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2月16日 成長する気象予報ビジネス。さらに伸びる分野は何だろうか?

今日は何の日?をビジネス視点で掘り下げ「頭の体操ネタ」にしています。
今日の「頭の体操」用質問例はこちら。

→今後の気象予報ビジネスはどのような分野でどのような成長の可能性があるだろうか?そしてそれを収益に結びつけるにはどのような方法があるだろうか?


1883(明治16)年のこの日、ドイツ人の気象学者エリヴィン・クニッピングの指導のもと、7色刷りの日本初の天気図が作成されたことを記念した「天気図記念日」です。

身近な天気予報。
昔は気象庁が独占していたのを気象予報士という資格ができて、自由化されたんじゃなかったけ?ぐらいの曖昧な記憶しかなかったのですが、なんと、気象庁と気象協会とが別組織で、気象協会は民間企業だった、なんて…知らないことが多くありました。

では、まず、気象庁と気象協会の違いから。

気象庁は国の組織です。天気予報から地震、火山などまで自然災害に関するものを広くカバーしています。こうしたものは国益にかなうものですから、税金が投入されてその活動が行われています。

では、気象協会はというと、なんと1950年設立の民間の気象会社(財団法人)なのです。全く知りませんでした…

両者には過去、気象庁が予報を発表し、気象協会に所属する人がテレビやラジオで解説を担当する、という役割分担がありました。

1993年の天気予報の自由化までは一般向けの天気予報は気象庁の独占とされていました。ということは、気象協会も独占状態でした。

これが自由化によって両者の関係は徐々に変わっていくことになります。
簡単にいうと、共存共栄の関係から、お互い予報を出すライバル関係になったのです。

さて、天気予報というと、今は「ウェザーニューズ」も有名ですね。こうした民間の予報会社の参入は自由化以降と思われるかもしれません。

確かに一般向けの天気予報が自由化になったのは1993年なのですが、「特定向け予報」と言われる予報は、1953(昭和27)年に制定された気象業務法により許可制ではありますが、行うことが許されていました。実際、昭和28年には茨城県水産試験場や日立市天気相談所、トウジョウ・ウェザーの3事業者が誕生しています。

トウジョウ・ウェザー(現社名いであ株式会社)は日本テレビからの依頼を受け、開業と同時の昭和28年から民間初の天気予報解説である「ヤン坊マー坊天気予報」も担当していました(ヤン坊マー坊なんか洗練されてます…)。

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同社は、港湾工事の安全を図るための波浪予報の提供などを行っていますが、現在では主力業務は社会基盤整備の環境影響評価などのコンサルティングとなっていて天気予報はその一部という位置付けです。


そんな民間による予報ですが、現在では、80を超える予報業務許可事業者が存在します。



その中でも主力業務が天気予報である大手2社の売上等は以下の通り。
☑️ 気象協会(2020年3月決算) 事業収入137億円、経常増額4億円
☑️ ウェザーニューズ(2020年5月決算) 売上高179億円、営業利益22億円

このように今や気象協会を上回る売上を出しているウェザーニューズの成長の経緯を見てみましょう。

日本ではアメリカのオーシャンルーツの子会社として1970(昭和45)年にスタートしました。社名の通り、船の航路予報が業務です。今でこそ珍しくありませんが、単なる天気予報ではなく、それに対応策(航路上の天候がこうなので、ルートをこうした方が早いし省燃費という対応策)まで提供、というのは当時としては全く新しいサービスでした。

1975(昭和50)年には予報業務許可を取得し(それまでは北太平洋の気象が対象で許可不要)、後楽園スタジアム(当時はドームではないので屋根がありません)の試合可否判定のサービスなどから次第にデータを整備しながら、サービスを拡充していきました。

1976(昭和61)年にはオーシャンルーツから陸上・航空部門を独立させ、ウェザーニューズが設立されます。

1993(平成5)年には、オーシャンルーツを吸収合併し、全世界ネットワークを確立、世界最大の民間気象情報会社となります。

その後、スマートフォンの普及などにより天気予報のコンテンツの重要度が増したこと、省エネニーズから航路提供サービスの伸びなどによって売上を伸ばし、現在に至っています。

世界最大だったとは…

→気象情報は小売の売上などにも影響があり、ニーズが高まる傾向にある。特に食材のロス軽減につながることや効率的な物流に寄与するという面も注目されている。今後、気象情報はどのような分野に活用されていくだろうか?


最後までお読みいただきありがとうございます。
過去の投稿は以下にまとめていますので頭の体操ネタに覗いていただければ幸いです。


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