

当然ですが、正確な情報把握ができないのですから正しい判断もできず、大きな問題が起きる可能性が高くなります。

そしてそうした時に、「なぜきちんと報告しないんだ!」となるわけですが、それはさらに状況を悪化させます。

なぜなら、チームメンバーはサボってた訳でないのです。一体何に使われるのか目的もわからないまま、定型作業として「報告」はしてきたのですから。
つまり、一体どんな「報告」が「きちんと」したものなのかわからない、知らされていないのに、いきなり怒られるのです。

理不尽極まりない、ですよね。

次からは何でもかんでも報告するかもしれませんし、さらに必要最低限にするかもしれません。

いずれにしても、状況は悪化します…


4、まとめ

いかがでしたでしょうか?

フィードバックと感謝を伝えないと、あるいは、その目的をきちんと伝えないで、「報告」を部下の責任において勝手に上がってくるもの、と勘違いしていると、大変なリスクを負うことになる、という話でした。

もっとひどい状態になると、「こんなこと報告したら怒られるだけだから、言わないでおこう」ということにもなりかねません。

そこまでひどいことはないよ、と思われるかもしれませんが、大手企業でも相次いで検査不正などが明るみになった事案があったことは記憶に新しいでしょう。つまり、そこまでひどいことはあり得るのです。

それを防ぐには、簡単な、フィードバックと感謝を行うことです。
難しいとすれば、それを、いつも、必ず、継続して、行う、ということです。

私自身の最も苦手とする「凡事徹底」ですが、その後の払うコストを考えれば、やらない、という選択肢はないですね。

しかも、感謝まで実践すると、「報告」の質が上がるだけでなく、前もって「相談」をしてもらえるようになるものです。

「報告」は部下の問題ではなく、上司の問題、です。


例によって個人の経験にもとづくお話でしたが、どこかお役に立つところがあれば嬉しいです。

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